フェラーリ会長のエルカン、ハミルトンの移籍についてコメント
フェラーリの会長であるジョン・エルカンが、ルイス・ハミルトンのメルセデス離脱とフェラーリ加入決定について語った。
このセンセーショナルな移籍の背後には、フェラーリ会長のジョン・エルカン自身の存在がある。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の会長でもあるエルカンはハミルトンの大ファンであり、すでに数年前から7度のワールドチャンピオンであるハミルトンに長年アプローチをかけ続け、2023年には個人的にも働きかけていた。当時、エルカンの誘いは実らなかったものの、ハミルトンに強い印象を残したに違いない。
2月上旬、ルイス・ハミルトンは2025年のフェラーリ移籍を発表した。そしてフェラーリ会長のジョン・エルカンは、ハミルトンがフェラーリへの移籍を選んだ理由について、自身の見解を語った。
来年以降、伝統あるイタリアの名門メーカーでレースをする事になるハミルトンは今シーズン、メルセデスでの最後のF1シーズンを過ごしている。この移籍により、F1で最も成功したドライバーと最も成功したチームがタッグを組むことになる。
エルカンは2023年、そしてその数年前にも何度かハミルトンと個人的にコンタクトを取り、この契約の成立に最も貢献したと広く認識されている。
「ルイスがどれだけ偉大なドライバーで、F1にどれだけの貢献をしてきたか、私は何年も前からいつも言ってきた」とエルカンは『Sky』に語った。
「ルイスのフェラーリへの加入は、彼がいかに我々と一緒に偉業を成し遂げることが出来ると信じているかの表れだ。」
また今年のフェラーリの活躍についてエルカンは、「1年前の状況を見れば、我々は良いスタートを切った」とコメントした。
「重要なのは改善と進歩だ。これはフェラーリに存在するダイナミズムであり、称賛され、サポートされるべきものでもある。」
「フェラーリには、可能な限りベストを尽くそうという意欲があり、今日もそれが感じられた。全員からだ。」
確かに、フェラーリは今年レッドブルレーシングに挑戦しているチームの中で一番有力だ。サウジアラビアではシャルル・ルクレールがマックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレスに続く表彰台を獲得し、バーレーンで行われた開幕戦でもカルロス・サインツが3位表彰台を獲得した。
「素晴らしいレースだった。」とエルカンは語った。
「ルクレールはファステストラップを記録したし、フェラーリ史上最年少でF1デビューをしたベアマンもいきなりポイントを獲得した。」
「そして、サインツは手術明けにも関わらずここに来てくれた。これは素晴らしいチームスピリットを示している。」
「とても誇りに思うし、この重要な結果を得るために働いてくれたすべての人に感謝している。」
来年、フェラーリはハミルトンとルクレールという目を引くコンビを結成する。そして2人のコンビ初年度が終わると、新しいF1レギュレーションが施行される予定だ。これらの要因によって、フェラーリは2007年以来続いている無冠に終止符を打てるのだろうか?
エルカンは、「2026年はひとつのサイクルが終わり、また新たなサイクルが始まるだろう。」と語っている。
「重要なのは、常に競争力を保ち、このスピリットを燃やし続けることだ。」
2025年にフェラーリに移籍するルイスはフェラーリで、かつての恩師であり、現在フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールと再会する。バスールとハミルトンは長年、親密な関係を保っている。ハミルトンは、過去にはバスールがチーム代表を務めていたARTで共に成功を収めている。
また、ルイスは2025年に単独でフェラーリに移籍するわけではないと見られる。未確認情報ではあるが、バスールがメルセデスからもう一人、重要人物を引き抜いたと報じられている。
メルセデスでドライバー育成ディレクターを務めているジェローム・ダンブロジオが、フェラーリに移籍するのではないかと報じられている。メルセデス在任中、ダンブロジオは若手ドライバーの育成に重要な役割を果たし、膝の手術でトト・ヴォルフが不在の間は一時的にチーム代表の役割も担っていた。
メルセデスからフェラーリへの移籍は、フェラーリがルイス・ハミルトンを中心にチームを作り、エルカンが指示する結果を達成するという決意を示すものだ。
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