メキシコGPに向けてエキサイティングな5つのトピック!
オースティンで行われたスリリングなアメリカGPは、さらなるレースへの意欲を掻き立てた。今週末に開催されるメキシコGPへ向けての主な話題をいくつか紹介しよう。
【オースティンの反省点】
日曜日のサーキット・オブ・ジ・アメリカズでは、マクラーレンのランド・ノリスがオープニングスティントをリードし、マックス・フェルスタッペンにリードを許す前にルイス・ハミルトンがトップに立つという緊迫したレースが展開された。終盤のハミルトンの追い上げは見事だったが、わずかに届かず、技術的な違反により2位の18ポイントも獲得できなかった。
ハミルトンとシャルル・ルクレール(当初6番手)はともに、プランクの摩耗における不正が発見され失格となった。
プランクとはマシンの底面にある板のことで、10mm以上の厚さであることが規定されている。レース中に摩耗することが避けられないこのプランクだが、レース後に少なくと9mm残っていなくてはならないというルールが、2023年F1技術規定書の第3.5.9条のeに記載されている。この規定を満たさなかったハミルトンとルクレールのマシンに関して、調査後、直ちにスチュワードに報告された。
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このような複雑なチェックには時間がかかるため、多くのファンが最終結果が判明する数時間前にサーキットを後にしてしまった。また、FIAはチームが限界に挑みすぎることを抑止するために無作為にマシンを選んでいるが、日曜日の夜にチェックされた4台のうち2台が同じ項目で不合格となった。
単純な解決策を出すのは難しいが、今後、何か違うやり方ができないか、多くの意見が出されることを期待したい。
【母国グランプリとなるセルジオ・ペレス】
ホーム・アドバンテージがあるにしろ、メキシコ・シティでメキシコ出身であるレッドブルのセルジオ・ペレスがレースをすることは、大きなプレッシャーに違いない。
ペレスはメキシコの大スターであり、先週末のテキサスでもすでに大声援を受け、グランドスタンドからは彼の名前が常時コールされていた。しかし、ペレスはシーズン後半に厳しい時期を過ごしており、第4戦アゼルバイジャンGP以来勝利がない。
オースティンでは堅実な走りを見せ、スプリントでの5位に続いて日曜日の決勝レースでは4位でポイントを獲得した。
レッドブルは依然として優勝候補の一角であり、メキシコ・シティの標高が序列を大きく揺るがすことがないことを望んでいる。ペレスは過去2回、この地で3位入賞を果たしている。
【アストンマーティンはマクラーレンに反撃となるか?】
マイク・クラック率いるアストンマーティンはライバルの開発速度に追いつくのに苦労している。マクラーレンの、アストンマーティンに対するオーバーホールはここ数レース必然のように感じられる。
日曜の夜、ランド・ノリスはアストンマーティンが「アップグレードを重ねるごとにマシンが遅くなっているようだ。」と語ったが、その段階ではフェルナンド・アロンソとランス・ストロールがアメリカGPで見せた進歩には気づいていなかったかもしれない。
2人は日曜日の決勝レース前にセットアップや仕様に変更を加えて、ピットレーンからスタートした。ストロールは9位でチェッカーを受け、その後のハミルトンとルクレールの失格によって7位に浮上した。
マクラーレンはランキングでアストンマーティンを上回ったものの、その差はわずか6ポイントであり、ストロールとアロンソがオースティンのレースで好パフォーマンスを見せたことは良い兆候だった。シーズンも残りわずかとなり、マクラーレンがフェラーリとの差をできるだけ縮めたいと考えている一方で、アストンマーティンが好調な週末を送り、ライバルが不調な週末を送るだけで、シナリオは再び覆されることになる。
【サージェントの進歩の兆し】
今年、ローガン・サージェントがポテンシャルを発揮する瞬間はいくつかあったが、それは1周だけで、その後はルーキーの進歩を覆い隠すような瞬間が続くことが多かった。
ウィリアムズのチーム代表ジェームス・ボウルズは、サージェントがチームメイトのアレックス・アルボンとうまくマッチアップすることを望んでいる。予選では苦戦を強いられたものの、決勝ではアルボンの後方でレースを進めてゴールした。
ハミルトンとルクレールが失格となったことで、両者ともポイント圏内に浮上。
さらに重要なのは、サージェントが母国のレースというスポットライトの下でもそのようなレースを展開できることを示したことだ。
これは2024年のシート確保に大きく近づいたかもしれない。
【ルーキーのFP1参戦】
サージェントは昨年、レースシートへのステップアップ準備の一環としてメキシコシティで行われたFP1に参加した。
レギュレーションにおいて、チームは1シーズン中に各マシンに1回ずつ、金曜日のプラクティスで若手ドライバーを起用しなければならないことが定められている。
デンマーク出身のF2ドライバー、フレデリック・ヴェスティはメルセデスからFP1デビューを飾る。ジョージ・ラッセルのマシンを引き継ぎ、実力を発揮するチャンスを得る。
アルピーヌではジャック・ドゥーハンが1年前にもドライブしており、今回もそうなるだろう。レッドブルのジュニアドライバーであるアイザック・ハジャルはアルファタウリから初出場。
アルファロメオのリザーブドライバーであるテオ・プルシェールはバルテリ・ボッタスのマシンに乗り、ハースもオリバー・ベアマンをFP1に起用すると発表した。
ベアマンはフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の一員であり、ピエトロ・フィッティパルディが来季インディカーに参戦するというニュースを受けてハースのリザーブドライバーになる可能性もある。
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