トスト氏「適切なマシンでないと、将来は見えない」角田裕毅の去就に厳しい見方 一方でハジャーを高評価

モンツァ発—長年F1でチーム代表を務めたフランツ・トスト氏が、レッドブル・レーシングにおける角田裕毅の将来について厳しい見解を示す一方で、ルーキーのアイザック・ハジャーを高く評価した。
2006年から2023年までトロ・ロッソ、後のアルファタウリを率いたトスト氏は、引退後もレッドブルのアドバイザーとして関わり続けている。イタリアグランプリを前に、モンツァでの発言で69歳の彼は、レッドブルが直面する苦戦の背景に「組織の中枢から人材が流出したこと」があると語った。
「理由はいくつかあるだろう」とトスト氏は述べた。「最大の要因は何人もの重要な人物がチームを去ったことだ。エイドリアン・ニューウェイは間違いなく天才であり、パドックで彼ほどの経験を持つ者はいない。彼はアストンマーチンでもその専門性を証明するだろう」
さらに、マクラーレンに移籍したロブ・マーシャルや、2026年にアウディのワークスチームとなるザウバーに加入したジョナサン・ウィートリーの名前を挙げ、「このような離脱はどのチームにとっても容易に克服できるものではない。来年、新しい技術陣がどれだけ機能するかが問われるだろう」と指摘した。
そして今後に関して注目されるのが、マックス・フェルスタッペンのチームメイトである角田の去就だと示唆した。「それは彼自身にかかっている」とトスト氏は強調する。「ユウキは非常に才能があるが、レッドブル・レーシングに昇格してからは期待されたほどの結果を示していない。重要なのは彼に適切なマシンが与えられることだが、現時点では十分ではなかった。良い結果を出す必要がある。そうでなければ、私は彼に将来を見いだせない」
一方で、トスト氏は自身が率いていたチームの後継であるレーシング・ブルズを称賛した。ハジャーがザントフォールトで3位に入り、今季初の表彰台を獲得したことについて「新しいチーム代表のアラン・パーメインは、現在レッドブル・レーシングを率いるローレン・メキースと同様にうまくやるだろう。全体としてチームは素晴らしい仕事をしている」と述べた。
さらに「アイザックはデビュー年として素晴らしい活躍を見せており、今はさらにモチベーションが高まっている。ザントフォールトでの初表彰台で自信を大きくつけたが、新しいサーキットでは焦りすぎないことが重要だ。これは彼にとって学習の段階だ」と分析した。「リアム・ローソンも復調してポイントを稼いでいる。レーシング・ブルズはコンストラクターズランキングで6位争いに十分加わることができるだろう。それは射程圏内にある」
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