アントネッリ、終盤の失速で4位喪失を説明「想定外の大きなスナップだった」
カタールGPで終盤まで4番手を走行していたメルセデス系ルーキーのキミ・アントネッリは、残り数周でランド・ノリスに追い抜かれて5位に後退。その経緯をめぐってパドックでは様々な憶測が広がったが、アントネッリ本人は「自分のミス」と説明した。
カタールGP終盤、アントネッリは4番手を守りながらも背後に迫るノリスから激しいプレッシャーを受けていた。ノリスにとってはタイトル争いの行方を左右する重要な2ポイント。残りわずかな周回での順位変動に大きな注目が集まっていた。
そしてその瞬間は訪れた。アントネッリはターン9でスライド、その後のコーナーでも再びマシンが横を向き、ノリスがすぐさまその隙を突いてオーバーテイク。
その直後、「メルセデスがマクラーレンに道を譲ったのでは」という疑念が広がった。
これに対し、メルセデス代表トト・ヴォルフは強い口調で反論。「馬鹿げた憶測だ。私たちはコンストラクターズ選手権2位争いの真っただ中で、1ポイントたりとも無駄にできない。アントネッリは表彰台の可能性だってあった」と語り、あくまで純粋なレースアクションだったと強調した。

アントネッリ自身も、当時の状況をこう振り返った。
「正直、とても悔しい。あれだけ表彰台に近かったのに、最終的に5位で終わったのは残念だ。ピットストップで待たされてしまったのも痛かったし、それでレース展開が変わってしまった。」
さらに、2スティント目でカルロス・サインツの後方につかまったことでペースが乱れ、空力の乱れとタイヤのオーバーヒートに苦しんだという。
「終盤は全力で攻めていて、DRS圏内にも入っていた。ターン9には少し速いスピードで入ったけど、あそこまで大きなスナップが起きるとは思っていなかった。完全に予期しない挙動だった。」
「どうしてああなったのか分析する必要がある。少し速かったとはいえ、あそこまで急にリアが出る状況ではなかったはずだ。あの順位を守れていれば、チームにもっとポイントを持ち帰れたのに。」
そのうえで、アントネッリは気持ちを切り替えて次戦へ向かう姿勢を示した。
「残念だけど、これがレースだ。今はアブダビに集中するよ。最終戦で何ができるか見てみたい。」
19歳のルーキーは、痛恨の一瞬を糧に最終決戦へ挑む。
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