【オランダGP】ノリスが今季2勝目「ハミルトンとの激闘の末の勝利」
ランド・ノリスが力強い走りで、オランダの伝統のグランプリ、北海沿いの砂丘に築かれたコースで、メルセデス勢のキミ・アントネッリとジョージ・ラッセルを後方に置き去りにしてザントフォールトを制した。通算13勝目、今シーズン2勝目、そして当面は最後となるオランダグランプリ、このサーキットでの2勝目となる。
ザントフォールト特有の急変する天候
スタート45分前、ザントフォールトらしいにわか雨が降った。朝の時点では「乾いたコンディションが続く」と言われていたにもかかわらず、この北海沿いのサーキットでは天候はあっという間に変わる。
雨に慣れた観客たちは、レインコートを黙々と羽織った。ここでは雨雲がすぐに過ぎ去ることを知っているからだ。
特に最終セクター、高速のフィニッシュコーナー付近ではコースがかなり濡れていた。偵察走行中、マシンは大きく振られ、リアム・ローソンはインターミディエイトタイヤを履きながらもコースの外へ滑り出した。
選手権首位のキミ・アントネッリは「コースの前半はスリックでも大丈夫だったが、後半はかなり濡れている」と語った。
ピレリのレース責任者、ダリオ・マラフスキ氏は「問題は、確かにコースは濡れているが、今のような状況ではインターミディエイトは2〜3周でオーバーヒートしてしまうことだ」と説明した。
だが、ザントフォールトでは「今」の状況などあっという間に過ぎ去ってしまう。スタート30分前にも再び一雨あった。Sky Sports F1のティモ・グロック氏は「各チームは今、必死に考えているはずだ。レインタイヤでスタートするか、それともスリックに賭けるか。2分前なら僕はスリックと言っていたけど、今はインターミディエイトに傾いているね」とコメントした。
問題は、コースがどれだけ早く乾くか、そしてどのタイヤでスタートすべきか、だった。
レーシングブルズのピーター・バイヤーCEOは「ファンにとってはこれ以上ないほど面白いだろうけど、チームにとっては悪夢だよ。ここでは雨が砂と混ざって、路面がとても滑りやすくなるからね」と述べた。メルセデスのトト・ヴォルフ代表は、この状況を「くじ引きのようなものだ」と表現した。
そして、当面は最後となるこのザントフォールトGPに臨むドライバーたちが選んだタイヤはこうだった。上位4台(ノリス、ラッセル、アントネッリ、ピアストリ)はミディアム、続くハミルトン、ルクレール、フェルスタッペンはソフトタイヤだった。
FIAは安全策を取り、セーフティカー先導で1周を走らせ、全ドライバーがコンディションに慣れる時間を与えた。その頃には雲間から再び太陽が顔をのぞかせていた。
レース展開ー1周目のクラッシュと赤旗
ノリスはポールポジションから好スタートを切った。アントネッリはすぐにラッセルを抜き、続いてルクレール、ピアストリ、ハミルトン、フェルスタッペンという順になった。
そして1周目終了間際、大クラッシュが発生した。マックス・フェルスタッペンはスタート・フィニッシュライン手前のバンクコーナーでマシンのコントロールを失い、まず左側の壁に、続いて右側の壁に衝突した。赤旗が提示された。そして、地元のヒーロー、フェルスタッペンが無念のリタイア!
「ああ、これで終わりだ! すまない」と無線でかすれた声で語った。「僕は大丈夫だ」
さらに後方では、同じコーナーでガブリエル・ボルトレート(アウディ)がスピンしたが、壁への衝突は免れた。
21台のマシンがピットへ戻った。忙しく動くコースマーシャルたちが、破片の撤去と事故車両の搬出に取りかかった。
リプレイ映像によれば、フェルスタッペンはスタート直後にすでに左側の芝生に入っており、ハミルトンに意図せず押し出された形だったことがわかった。その後、大きくバンクした3コーナーで、フェルスタッペンとレッドブルのチームメイト、リアム・ローソンのマシンが接触していた。
再スタートとタイヤ戦略の攻防
コースが整備され、マシンが回収された後、レースが再開された。首位のノリスはソフトタイヤ、アントネッリはミディアム、ラッセルも同様にミディアム、ルクレールはソフト、ピアストリはハード、ハミルトンはソフト、ローソンも同様にソフトを選択していた。
グリッドへ向かう途中、ハースのベアマンのマシンが止まってしまい、ここでレースを終えた。黄旗が提示された。
そのため、さらにもう1周のフォーメーションラップが必要になった。次の再スタートでは、ノリスは好スタートを切ったものの、アントネッリがすぐさま並びかけ、そのまま首位を奪い去った。
5周目時点の順位は、アントネッリ、ノリス、ピアストリ、ラッセル、ルクレール、ハミルトン、ローソン、そしてロケットスタートを決めたヒュルケンベルグがガスリーの後ろで9番手につけていた。
ルクレールにプレッシャーをかけられていたラッセルは、無線でフロントアクスルのバランス不足を訴えた。アントネッリを追うノリスもこう報告した。「ここではもうスピードが出せていない。今できることは全部やっているんだ」
中盤ーピットストップの攻防
17周目終了時、ラッセルがピットへ入り、ルクレールにフリーな走行が許された。ルクレールはハードタイヤを装着した。その1周後、マクラーレンがピアストリをピットへ呼び、同じくハードタイヤを装着したが、ピットストップの出来は良くなく、コース復帰後はラッセルの後ろにつくことになった。
72周中19周を消化した時点での順位は、アントネッリ、ノリス、ルクレール、ハミルトン、ローソン、ラッセル、ピアストリ。ヒュルケンベルグも新しいタイヤを受け取り、順位を13番手に落とした。
21周終了時、アントネッリ、ノリス、ルクレールが揃ってピットへ入り、これによりハミルトンが新たな首位に立った。
24周目にはハミルトンもピットへ。ハードタイヤを装着し、6番手でコースに復帰、アントネッリが再び首位に返り咲いた。
ヒュルケンベルグはガスリーのミスを活かし、ソフトタイヤを武器に1コーナーの外側からリンドブラッドを抜き去った。その後は10番手のサインツを追う展開になった。
