【アブダビGP 予選レポート】角田裕毅P6!フェルスタッペン、ルクレールを抑えアブダビGPのポール獲得

シーズン最終戦のアブダビGPに向け、 マックスフェルスタッペンは、カルロス・サインツとルイス・ハミルトンがそれぞれQ1、Q2で敗退した予選セッションで、ライバルのルクレールとピアストリをリードし、ポールポジションを獲得した。

現F1チャンピオンとなったフェルスタッペンは、プラクティスではセットアップがうまくいかず苦戦したが、予選では調子を取り戻し、Q3のイニシャルラップで1分23.445秒というタイプを記録し、そのままトップを維持した。

ルクレールはフェルスタッペンに最も近かったライバルで、Q1で出口のトラフィックに苦しめられたサインツ不在の中フェラーリの追撃をリードした。ピアストリはチームメイトのノリスのミスに乗じて3位につけた。

ルクレール同様、ジョージ・ラッセルは、ハミルトンがポールポジションを逃した後のポールポジション争いでメルセデスを牽引し、ノリスが最終ラップでミスをし5位に終わったことで4位を獲得、その後ろには非常に好調なペースを見せたアルファタウリの角田が続いた。

Daniel Ricciardo

フェルナンド・アロンソはアストンマーティン最速の7番手で、ハースのニコ・ヒュルケンベルグ、もう1台のレッドブルのセルジオ・ペレス(トラックリミットを超えていたため最終ラップのタイム抹消)、アルピーヌのピエール・ガスリーの前で予選を終えた。

しかしながら、ガスリーとピアストリは予選終盤の妨害行為でスチュワードによる審議を受けており、予選結果が変更となる可能性が残っている。

ラッセルのQ3進出の裏にはハミルトンの11位でのQ2敗退があり、彼のマシンに何らかの問題があったのではないかという疑問を呼んでおり、その後ろにはオコンとストロールが12位、13位と続いている。

予選序盤は好調だったアレックス・アルボンだが、ライバルたちがペースを上げてきたため、ウィリアムズとともにQ2が限界となり、アルファタウリのダニエル・リカルドの前の14番手からスタートすることになった。

Q1ではFP2で大クラッシュを喫したサインツが16番手と出遅れ、フェラーリはエンジン交換ペナルティを受け中団スタートとなったラスベガスGPに続き、再びレース当日にリカバリードライブを強いられることになった。

ハースのケビン・マグヌッセンは17番手、アルファロメオはバルテリ・ボッタスが18番手、周 冠宇が19番手に終わり2台とも下位に沈んだ。ローガン・サージェントはトラックリミット違反によりQ1タイムが両方とも抹消され、最下位からのスタートとなった。

予選の振り返り

Q1:フェルスタッペンが最速、サインツはトラブルに見舞われる

限られたフリー走行時間の後、20人のドライバーが土曜日の夜、ヤス・マリーナの照明の下、ポールスタートを賭けて今季最後の予選セッションに臨んだ。

Q1が開始されると、数分間のコース上走行がなかったものの、フェルスタッペンが1分24秒160を記録し、ノリスとルクレールを抑えてタイムを記録した。サージェント、ヒュルケンベルグ、周はトラックリミット違反によりタイム抹消となった。

アルボンは4位につけ、角田、ペレス、サインツ、リカルド、ラッセルとボッタスが続いてトップ10に入った。ガスリーとマグヌッセンはトラックリミット違反により、最終アタックを前に先の3人と同じくタイム抹消となった。

最後のアタックではサージャントがタイムを更新しながらも、再びラップタイムが抹消され、事実上、このアメリカ人ルーキーが最初の脱落ドライバーとなった。

前方ではフェルスタッペンがユーズドのソフトコンパウンドでタイムアップに失敗し、トラックリミットのためにタイムを抹消されたが、それでもトップをキープし、脱落ゾーンにいたペレスが2位に浮上し、大量のトラフィックに足元を掬われたフェラーリのサインツを脱落ゾーンへと追いやった。

