アロンソのリタイアはPUトラブルではない アストンマーティン・ホンダ渡辺康治「振動問題は改善の兆し」
アストンマーティンとタッグを組むホンダのF1プロジェクトにとって、開幕戦は厳しい結果となった。ホンダ・レーシングの渡辺康治社長はレース後、現状の課題と改善の進展について語った。
渡辺氏はまず今回の結果について「非常に厳しい結果」と率直に評価した一方で、将来につながるポテンシャルも感じていると説明した。
「このレースだけを見ると厳しい結果ですが、一部には先につながるポテンシャルも感じられた。次につなげていくレースにしたいという思い」
振動問題は大きく改善
開幕前から問題となっていたバッテリーとモーター周辺の振動については、対策が効果を発揮し始めているという。
渡辺氏によると、今回のレースでは振動低減のための対策を投入し、一定の成果が確認できた。
「バッテリーやモーターに対する振動を低減するための対策を持ち込んだが、それがかなり効果を発揮していることを確認した。それによって走行周回数もある程度稼げるようになっている」
ドライバーからのフィードバックでも改善が確認されている。
「ドライバーとも振動について話しましたが、バーレーンテストと比べるとかなり改善しているという感触でした。ランスは『半分くらいになった』というような感覚的な表現もしていました」
まだPUはフルパワーでは使っていない
ただし現時点では、パワーユニットを本来の性能で使えているわけではないという。
「まだPUの使い方には制限をかけている。現時点でPUや車のパフォーマンスがどうこうと言える段階ではない。まだ本来の使い方はしていないという状況だ」
今後は振動の数値データを分析し、車体側との連携を強化しながら対策を進めていく。
「ドライバーの感覚だけではなく、数値的に振動がどうなっているのかを分析しながら、車体側と一体になって対策を進めていきたいと思う」
アロンソのリタイアはPUトラブルではない
また、フェルナンド・アロンソのリタイアについては、PUのトラブルではないと説明した。
「今日はPUに問題が起きたという認識はありません。データ上も異常はありませんでした」
チーム側は「コンポーネント温存のため」と説明しているが、渡辺氏も基本的にはその認識だという。
「PU関連のコンポーネントをどう扱うかという判断です。細かいところはチーム側の判断になります」
レースでは周回数制限を含めた戦略もあらかじめ設定されていたという。
ニューウェイ氏とも毎日コミュニケーション
チーム内では、技術面での連携も強化されている。渡辺氏はエアドリアン・ニューウェイ氏とも密にコミュニケーションを取っていることを明かした。
「毎日話しています。アストンマーティンとしての競争力をどう早く確保するか、具体的にどの対策をいつ入れるかという道筋を一緒に考えています」
PUとシャシーを切り離して考えることはできないと強調した。
「PUだけ、車体だけという話ではありません。車一台として競争力を作ることが重要です」
最初のターゲットは鈴鹿
今後の目標について渡辺氏は、まず信頼性の確保を最優先に挙げた。
「まずは信頼性をしっかり潰し込み、その次にドライバビリティです」
そして最初の大きなターゲットとして挙げたのが日本GPだ。
「最初のターゲットは鈴鹿です。そこまでに振動対策を進め、PUをしっかり使える状態に持っていきたい」
日本GPに向け、ホンダの開発拠点であるさくらとイギリスのシルバーストン拠点が連携しながら改善を進めていくという。
振動の原因は「車体搭載後に発生」
今回の問題の特徴は、PU単体ではなく車体搭載後に振動が増幅した点にある。
「エンジンに振動があるのは当然ですが、ベンチでは許容範囲内だった。しかし車体に搭載したときに異常値が出て、PUやモーターにダメージを与えるレベルになったのがバーレーンだった」
そのため、開幕までの限られた時間の中で対策案を複数検証し、その一つが今回効果を発揮したという。
「サクラのリアルビークルダイノ(VTT)で何案も試し、その一つが当たりました。もちろんまだパーフェクトではありませんが、かなり改善している」
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