【ブラジルGP金曜日レポート】フェルスタッペンがポールポジションを獲得!
【FP1】
ブラジルGPのFP1が行われ、フェラーリのカルロス・サインツがチームメイトのシャルル・ルクレールとメルセデスのジョージ・ラッセルを抑えてトップタイムを記録した。
土曜日に今季最後のスプリントが開催されるため、金曜日のFP1はチームとドライバーにとって、予選前にセットアップの最終確認と最終準備を行う最後のチャンスとなった。
セッションはドライコンディションで開始。
ウィリアムズ勢とダニエル・リカルド以外は、セッション開始と同時にコースに出た。天気予報では1時間の間に雨が降る可能性が20%あるとのことで、コンディションが変化した場合に備えて走行を済ませておきたいという思惑もあったのだろうが、終始ドライコンディションが続いた。
オープニングラップは全車ハードタイヤで走行。エステバン・オコンにはトラブルがあったようだ。一方、序盤からペースを上げていたフェルスタッペンは、シートがたわんでいると説明したが、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼは信頼性の問題はないと安心させた。
【2023年ブラジルGPフリー走行 結果・タイム】
1.カルロス・サインツ(フェラーリ) – 1分11秒732
2.シャルル・ルクレール(フェラーリ) – 1分11秒840
3.ジョージ・ラッセル(メルセデス) – 1分11秒865
4.ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース) – 1分11秒928
5.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) – 1分12秒044
6.ランス・ストロール(アストンマーティン) – 1分12秒136
7.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) – 1分12秒185
8.周冠宇(アルファロメオ) – 1分12秒481
9.ローガン・サージェント(ウィリアムズ) – 1分12秒579
10.ケビン・マグヌッセン(ハース) – 1分12秒592
11.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) – 1分12秒615
12.ルイス・ハミルトン(メルセデス) – 1分12秒638
13.角田裕毅(アルファタウリ) – 1分12秒714
14.ダニエル・リカルド(アルファタウリ) – 1分12秒778
15.エステバン・オコン(アルピーヌ) – 1分12秒779
16.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) – 1分12秒793
17.バルテリ・ボッタス(アルファロメオ) – 1分13秒012
18.セルジオ・ペレス(レッドブル) – 1分13秒056
19.ランド・ノリス(マクラーレン) – 1分13秒629
20.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) – 1分13秒838
序盤はフェルスタッペンとセルジオ・ペレスがルイス・ハミルトンやラッセルをリードしており、フェラーリははレッドブルやメルセデスのペースには及ばなかったが、タイヤの摩耗問題に対処するため、セッション中に多くの周回を重ねた。
フェルナンド・アロンソは、マシンがパンクしたとの連絡を受けてピットイン。その後、角田裕毅がミディアムタイヤを履いてトップに立つが、同じコンパウンドを履いたラッセルに逆転されてしまう。
中盤を迎えてもラッセルは1位をキープし、さまざまな戦略が展開された。ニコ・ヒュルケンベルグとランド・ノリスの間にはドラマがあった。ノリスが遅いハースをパスしようとして接触。このアクシデントはスチュワードによってセッション終了後に調査が行われることになった。
それでもヒュルケンベルグとチームメイトのケビン・マグヌッセンはソフトタイヤでの走行でタイムシートの上位に食い込んだ。
残り10分となったところで風が強まり、サインツとルクレールはソフトタイヤでの走行を選択。この結果、フェラーリ勢はそれぞれ1番手と2番手につけ、ラッセルは3番手に後退した。
4番手にニコ・ヒュルケンベルグ、5番手にはアレックス・アルボン、6番手にはランス・ストロールが続いた。ピエール・ガスリー、周 冠宇、ローガン・サージェント(セッション後半、コーナーでフロントタイヤが浮き上がるトラブルが発生)、マグヌッセンがトップ10に入った。
アルファタウリの角田裕毅はダニエル・リカルドと並んで13番手、14番手につけ、バルテリ・ボッタスは17番手、マクラーレンのノリスとピアストリは19番手と20番手につけた。
多くのチームがソフトタイヤでの走行を見送ったため、予選に向けて多くの疑問が残っていた。
【予選】
現地時間15時から予選が始まり、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがブラジルGP予選でポールポジションを獲得した。
ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンはQ3の最初の走行で1分10秒727を記録し、暫定ポールを決めていた。しかし、時間が経つにつれて天候が急変したため、セッションは早々に打ち切られ、唯一のフライングラップを更新する機会はなかった。
シャルル・ルクレールはフロントローを獲得し、アストンマーティンはランス・ストロールとフェルナンド・アロンソがそれぞれ3番手と4番手につけた。
メルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルは5番手と6番手に続き、Q2で印象的な速さを見せたランド・ノリスは7番手に留まった。
カルロス・サインツが8番手、セルジオ・ペレスが9番手、オスカー・ピアストリがトップ10に入った。
【2023年ブラジルGP予選 結果・タイム】
順位 | No | ドライバー | チーム | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 1分10秒436 | 1分10秒162 | 1分10秒727 |
2 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1分10秒472 | 1分10秒303 | 1分11秒021 |
3 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | 1分10秒551 | 1分10秒375 | 1分11秒344 |
4 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 1分10秒557 | 1分10秒237 | 1分11秒387 |
5 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1分10秒604 | 1分10秒266 | 1分11秒469 |
6 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 1分10秒340 | 1分10秒316 | 1分11秒590 |
7 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | 1分10秒623 | 1分10秒021 | 1分11秒987 |
8 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 1分10秒624 | 1分10秒254 | 1分11秒989 |
9 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル | 1分10秒668 | 1分10秒219 | 1分12秒321 |
10 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | 1分10秒519 | 1分10秒330 | No Time |
11 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ハース | 1分10秒475 | 1分10秒547 | |
12 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ | 1分10秒763 | 1分10秒562 | |
13 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 1分10秒793 | 1分10秒567 | |
14 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース | 1分10秒602 | 1分10秒723 | |
15 | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ | 1分10秒621 | 1分10秒840 | |
16 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1分10秒837 | ||
17 | 3 | ダニエル・リカルド | アルファタウリ | 1分10秒843 | ||
18 | 77 | バルテリ・ボッタス | アルファロメオ | 1分10秒955 | ||
19 | 2 | ローガン・サージェント | ウィリアムズ | 1分11秒035 | ||
20 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1分11秒275 |
ハースはニコ・ヒュルケンベルグが11番手、エステバン・オコンとピエール・ガスリーが12番手と13番手で続いた。
ケビン・マグヌッセンは14番手でセッションを終え、ウィリアムズのアレックス・アルボンはQ1で好ペースを見せたものの、15番手からのスタートとなった。
Q1ではダニエル・リカルドが脱落ゾーンから抜け出せず、メキシコGPの予選4番手とは対照的な結果となった。リカルドは17番手からのスタートとなり、アルファタウリのチームメイトである角田裕毅は16番手からスタートする。
アルファロメオにとっても難しいセッションとなった。バルテリ・ボッタスが18番手、周 冠宇が20番手、その間にローガン・サージェントが19番手で続いた。
【Q1】
・ラッセルがトップ通過、リカルドは衝撃のQ1敗退
