キャデラック、年間最大7,000万ドルのスポンサー契約を模索

他チームと比較しても強気な金額設定
『スポーツ・ビジネス・ジャーナル(SBJ)』の報道によると、キャデラックは年間最大7,000万ドルに及ぶタイトルスポンサー契約を求めているという。
キャデラックが提示するスポンサー契約には、完全な命名権、世界的なマーケティング権、カテゴリ内での独占的プロモーション権、チームのブランドと資産の使用権が含まれる。このパッケージには、F1主要チームのスポンサー特典に準ずる内容であり、メディア価値がもっとも高い車両部分へのロゴ掲出なども含まれる見通しだ。
有力チームのマクラーレンやレッドブルはそれぞれ約1億ドル相当のタイトルスポンサー契約を結んでいると伝えられており、キャデラックは同程度の金額での契約獲得を目指している。一方、ハースがマネーグラムから受け取るスポンサー料は年間2,000万ドルとされており、キャデラックの金額設定がいかに野心的かがわかる。
現在の契約状況と今後のパートナー戦略
現時点でキャデラックが締結したパートナーシップは2件のみ。今週、ジム・ビームはオフィシャル・スピリッツ・パートナーとして契約を結び、チーム最初のパートナーであるトミー・ヒルフィガーに続く形となった。
キャデラックの提示価格は高額にもかかわらず、マーケティング戦略コンサルティング会社のフェニキア・スポーツ&エンターテイメント社のCEO、クリス・レンチェスキー氏(コンサルティング会社、SKIパートナーズの共同創設者)は、「ゼネラルモーターズとF1の関係に対する関心は、国内市場よりもむしろ海外で高まっている」という見方を示している。
「ゼネラルモーターズは間違いなく世界1、2を争う自動車メーカーだ。このような企業が新しいスポーツ、ましてや国際的な自動車マーケティングの基礎であり、象徴的なモータースポーツに参入することで、世界中から多大な関心が集まる」とコメント。
キャデラックのチーム代表、グレアム・ロウドン氏も次のように語っている。「私たちが受けた関心の高さにとても励まされている。非常に心強いことであり、F1で新たに革新的なパートナーシップを締結できることを期待している」
『SBJ』の情報では、主要パートナーを見つけることができなかった場合、代替案として年間4,000万~5,000万ドルを支払う複数のプレミアムスポンサーと契約する可能性も模索しているとのこと。
また、それぞれ最大3,000万ドル規模のプレミアムパートナーを3〜5社、300万〜1,500万ドルのオフィシャルパートナーを少なくとも8社、さらに年間50万ドルからのテクニカルベンダー契約についても提携先を探していると報じられている。
今後のパートナー契約の動向は、キャデラックの競争力とF1市場における影響力を大きく左右するだろう。
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