フェラーリに提出された「報告書」の正体とは? バスール代表が噂の真相を説明
2025年シーズンのフェラーリは、結果面だけでなく舞台裏でも注目を集める1年となった。コース上では期待されたパフォーマンスに届かず、同時にイタリアメディアを中心にチームを巡る憶測や噂が相次いだ。フレデリック・バスール代表の進退が取り沙汰され、さらにはクリスチャン・ホーナー氏が後任候補になるのではないかといった報道まで飛び出した。
なかでも大きな関心を集めたのが、「ドライバーがフェラーリに批判的な報告書を提出した」という一連の報道だ。特にルイス・ハミルトンが、チームに対して大幅な改革を求める文書を提出したとする記事は、フェラーリが危機的状況にあるかのような印象を強調して伝えられてきた。
しかし、シーズン終了後もチーム代表の座にとどまり、ジョン・エルカーン会長からの支持を受けるバスール氏は、こうした噂の多くを冷静に否定する。バスール氏は、話題となった“報告書”の実態について、次のように説明した。

「時々、『ドライバーから変更を求める報告書を受け取った』という記事を目にするが、正直に言って、その点については少しナイーブだと思う。私たちは毎レース後、ドライバーから報告を受け取っている。これは特別なことではない。『ここを改善すべきだ』、『次はこれを試したい』と伝えてくるのは、通常のプロセスだ」
バスール氏は、ドライバーからのフィードバックは日常的な業務の一部であり、チームの危機を示すものではないと強調する。特に今季は、ハミルトンがセッション後のインタビューで厳しいコメントを口にする場面も多く、外部からは不協和音が目立つように映った。しかし、フェラーリに関する情報は実態以上に大きく扱われがちだと、チーム関係者は見ている。
むしろバスール氏は率直な意見交換を重視するタイプで、ドライバーから厳しい指摘が出てくることを歓迎する立場にある。「もしドライバーから『すべて順調だ』と言われ続けたら、それこそ私のほうが参ってしまう」と語るほどだ。
2026年からは新レギュレーションが導入される。フェラーリがこの転換期をうまく乗り切ることができれば、話題となった“報告書”の中身も、より前向きな内容へと変わっていくのかもしれない。
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