アストンマーティンの振動問題、ドライバーの身体に後遺症リスクも
アストンマーティンを悩ます異常な振動が、マシンだけでなくドライバーの身体にも深刻な影響を与えていることが明らかになった。メルボルンのパドックで行われた記者会見で、チーム代表のエイドリアン・ニューウェイ氏とHRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治氏が実態を語った。
皮肉なことに、この会見ではマイクの不調により何度も話し直しを迫られるひと幕もあった。まるでチームが抱えるトラブルを象徴するかのようなシーンだったが、話題の深刻さはそれどころではなかった。
バルセロナとバーレーンで行われたプレシーズンテスト計9日間で、アストンマーティンの走行距離はわずか400周弱。その原因として挙げられたのが、異常な振動だ。この振動がバッテリーシステムを損傷させており、テスト終了後も解決策を模索する作業が続いている。
ニューウェイ氏は、振動がドライバーの身体に及ぼすリスクについて、こう説明した。
「シャシーによって増幅された振動が、信頼性のトラブルを引き起こしている。バックミラーやリアライトが外れてしまうこともあるが、さらに問題なのは、その振動がドライバーの指にまで伝わることだ」
「フェルナンド(アロンソ)は、連続して25周以上を走ると手に永続的な神経損傷を負いかねないと感じている。ランス(ストロール)は15周が限界だと考えている。原因を突き止め、解決策を見つけるまでは、走行周回数を大幅に制限せざるを得ない」
対策については、ベンチテストで効果が見られた手段があるとしながらも、実戦での有効性はメルボルンのフリー走行(金曜日)まで確認できないと慎重な姿勢を示した。詳細は伏せられたが、鍵を握るのはバッテリーだという。
「しかし、忘れてはならないのは、振動の原因は内燃エンジンとMGUユニットの相互作用にあるということだ。シャシーの剛性が高く、ほとんど減衰しないため、振動がそのまま伝わってしまう」と説明。
完全解決には数レースを要するとの見通しを示したニューウェイ氏は、「できる限り早く解決したいのはもちろんだが、今の段階でいつ、どのように実現できるかを断言するのは難しい」と語った。
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