リカルドとマグヌッセン、一度F1を離れた事で「新たな視点を得られた」と語る
ケビン・マグヌッセンとダニエル・リカルドは、F1の舞台から一旦は遠のいたものの、F1グリッドから離れた時間を過ごしたことで、このスポーツに対する新たな “理解”を得たと考えている。
以前はマクラーレンとルノーでドライブし、6シーズンにわたってF1に参戦したマグヌッセンは、2020年シーズン終了後にハースでのポジションを失い、スポーツカー選手権とインディカー・シリーズに参戦することになった。
しかし、1年間の離脱を経て、2022年のシーズン開始直前にハースから復帰の打診を受けたマグヌッセンは、先ごろアメリカのハースと契約延長にサインし、少なくとも2024年シーズンはチームの一員となることが決まった。
F1への新たな愛情が芽生えたかという質問に対し、マグヌッセンは「僕にとって、この場所に戻ってきた時には、ある意味これまでとは違っていたと思う」と答えた。「このスポーツから完全に離れたわけではないけれど、F1マシンではなくスポーツカーでレースをする中で、外からF1を見て、考え、そしてまたF1に戻ってきた。」
「またF1が恋しくなった」
「その前の数年間は、たぶんF1に対する愛情を少し失っていたんだと思う。ジュニアカテゴリーを卒業すると一つ違う世界に進んで、F1になるとまた違ったものになる。」
「もちろん、ジュニアのキャリアを経てF1に参戦し、そのまま成功する人もいる。でも、僕はそうじゃなかった。何年も…6シーズンほど、まったく勝てない時期があったんだ。」
「だから、少しだけ熱が失われてしまっていたんだと思う。そこに1年間のギャップイヤーがあって、またF1が恋しくなって、ここへ帰ってくる事ができたときには、今までとは違ったありがたみを感じるね。」
リカルド「やり続ける中で疑問が湧く事もあった。」
一方、リカルドはレッドブルのリザーブドライバーとして2023年シーズン前半を戦い、ハンガリーでアルファタウリのニック・デ・フリースと交代した。マクラーレンで2年にわたって苦しいシーズンを過ごし、グリッド上の居場所を失った後のことだった。
「ケビンが言ったようなこと…..そういう気持ちの多くを僕も感じていたと思う」と彼は付け加えた。「この場所を離れるというのは、そう、本当にそうなんだ。本当は、F1でのレースは自分たちがやってきた事の中で最もかっこいい事だよね。」
「でも、それをずっとやり続けていて、勝っているときは簡単なんだけど、そうでないときは、明らかに、困難な瞬間を経験して、少しイライラしてしまう事もある。」
「競争の中で自信を失う事もあった」
「そして競争的な面では、明らかに自信を失う瞬間も有る。そうすると、自問自答を繰り返すことも増えるんだ。そうなると、このスポーツに対する愛情にも疑問が湧いてくるし、準備の面でも、このスポーツの他の面でも、ハングリーになれなくなるのかもしれないね。」
「僕は、休みを取ったことで最終的に自分がどれだけこのレースを愛しているか、自分にとってどれだけ意味のあることなのかを知ることができたと思う。そして今、2度目のチャンス、2度目の風が吹いていて、今の所順調だよ。」
「これが僕の唯一の優先事項であることを確認したい。ある日、『もっとやれたかもしれない』とか、『あのときキャリアをつかみ損ねてしまった』とか、そんな思いはしたくないんだ。」
「だから、今回(レギュラードライバーを離れた経験)は新しい視点を与えてくれてよかったよ。みんなに勧めたいね。でも、シーズン後半をどれだけ楽しめたか、自分でも信じられないよ。半年で出来る事は侮れないね。」
【関連記事】
- 【数字で見る】フェルスタッペンと他のF1ドライバーとの比較 – Shiga Sports Japan
- リカルド、F1復帰で “生まれ変わり”と “活力を取り戻した”と感じる (shigasports.com)
- リカルド「あとわずかだった」最終戦はポイント獲得ならずも2024年へ向けて前向きな姿勢 – Shiga Sports Japan