フェルスタッペンが太鼓判、レッドブルとフォードのPU開発が最終段階へ
F1が2026年の大規模なレギュレーション改革へ向かう中、最も注目を集めるトピックの1つが、レッドブル・パワートレインズとフォードが共同で開発する新型パワーユニットだ。関係者によれば、マックス・フェルスタッペンはすでに開発拠点を視察しており、その仕上がりに強い感銘を受けたという。
フォードは1月15日、デトロイトの歴史的建造物であるミシガン・セントラル・ステーションで、レッドブルとレーシングブルズの2026年仕様リバリーを公開する予定だ。このイベントでは、長年続いたレッドブルとホンダのパートナーシップに幕を下ろし、チームが「レッドブル・フォード時代」と呼ぶ、新時代の幕開けを告げる新たなエンジンプログラムの詳細も発表される。
レッドブルのチーム代表を務めるローラン・メキース氏は、このプロジェクトを「大胆かつ協力的な飛躍」と位置付け、次のように語っている。
「レッドブル・フォード・パワートレインズ時代の幕開けは、未来への勇気ある一歩であると同時に、最高峰のエンジニアリングとイノベーション、そして情熱が結集したときに、何が可能になるかを示す印象的な実証でもある」

「このプロジェクトが持つエネルギー、精密さ、そしてスケールは人々を鼓舞するものだ。これはモータースポーツ界の二大勢力が長年積み重ねてきた協力の集大成でもある。フォードとレッドブルを象徴する決意と卓越性に突き動かされながら、私たちはこの新しい章を迎えることに大きな興奮を覚えている」
しかし、技術面でのハードルは高い。メルセデスで20年を過ごし、現在はレッドブル・パワートレインズを率いるベン・ホジキンソン氏は、その難しさを率直に説明する。ポッドキャスト『The Inside Track』で語ったところによると、既存メーカーが通常シーズン毎に数百点の部品を更新するのに対し、新しいレッドブル・フォードパワーユニットは、完全な白紙からの出発だったという。
「私たちはすべての部品をゼロから設計し直す必要があった。初期段階では膨大な作業量になったが、今の状況を踏まえると、開発は迅速に進められていると確信している。私たちはほかのエンジンメーカーより遅れてスタートしたが、第1戦の時点でトップグループに入れると強く信じている。弓を放つとき、狙うのは常に的の中心だ」
とはいえ、過信は禁物だとも強調する。
「このスポーツで自信満々な人を見れば、その人はすでに敗北に近いと言える。自信過剰は危険だ。自分がどこに立っているか、本当のところは誰にもわからない」
「私が信頼しているのは、レッドブルとフォードのサポート、私が築いたチーム、そして今手にしている施設だ。そこに揺るぎない自信がある。私たちは正しい決断を積み重ねてきた」
プロジェクトの進捗を直接確認している人物の中には、最近レッドブル・パワートレインズの拠点を訪れたフェルスタッペンもいる。ホジキンソン氏によれば、現役ワールドチャンピオンはその光景に「感銘を受けていた」という。
「彼はテストセッション中にいくつかのエンジンが稼働している様子を見て、2026年のパワーユニットのサウンドも体験した。多くの人はその細部に圧倒されるだろう。レッドブル・パワートレインズは、真に卓越した人材によって創られた素晴らしい施設だ」
さらにホジキンソン氏は、フェルスタッペンの技術的な好奇心がすぐに明らかになったと付け加えた。「マックスは専門知識が非常に豊かで、鋭い質問を次々と投げかけてきた。彼はすべてを知りたがった。そしてすぐに、自分が同じ志を持つ仲間の中にいることを理解した。私たちは皆、最前線で戦うことを望んでいる。それが私たちの目指す姿だ」
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