サンパウロでは今季最後のスプリント第6戦が開催されるため、ドライバーたちは週末に向けたセットアップを固めるための練習走行を金曜日に1回行っただけだった。多くのドライバーがソフトタイヤを選択しなかったため、予選に向けては未知数の部分が多かった。
セッションは、コース上のデブリの影響で開始が15分ほど遅れた。曇り空ながらドライコンディションでセッションがスタートすると、60%の降雨確率が予想される中、多くのドライバーたちがピットレーンの端に列を作り、グリーンシグナルを待った。
ほとんどのドライバーがニューソフトタイヤを選択する中、ピアストリはFP1で短期間走ったユーズドタイヤを装着。
ピット出口ではラッセルとガスリーにトラブルがあった。メルセデスがスロー走行している間にガスリーが並びかけ、半分オーバーテイクした。スチュワードは、この妨害行為についてセッション終了後に調査することを決定した。
空が次第に曇っていくなか、残り8分の時点でルクレールがペースを上げる。その後、ピアストリがフレッシュタイヤを装着して2番手に上がり、ルクレールから0.047秒差でチェッカーを受けた。コースは周回を重ねるごとに変化を続けていた。
ストロールからは「雨粒が落ちてきた」という報告もあった。ラッセルはすぐにトップタイムを記録し、ヒュルケンベルグも3番手に浮上した。リカルドは前回のメキシコGPで印象的な予選パフォーマンスを見せたが、Q2進出とはならなかった。
アルファタウリのチームメイト、角田もハンガリーGP以来のQ1敗退となる16番手で、ボッタス、サージェント、周はそれぞれ18番手、19番手、20番手でセッションを終えた。
【Q2】
・ペースを上げたノリス
グリーンシグナルが点灯する前にピットレーン出口に並んだドライバーたち。さらに雨粒が落ちてくるという話もあり、レッドブルのドライバーたちはフレッシュなソフトタイヤで最初にコースイン。
ペレスは最初のセクターではフェルスタッペンよりも速そうに見えたが、中盤のセクターでタイムを失い、フェルスタッペンにコンマ2秒離されて1分10秒162で周回を終えた。
ノリスはユーズドタイヤを履いていたにもかかわらず、フェルスタッペンからわずか0.161秒差の2番手につけた。3番手にはピアストリが続いた。一方、ハースの2人は序盤はガレージにとどまり、雨が降らないことを確信していたようだ。
ヒュルケンベルグとマグヌッセンはそれぞれ8番手と9番手につけ、アルボンとアロンソを脱落圏に追いやった。ハミルトンは路面温度が下がり続ける中、ターン4でスライドをしながらも5番手タイムをマーク。
ソフトタイヤに履き替えたサインツがフェルスタッペンに続く2番手に浮上。残り時間がわずかとなったところで、アロンソが2番手に浮上。チームメイトのピアストリはタイヤを温存するよう指示され、7番手。
アルボンはトラックリミットに引っかかり、ラップタイムを抹消されて15番手まで後退。最終ラップに入り、ストロールが10番手に後退。
ヒュルケンベルグ、オコン、ガスリー、マグヌッセン、アルボンがここで脱落。
【Q3】
・フェルスタッペンがポールポジション獲得!天候の影響でセッションは早々に終了
ルクレールはセッション開始7分後に雨の予報が出たことをチーム無線で知らされた。全10台がコースに入るが、空は暗い。
全員がフレッシュタイヤを選択する中、最初の走行でフェルスタッペンが1分10秒727の暫定ポールラップをマーク。ターン12でピアストリがコースオフしたためイエローフラッグが振られ、ペレスのアタックラップに影響を及ぼした。
雨は降り始め、早めに周回を重ねたドライバーが有利になった。全員がピットに戻り、フェルスタッペンがルクレール、ストロール、アロンソを抑えてトップに立った。
その後、セッションが中断され、再開されないことがアナウンスされた。
その結果、フェルスタッペンが今季17勝目を目指してポールポジションを獲得し、ルクレールが2番手、アストンマーティンの2台はそれに続いた。
ハミルトンとラッセルは5番手と6番手につけたが、これは2022年のブラジルGPでのラッセルの優勝の再現を期待させるものだ。
ノリスは7番手で、予選序盤は好調だったマクラーレンにとっては残念な結果に終わった。
レッドブルのペレスは9番手からのスタートとなったが、ピット出口での妨害行為でスチュワードに呼び出されている。ピアストリは10番手。ルーキードライバーのピアストリは最後にコースに出たが、フライングラップでのミスもあり、タイムラップを記録することはできなかった。
【コメント】
「シャルルと話し合っていたんだけど、僕たちのラップはひどい感じだった。でも、どうだろう、風が変わり始めて、とても強くなり始めたんだ。それでかなりのラップタイムを落としてしまった。」
「予選でもそうだったけれど、決勝でも同じような展開になると思う。ここはいつもタイヤのデグが大きいから、そのマネジメントがすべて。去年はもちろんそれがうまくいかなかったけど、今年は少し良くなっていると思う。」とフェルスタッペンは語った。
2023年ブラジルGPスプリントシュートアウトは現地時間、土曜日の11時から、その後スプリントレースが15時30分から開催され、決勝レースは現地時間、日曜日の14時に開催される。
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