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メルセデス、V6ハイブリッド時代のF1パワーユニットに別れ―ブリックスワースで記念セレモニー

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メルセデスのワークスチームは、英国ブリックスワースにあるパワートレイン拠点で、現行F1エンジン世代の功績を称える記念イベントを開催した。2014年にV6ターボ・ハイブリッド時代が幕を開けて以降、メルセデス製パワーユニットはF1史に残る圧倒的な成功を収めてきた。

このエンジン世代で行われた252回のグランプリにおいて、メルセデス・パワードのドライバーは140勝、150回のポールポジション、387回の表彰台を獲得。ひとつの時代を象徴する支配力を誇った。

2026年から次世代パワーユニットが導入されるのを前に、メルセデスは12月16日(火)、ブリックスワースのレースエンジン工場に全スタッフを集め、現行エンジンへの「別れのセレモニー」を実施した。当日はあいにくの雨模様となったものの、印象的なデモ走行が披露され、会場は大きな盛り上がりを見せた。

デモランを担当したのはリザーブドライバーのフレデリック・ベスティ。V6ハイブリッド時代の幕開けを象徴する2014年型W05と、その集大成とも言える2025年型W16の2台で施設内を走行。走行後にはそれぞれでドーナツターンを披露した。会場には各シーズンのパワーユニットも展示され、最後は工場スタッフ全員で記念撮影が行われた。

formel-1-fred-vesti-mercedes フレデリック・ベスティ
フレデリック・ベスティ

メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズのマネージングディレクターであるハイウェル・トーマス氏は、次のように語っている。

「私たちは普段、立ち止まってこれまでの成果を振り返ることがあまりない。だからこそ、これほど多くの仲間とこの瞬間を共有できたことは本当に特別だった。数字が示す実績は驚異的で、ブリックスワースやブラックリー、さらにマレーシアのペトロナスや世界中の関係者全員が、自分たちの貢献を誇りに思っていいと思う。ここブリックスワースでF1マシンを走らせたのは今回が初めてで、これ以上ふさわしいタイミングはなかっただろう」

さらにトーマス氏は、すでに視線が次の時代へ向いていることも強調した。

「今日は過去12年間の成功を祝ったが、意識はすでに2026年へと切り替えている。F1が新たな時代に入ろうとしている今は、とても刺激的な時期だ。数週間後には、新しいパワーユニットがバルセロナで初めて走行する。2014年と同じように、その瞬間を心待ちにしている」

一方、デモ走行を担当したベスティも、特別な1日だったと振り返った。

「この素晴らしい成功の時代を、メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズの仲間たちと祝えたことは、本当に特別だった。W05とW16という、この時代を象徴する2台を運転できたのは最高の経験だ。みんなにショーを見せられたのも楽しかったし、2014年のマシンでドーナツターンまでできた」

もっとも、簡単な走行ではなかったとも明かしている。

「雨が降っていたし、ここは本来サーキットではないから、かなり難しかったのも事実だよ」

メルセデスはこうしてひとつの時代に区切りをつけ、次なるF1の技術革新へと歩みを進めている。

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