サインツ、鈴鹿のようなコースでの追い越し促進への対策を語る

ウィリアムズのカルロス・サインツ・ジュニアは、先週の日本グランプリのような順位の入れ替わりがあまり起きないレースでドライバーに追加のピットストップを強制しても、より多くの追い越しは促進されないだろうと述べた。
日曜日の鈴鹿での53周レースでは、出走した順位のまま半数以上のドライバーがフィニッシュした。これにより、シーズン残りのレースの質について一部から懸念の声が上がった。
サインツは、よりソフトなコンパウンドがより多くのレース展開を生み出すのに役立つと考えている。「僕の意見では、追い越しを生み出すのは、タイアの状態などで前のマシンとの大きな違いを持つことだ」
「F1で前のマシンより0.1秒速いだけでは、決して追い抜けない。鈴鹿で追い抜くには、前のマシンより0.5秒、0.6秒、0.7秒速くなる必要がある。鈴鹿でそれを生み出す唯一の方法は、タイヤの劣化だ」
「だから、コンパウンドをもう一段ソフトにすることに私は賛成です。タイヤがより頑丈になっている現状では、ソフトなコンパウンドにすることで劣化が増し、追い越しの可能性が高まるだろう」
FIAはすでに、モナコグランプリでの一回限りのルール変更を承認しており、ドライバーは一度ではなく二度タイヤを交換することが義務付けられている。これにより、順位変動が増えることが期待されている。しかし、サインツはそのようなルールが先週のレースをより盛り上げたとは考えていない様だ。
「例えば鈴鹿のようなコースで3つの義務的ピットストップを採用すると、3回のピットストップのタイミングはほとんど同じになる。僕たちは皆、誤差1周以内で停止するため、タイヤの違いや追い越しでの変化は得られない」
「僕にとっては、レースが常に1ストップと2ストップの間になるようにすることが重要だ。そうすれば、高い劣化で1ストップを試みるチームと、2ストップでより速く走って追い越しを狙い、フィニッシュラインまで走り切ろうとするチームが出てきくる。ここで追い越しが生まれる」
サインツは、ドライバーたちがピレリに対して、タイヤの劣化を増やすのではなく、オーバーヒートに対してより耐性のあるタイヤを作るよう促していたと指摘した。「僕たちは皆、考えをまとめて、ピレリにより明確な意見と要望を与える必要がある」と述べた。
「ピレリが僕たちが常に求めていた改良を行った点は公平に評価すべきだろう。タイヤの劣化を少なくし、オーバーヒートへの敏感さを減らすことを僕たちはずっと求めていた」と彼は付け加えた。「ピレリは確実に改良を進めて、今年はこれまでのところ、レース中により多くの展開を与えている」
「今、僕たちは簡単な1ストップレースに戻り、十分な劣化がないと不満を言い、より多くの劣化を望んでいる。まず第一に、F1は全体で一貫性を持った意見に従う必要があると思う。一つのことを求め、製品が改善され、そして僕たちは再び不満を言っている。落ち着いて見てみると、少し混乱を招く行動に見える」
ピレリは、今週末のバーレーングランプリに続く3つのレースでよりソフトなコンパウンドを持ってくることを発表した。F1の公式タイヤサプライヤーは、サウジアラビアGPのジェッダとアメリカGPのマイアミにC3、C4、C5コンパウンドを、イタリアのイモラには昨年選んだものより一段階ソフトなC4、C5、新しい最もソフトなC6コンパウンドを選択した。
アルピーヌのジャック・ドゥーハンは、鈴鹿での条件とトラック表面の変化が追い越しをより困難にしたと考えており、今週末のバーレーンでは同じ状況にはならないと予測している。
「追い越しの可能性が高いサーキットと低いサーキットがある」と彼は述べた。「そして、それは寒さなどの環境の独特な状況が関係する。今回の鈴鹿では寒さが原因だったと言えるだろう」
「通常、タイヤマネージメントにとって非常に重要なセクター1では、導入された新しい路面ではフルパワーでプッシュできることが判明した。そのため、マネージメントに苦労するコーナーがそれほど多くなかった。これはかなり特殊だった」
「今週の日曜、バーレーンでのグランプリレースの夜、この暑さの中で時速38kmの突風が吹く中、タイヤマネージメントやタイヤについての不満のトピックは少し異なるものになるだろう」
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