「すべてうまくいくと感じた」ハミルトン、フェラーリへの電撃移籍の背景を語る
ルイス・ハミルトンは、2025年に向けてフェラーリと契約する決断を下したことについてさらなるコメントを発し、昨夏のメルセデスとの契約後に何が変わったのかを明かした。7度のワールドチャンピオンに輝いたハミルトンはまた、フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールとの関係の影響や、メルセデスでの最終章を最高の形で終えたいという思いについても語った。
F1界に衝撃をもたらした移籍発表
2月上旬にハミルトンのフェラーリ移籍が報じられたとき、F1界は驚きを隠せなかった。特に7度のワールドチャンピオンに輝いたハミルトンは以前、メルセデスでこのスポーツでのキャリアを終えることを仄めかしていたからだ。ハミルトンは2023年夏に現在のチームと新契約を交わしており、2025年末までメルセデスに在籍することになっていた。
しかし、契約解除オプションの発動により、ハミルトンは2024年にメルセデスでの最後のシーズンを終え、来季フェラーリに移籍することが決まった。
バーレーンで行われたプレシーズンテストで、ハミルトンはメルセデスの新車W15での最初の経験についてポジティブなコメントを残した。しかし、マシンの外では、ハミルトンはフェラーリへの移籍を目前に控えた質問には事欠かなかった。
昨年夏にメルセデスと契約したときと、フェラーリへの移籍を決めたときとで何が変わったかと尋ねられると、ハミルトンはこう答えた。「夏にはサインをしたし、そのときは明らかにメルセデスとの将来を考えていた。でも、新しい年にチャンスが巡ってきて、それに乗ることにしたんだ。」
これまでで最も難しい決断だが、今が新しい章を始めるとき
「これまでで一番難しい決断だったと思う。メルセデスとは26年間一緒にやってきたし、彼らは僕をサポートしてくれた。僕たちはこのスポーツの中で歴史を作ってきたし、それは僕にとって大きな誇りだし、僕たちが成し遂げたことをとても誇りに思っている。」
「でも、最終的には自分の物語を書くのは自分自身だし、新しい章を始める時だと感じたんだ。」
この移籍が報じられたとき、ハミルトンはフェラーリへの移籍が「子供のころからの夢」をかなえるチャンスであるとソーシャルメディアに書き込んでいた。
「もちろん、すべてのドライバーにとって、歴史を見て、全盛期のミハエル・シューマッハを見て、育ってきたと思う。そしてガレージで画面を付けると、赤いコクピットに座ったドライバーがいて、あの赤色に囲まれるというのはどんな気分なのかと考えるんだ。」
「イタリアGPに行けば、真っ赤なフェラーリファンの海を目にするし、それはつい言葉を失ってしまうほどの光景だ。フェラーリは2007年以降、大きな成功を収めていないチームだし、僕は大きな挑戦だと思っていた。だけど間違いなく、子供の頃からあのクルマに乗って、ミハエルとして(ゲームで)遊んでいたんだ。だから正真正銘の小さなころの夢で、本当に本当にわくわくしているよ。」
時は満ちた
フェラーリに移籍したハミルトンは、フレデリック・バスールと再びコンビを組むことになる。2人は以前、ハミルトンがジュニアフォーミュラでステップアップしたときから一緒に仕事をしており、それ以来連絡を取り合っている。ハミルトンは、この関係が移籍を可能にした重要な要因であることを認めている。
「フレデリックとは素晴らしい関係にある。」彼はこう説明した。「もちろん、彼とはF3で一緒にレースをしたし、F3でもGP2でも素晴らしい成功を収めた。そしてそれは僕たちの関係の基礎となった。僕たちはとにかくいつも連絡を取り合っていたんだ。彼はいつか素晴らしいチームマネージャーになり、F1に進むだろうと思っていたけれど、当時は彼はそのことに興味がなかったんだ。」
「フレデリックがアルファロメオのチームに入っていくのを見たときは本当に格好良いと思ったし、フェラーリでの仕事が決まったときは本当にうれしかった。彼がいなければ本当に実現しなかったと思うから、本当に感謝しているし、彼がそこでやっている仕事にとても興奮しているよ。」
イタリア語の習得にも意欲
ハミルトンは、2025年のチーム合流に向けてイタリア語を学んだことについても質問された。言語スキルについてハミルトンはこう答えた。「この何年もの間、ほかの言語を学ぶことができなかったけれど、絶対にやってみせるよ。イタリアでカートをやっていたときに、いくつかセリフを覚えたのを覚えているから、それがすぐに戻ってくることを期待しているよ。」
言葉の面は、メルセデスから移籍するハミルトンを待ち受けている変化のひとつにすぎない。もう一つ彼が強化していきたいと思っていることは、多様性に関する取り組みだ。メルセデスのワールドチャンピオンは、ここ数年メルセデスがこの分野で前進してきたことを誇りに思っている。
F1における多様性
「まず第一に、僕はメルセデスの中で行ってきた仕事を非常に誇りに思っている。2020年以降、チーム内の多様性を向上させるために大きな進歩を遂げた。」とハミルトンは語った。「例えば、人事部では多様性のある人事グループができたし、それは僕を超えたところでも続いていく。このことをすごく誇りに思うし、ここまで推進してきたチームのことを誇りに思うよ。」
「その点では他のどのチームよりも先を行っていると思うし、スポーツ全体ではまだ膨大な仕事が残っている。ステファノ(ドメニカリ/F1最高経営責任者)には常に話をしているし、F1ともっと協力したいと思っている。もちろん、フェラーリを見てもやるべきことはたくさんあるから、ジョン(エルカン/フェラーリ会長)とはすでにそのことを優先して話しているし、彼らもそれに取り組んでいくことにとても興奮している。」
今はメルセデス最後の結果を上げることに集中
このようなことが待ち受けている一方で、ハミルトンはバーレーンで、今はまだ2024年のシーズンに集中しており、メルセデスでの時間を最高の形で終えることが目標だと強調した。
「この章はまだ終わっていない。」ハミルトンは言った。「僕はまだ100%このチームで結果を残すことに集中しているし、最高の場所でフィニッシュしようとしている。これは僕自身とチームにとって大きな目標で、チームのみんなを信頼しているし、これまでやってきたことは素晴らしいことだと思う。だから本当に僕らがどうにかレッドブルとのギャップを埋められるように願っているよ。」
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