メキーズ体制のレッドブル「政治よりレースを重視」静かな再出発
クリスチャン・ホーナーの退任を受け、ローラン・メキーズがチーム代表に就任して以降、レッドブル・レーシングには落ち着きが戻っている。48歳のフランス人メキーズは、今後も「政治よりレース」を軸としたチーム運営を貫く考えを明らかにした。
レッドブルは7月、長年チームを率いてきたホーナーを解任し、後任として当時レーシング・ブルズを指揮していたメキーズを昇格させた。フェラーリやFIAでの豊富な経験を持つメキーズは、就任直後からチーム内に集中力と安定感をもたらした。ファンの間でも、メキーズは派手な振る舞いよりもエンジニアリングとレースを重んじる人物として評価されている。
その結果、レッドブルはシーズン後半にかけて大きな巻き返しを見せ、マックス・フェルスタッペンはランド・ノリスとのタイトル争いで、わずか2ポイント差まで迫った。
メキーズは、現在の方針を今後も継続していく意向を示す。

「レッドブルが以前より攻撃的だったかどうかは分かりません。ただ、2025年はフェアでクリーンな戦いができたと思っていますし、私はその精神でレースを続けたい」と語る。
さらに、競争とリスペクトの両立について次のように続けた。
「私たちは常に限界まで、時には限界を超えてプッシュします。しかし、フェアプレーに関しては、最高のパフォーマンスと相手への敬意は両立できると信じています。ライバルへのリスペクトは、とても重要です」
メキーズはまた、チーム文化にも言及している。
「この世界は非常に競争が激しいですが、競争力を保つためには、仕事を楽しむことも必要だと思っています。ハードに働き、ハードに祝う。それがレッドブルのメンタリティです」
そして最後に、今後の焦点についてこう締めくくった。

「私たちは常に、レースそのものを中心に据え、周囲の雑音に惑わされないようにしてきました。やりたいことはシンプルです。自分たちのクルマを速くすること。それこそが私たちの情熱であり、他の誰よりも袖をまくって取り組んでいきたいのです」
メキーズ体制のレッドブルは、静かながらも明確な方向性を持って、新たな時代へと歩みを進めている。
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