フェルスタッペン、フェラーリ移籍のハミルトンに同情「見ていて辛い」
今年、ルイス・ハミルトンはフェラーリで厳しい初シーズンを過ごした。その姿は多くのファンにとっても見ていて辛いものだったが、かつてのタイトル争いのライバルであるマックス・フェルスタッペンも、彼に同情の言葉を寄せている。
アブダビで行われたシーズン最終戦後、パドックには安堵の空気が漂っていた。24戦にわたる長いシーズンがようやく幕を閉じ、砂漠のサーキットでは、疲労の中にもどこか晴れやかな表情を浮かべる関係者の姿が目立った。
なかでも安堵していた1人が、ハミルトンだろう。チェッカーフラッグが振られた瞬間、彼自身が「悪夢」と表現したシーズンが終わりを迎えた。7度の世界王者であり、史上最多のGP勝利数を誇るハミルトンは、フェラーリ加入初年度で数多くの試練に直面した。
シーズン第2戦の上海では、スプリントで勝利を挙げるという明るい材料もあった。しかし、決勝では6位でフィニッシュしたものの、マシンのフロア摩耗が規定を超えていたとして失格処分に。さらにチームメイトのシャルル・ルクレールも、車体重量不足により同じく失格となった。
それでも、ルクレールのシーズンはハミルトンと比べればはるかに安定していた。優勝こそ逃したものの、7度の表彰台を獲得している。一方のハミルトンはさらに苦しい状況に陥り、GPキャリアで初めて一度も表彰台に立てなかった。終盤には3戦連続で予選Q1敗退を喫し、カタールGPのスプリントでもQ1落ちを経験している。
105勝という偉大な記録を持つハミルトンが、次第に自信を失い、追い詰められていく様子に、多くのファンやF1関係者が胸を痛めた。そして、2021年に激しいタイトル争いを繰り広げたフェルスタッペンでさえ、ハミルトンに同情を示している。
レッドブルのエースであるフェルスタッペンは、『Viaplay』のインタビューで次のように語った。
「フェラーリにとって、間違いなくいいシーズンではなかった」。さらに、「彼が苦しんでいることは、タイムや結果だけでなく、無線を聞いていてもわかった」と付け加えている。インタビュアーが「見ていて辛かった」とコメントすると、フェルスタッペンはうなずき、「正直、僕も同じだ。ああいう光景は見たくない」と率直な心境を明かした。
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