ルノーのCEO、アルピーヌF1を売却するのは愚かなことと主張
ルノー・グループのCEO、ルカ・デメオは、現在苦戦しているフォーミュラ1チーム、アルピーヌの一部または全部の売却計画を強く否定した。
アルピーヌは現在、2シーズン続けて苦戦しており、8レース終了時点でカナダグランプリ前にわずか2ポイントしか獲得できておらず、コンストラクターズランキングで9位に甘んじている。
アルピーヌの苦戦により、ルノーがF1チームの売却を検討しているとの噂が浮上したが、ルノーグループのCEO、ルカ・デメオは、現在の苦境がチームの売却につながることはないと断言している。
「はっきり言いたい。撤退するつもりは全くない」とデメオは自動車雑誌Autocarとのインタビューで語った。
「それは私のスタイルではない。この件に関して一部でも売却することはない。お金は必要ない。左右から申し出があり、メディアで話題になったが、我々には興味がない。売却は愚かなことで、私はしない」
とはいえ、デメオはF1チームが苦境に陥っていることは否定できない。
シーズン初めに比べて状況が「少し改善した」ことを快く認めているが、現在の苦境は数年前から始まった誤った取り組みの結果だと考えている。
「我々がハイブリッド時代に突入した時(2014年)、エンジンのパフォーマンスが上がらなかった。レッドブルとともに(エンジンサプライヤーとして)世界チャンピオンになったが、ハイブリッドになって状況は悪化した」とデメオは付け加えた。
「2021年に開発したエンジンでさえ、1周ごとに0.2〜0.5秒の不利があった。そして今年、マシンで失敗した。全てを合わせると、本来あるべき位置から1.5秒遅れている」
デメオはまた、アルピーヌは今年と来シーズン、手持ちの材料で何とかやり繰りし、FIAが木曜日に発表した新しい技術規則がF1に導入される2026年に完全に立て直しを図る必要があると強調した。
「今年と2025年は現在の体制でやってみる。次のサイクルに向けて正しいことをするよう努力する。それが課題だ。競争力のあるチームになるために必要なことは全てやる」と彼は主張した。
「チームにはもっと高いパフォーマンスを期待している。我々はレースで16位あたりにいるべきではない。可能な限り上位争いに加わるべきだ。時に2位、時に5位になるが、それが我々のレベルのはずだ」
アルピーヌが勝利を目指せるレベルにはほど遠いが、デメオは自身の見解を示し、F1で勝つには3つの不可欠な要素があると考えている。
「1つ目は、一流の人材で構成された質の高いチーム。2つ目はレースへの情熱、勝利へのこだわり。3つ目はチーム内の協力と信頼、物事を円滑にする協調の精神だ」
「アルピーヌはルノーグループの支援を受けているので、F1チームの中で最も肩幅の広いチームの1つになるはずだ」
「現時点で我々がトップチームになるに値するとは思わないが、F1で観光客になるつもりはないので、一生懸命働く必要がある」
「もちろん、我々は間違いを犯した。そういうことは起こる。しかしF1をアルピーヌの中心に置き、独自の自動車文化を表現するために車を青く塗るのは正しいと思う。このブランドは、常に競争してきたからこそ正当なのだ。しかし、もっと上手くできるはずだし、このチャンスを逃したくない」
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