角田とアルボンはラッセル、ノリス、ストロール、ヒュルケンベルグ、ハミルトン、ルクレールを抑えて3番手と4番手につけ、リカルド、ピアストリ(デルタに関してレーシングディレクターの指示違反について記録を受けた)、アロンソもQ1突破を果たした。

Charlies Leclerc

オコンとガスリーはアルピーヌのマシンを駆ってQ2進出を果たし、オコンは体調不良と闘いながらの走行のなか、サインツをコンマ1秒で制し、フラストレーションのたまった無線を送った。

マグヌッセンはチームメイトのヒュルケンベルグのペースに及ばず17番手、アルファロメオのボッタスと周はそれぞれ18番手と19番手に終わり、サージェントはトラックリミット違反によりタイムを記録できずに予選終了となった。

Q1脱落:サインツ、マグヌッセン、ボッタス、周、サージェント

Q2:ハミルトン、サインツに代わってコースに復帰

その数分後、残りの15人のドライバーがコースに戻り、大半はユーズドタイヤを履いていたが、フェルスタッペンはニューラバーを選択し、周回を重ねてポールポジション争いへ動き始めた。

フェルスタッペンはQ1で1分23秒740を記録し、ノリスとペレスにコンマ数秒の差をつけた。ピアストリは4位となり、ラッセル、角田、ルクレール、アロンソ、ストロール、ハミルトンが続いた。

その結果、1回目のアタックを終えた時点でリカルド、ガスリー、アルボン、オコン、ヒュルケンベルグ(再びラップタイム抹消)がドロップゾーンに入ることになったが、この時点ではタイヤ交換とトラックレボリューションによるタイム向上が見込まれている。

フェルスタッペンは最終ラップもピットにとどまったが、ノリス、ルクレール、ラッセルの3台から再び1位を守り切り、ラッセルは自身のタイムを伸ばしたことにより、サインツのQ1脱落に続き今回の予選で二つ目の衝撃的な結果であるハミルトンの脱落の引き金となった。

ガスリーがq3進出を果たし、ペレス、アロンソ、角田、ヒュルケンベルグ、ピアストリが続いたが、オコン、ストロール、アルボン、リカルドはピットに戻る途中で「このマシンは何かおかしい」と訴えたハミルトンと並んでQ3進出を逃した。

Q2脱落:ハミルトン、オコン、ストロール、アルボン、リカルド

Q3:フェルスタッペンがポールポジション、ノリスは後退

Q3が開始されると、フェルスタッペンは1分23秒445を記録してノリスを楽に上回る力強いペースを見せ、ピアストリがラッセルと「全く酷いドライバビリティだ」と無線を入れたペレスの前方で3番手となった。

角田はヒュルケンベルグ、アロンソ、ルクレール、ガスリーを抑えて6番手につけ、唯一残ったフェラーリのドライバーであるルクレールは、フェルスタッペンのベンチマークから暫定で1秒以上離され、自分のペースが失われてしまったことに困惑していた。

2回目の走行では、セクター1を最速で通過したノリスがターン13と14でスライドしてしまい、フェルスタッペンからポールポジションを争う望みは絶たれ、オランダ人ドライバーは自身のタイムを更新できなかったにも関わらずトップを維持した。

1回目のアタックでは苦戦したルクレールだったが、最終ラップでフェルスタッペンから0.139秒差の2番手に浮上し、ピアストリとラッセルもノリスの前に出て、ノリスにとって前述のミスの代償を払う結果となった。

アルファタウリがコンストラクターズランキングでウィリアムズにプレッシャーをかけて7位争いをする中、角田は6位をキープし、アロンソ、ヒュルケンベルグ、ペレス(トラックリミット違反によるタイム抹消)、ガスリーまでが10位に入った。

セッションからの引用

「とても妙なことだ」とポールシッターのフェルスタッペン。「ここまでの週末はずっと苦しかった。予選に向けてマシンを改良したのは間違いないし、1周目からすべてがうまくかみ合って、もっとプッシュできるようになった。もちろん、ポールポジションはとてもうれしいよ。」

シーズンを締めくくる2023年アブダビGPは、日曜日の現地時間17時にスタートする。

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