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【オーストリアGP】ノリス、新型バッテリーで5グリッド降格の窮地- マクラーレン、初日の油圧トラブルから巻き返し3番手も「完全体ではない」現状

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lando norris mclaren

現役世界王者であるランド・ノリスは、オーストリアGPのFP2を3番手タイムで締めくくり、トップ争いにきっちり名乗りを上げた。しかし、彼の駆るマクラーレンMCL41は、現在メルセデス陣営が持ち込んでいる「最新スペック」の状態ではない。もし最新のパーツを組み込んでいれば、その瞬間にペナルティが確定していたからだ。

パワーユニット(PU)サプライヤーであるメルセデスは、このレッドブル・リンクにパフォーマンスと信頼性を向上させた「新型アップデート版バッテリー(エナジーストア/ES)」を投入した。この新パーツは、ワークスであるキミ・アントネッリとジョージ・ラッセルのメルセデス勢、そしてマクラーレンの同僚であるオスカー・ピアストリのマシンにはすでに実戦投入されている。しかし、ノリスの車だけは旧スペックのままだ。

その背景には、シーズン序盤にノリスを襲った手痛いメカニカルトラブルがある。ノリスは中国GPと日本GPで相次いでバッテリートラブルに見舞われており、年間でペナルティなしに使用できる上限である「3基目」のバッテリーをすでに使い切っている状態なのだ。そのため、もしこの週末にメルセデスの新型バッテリーを導入すれば、レギュレーション違反により「決勝レースで5グリッド降格ペナルティ」が即座に科されることになる。チャンピオンシップを争う上で、このリスクを避けるためにノリスはあえて旧スペックでの戦いを強いられている。

油圧リークでFP1の45分間を紛失。またしても不運な幕開けに

ノリスにとって、今週末のスタートは決してスムーズなものではなかった。金曜午前中のFP1では、セッション開始早々にマシンから油圧リークが発覚。マクラーレンのメカニックたちが懸命に原因究奮と修復作業に追われた結果、貴重な60分間のセッションのうち、実に45分間をガレージの中で失うこととなった。

午後のFP2では、セットアップを攻めた影響か、シュタイアーマルクの美しい山々に囲まれたレッドブル・リンクのランオフエリアへ何度かハミ出るシーンもあったものの、ノリスは限られた時間のなかで着実にラップタイムを縮めてみせた。

ノリス「トラブルで出遅れたが、ポテンシャルには手応えがある」

波乱の初日を終えたノリスは、現在のマシンのフィーリングと週末の展望について前向きに語った。

「FP1でトラブルが発生したせいで、最初は少し予定が後ろに狂ってしまった。だけど、チームがそれを解決してくれてからは、セッションが進むごとに確かな進歩を遂げることができた。ペースの面で見ればかなりまともな一日だったと思うし、前を走るマシンとの差は確実に縮まっている。これはすごく励みになるデータだ」

過去数年、マクラーレンが圧倒的な強さを見せてきたこの超高速トラックとの相性についても、ノリスは絶対的な自信を覗かせる。

「データを見ても分かる通り、このサーキットのレイアウトは僕たちのマシンにとても合っている。これは週末を戦う上で素晴らしい傾向だ。

今の最優先事項は、マシンに対する信頼感をもう少しだけ積み上げること。それができれば、トップとのギャップをさらに削り取ることができるはずさ」

バッテリーのスペックハンデ、そして初日の出遅れという二重の逆境に立たされながらも、マクラーレンが誇る王者は冷静に牙を研いでいる。スプリント、そして予選に向け、ノリスがこの「完全体ではないマシン」でメルセデスの最新鋭勢をどう迎え撃つのか、パドックの注目が集まる。

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