29周目時点の順位は、アントネッリ、ノリス、ラッセル、ピアストリ、ルクレール、ハミルトン、ローソン、アロンソ、ヒュルケンベルグ、サインツだった。
34周目、ルクレールがピアストリを攻撃。1コーナーの外側から、続いて2コーナーの内側から仕掛け、4番手に浮上。ハミルトンもすぐさまピアストリに食らいつき、同様に追い抜こうとした。
ハミルトンは1コーナーでピアストリを捕らえ、ピアストリはわずか1周のうちに2つの順位を失う結果となった。
終盤ーノリスの逆転劇
36周目時点の順位は、アントネッリがノリスをわずかにリード、ラッセルが追い上げるルクレールの前、続いてハミルトン、ピアストリ、ローソン、そしてヒュルケンベルグが8番手だった。
39周目終了時、首位のアントネッリが新タイヤを受け取り、これによりノリスが先頭に立った。さらに後方ではラッセルも新タイヤを装着した。
首位のノリスは46周終了時にピットへ入り、これによりハミルトンが首位に、アントネッリ、ノリス、ラッセル、ルクレールと続き、その後ろにピアストリ、ローソン、そして依然として8番手のヒュルケンベルグが続いた。
52周目には先頭集団が接近していた。ハミルトンはアントネッリにわずかに先行するのみとなり、そのアントネッリの背後にはノリスが迫っていた。ノリスはターザンコーナーの外側からアントネッリを追い抜き、続いてハミルトンに仕掛けた。ハミルトンが小さくスリップしたことで、ノリスは再び首位に返り咲いた。その直後、アントネッリもハミルトンを抜き去った。
その後、ハースのエステバン・オコンのマシンがコース脇で停止したため、バーチャルセーフティカーが導入された。
フェラーリは当然ながらこのVSCフェーズを利用し、ルイスにソフトタイヤを与えた。その後ろでは、ルクレールも新しいタイヤを求めてピットへ。マクラーレンもピアストリに対して同様の対応をした。その1周後、メルセデスもアントネッリに対して同じ対応を行った。
57周終了時点の新たな順位は、ノリス、ラッセル、アントネッリ、ハミルトン、ルクレール、ピアストリ、ローソン、そしてヒュルケンベルグだった。
ノリスはVSCフェーズをピットストップに利用できなかったのか無線で問い合わせたが、その時にはすでに手遅れで、グリーンフラッグが出ていた。マクラーレンはピットストップを見送っており、メルセデスもラッセルに対して同様の判断をしていた。
アントネッリがラッセルに詰め寄り、メルセデスはポジションの入れ替えを要請した。
さらにハミルトンもラッセルに接近し、1コーナーで攻撃を仕掛けたが、まだラッセルが前をキープしていた。後方からはルクレールも迫っていた。しかしそこで再びバーチャルセーフティカーが導入された。2台のウィリアムズの接触によりコース上に破片が散乱したためだ。これによりハミルトンの攻撃は不発に終わり、そのままラッセルはハミルトンの猛追から逃げ切る形で見事3位表彰台を獲得した。
F1決勝レース結果一覧
| 順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム/差 | 獲得Pt |
| 1 | ランド・ノリス | マクラーレン | 72 | 2:04:44.859 | 25 |
| 2 | アンドレア・キミ・アントネッリ | メルセデス | 72 | +11.536s | 18 |
| 3 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 72 | +15.906s | 15 |
| 4 | ルイス・ハミルトン | フェラーリ | 72 | +16.755s | 12 |
| 5 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 72 | +17.258s | 10 |
| 6 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | 72 | +32.332s | 8 |
| 7 | リアム・ローソン | レッドブル | 72 | +79.915s | 6 |
| 8 | ニコ・ヒュルケンベルグ | アウディ | 71 | +1 lap | 4 |
| 9 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 71 | +1 lap | 2 |
| 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 71 | +1 lap | 1 |
| 11 | 角田裕毅 | レーシングブルズ | 71 | +1 lap | 0 |
| 12 | アーヴィッド・リンブラッド | レーシングブルズ | 71 | +1 lap | 0 |
| 13 | ガブリエル・ボルトレート | アウディ | 71 | +1 lap | 0 |
| 14 | フランコ・コラピント | アルピーヌ | 70 | +2 laps | 0 |
| 15 | セルジオ・ペレス | キャデラック | 70 | +2 laps | 0 |
| 16 | カルロス・サインツ | ウィリアムズ | 70 | +2 laps | 0 |
| 17 | アレックス・アルボン | ウィリアムズ | 66 | DNF | 0 |
| NC | バルテリ・ボッタス | キャデラック | 61 | DNF | 0 |
| NC | エステバン・オコン | ハース | 52 | DNF | 0 |
| NC | ランス・ストロール | アストンマーティン | 45 | DNF | 0 |
| NC | オリバー・ベアマン | ハース | 2 | DNF | 0 |
| NC | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 0 | DNF | 0 |
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