【オーストリアGP】ノリス、ハジャーの軍門に降る。チーム優先権の不運を認めつつもマシンの素性には手応え
マクラーレンのランド・ノリスは、オーストリアGPを7位という消化不良の結果で終えた後、パドックで淡々とレースを振り返った。「今日のレースは、完全にコース上の順位がすべてだった」トップ争いを演じたジョージ・ラッセルやマックス・フェルスタッペンの後方で、ノリスは終始、レッドブルのセカンドシートに座るアイザック・ハジャーのリヤウィングを眺め続けることを強いられた。
純粋なマシンのポテンシャルでは上回っていたはずのマクラーレンが、なぜこれほどまでに身動きが取れなくなったのか。その原因は、スタート直後の数秒間と、チームの「冷徹なルール」にあった。
チームメイトへの先行と、ピット戦略がもたらした致命的なタイムロス
ノリスの週末は、土曜日の予選で6番手に沈んだ時点で半分決まっていたようなものだったが、決勝のオープニングラップがそれに追い打ちをかけた。
「1周目にいくつかのマシンをオーバーテイクするチャンスがあったのに、それを逃してしまった。それがすべての始まり。
その後、最初のピットストップのタイミングでハジャーに対してポジションを失うことになった。チームが僕よりも先にオスカー(ピアストリ)をピットに呼び戻したから。
確かにそれがマクラーレンにおける『優先権のルール』なのは分かっている。先に走っている車が優先される。今回はスタートでオスカーに先行を許してしまった僕の責任だし、チームのやり方に異論はない。ただ、僕のレースにとっては致命的に不運なタイミングだった」
マクラーレンのチームルールにより、前方を走るピアストリがファーストピットの優先権を得た結果、後方にいたノリスはステイアウトを強いられ、アンダーカットを狙ったハジャーの先行を許す形となった。
「手出しができなかった」ハジャーが証明したレッドブルの底力
一度ハジャーの後方に下がってからは、2025年王者の腕を以てしても、レッドブル・リンクの短いストレートとタイトなコーナーで順位を取り戻すことは叶わなかった。ノリスは、ハジャーとレッドブルが見せた高い戦闘力を率直に認めている。
「自分たちのマシンの方がペースが速いのは分かっていた。それなのに、ハジャーを抜き返すことは完全に不可能だった。
彼のチームメイトであるマックス(フェルスタッペン)のペースを見れば分かる通り、今週末のレッドブルは信じられないほど強力。マックスは5番手から2位まで巻き返して、勝利にあと一歩まで迫っていた。今日の僕のパッケージでは、ハジャーを打ち破る手段は残されていなかった」
アップデート未投入でのフェラーリ撃破に光明を見出す
ポジションを落とす不本意なレース展開となったノリスだが、悲観的な表情は見せていない。他チームが大型のアップデートパーツを投入して臨んだこのオーストリアで、現状維持のパッケージのまま戦えたことには一定の満足感を示している。
「トラフィックから抜け出して、クリーンエアーで走っている時のマシンの手応えは間違いなく強力だった。ただ単に、序盤に位置を落としすぎて集団に埋もれてしまったことが敗因。
それを差し引いても、チームにとっては悪くない結果。最終的にはフェラーリの1台(シャルル・ルクレール)の前でフィニッシュできている。
重要なのは、他のチームが多くのアップデートを持ち込んできたのに対して、僕たちは今回何も新しいパーツを投入していないという点。パフォーマンスの面でまだトップを走る連中に遅れをとっているのは事実。だけど、それは僕たちがこれからファクトリーで何をすべきか、どこを改善すべきかが明確になっているということ。次に向けて仕事に励むだけ」
次戦はマクラーレン、そしてノリスにとっても完全なホームレースとなるシルバーストン。伝統の高速サーキットで、チームがどのような開発の答えをマシンに反映させてくるのか。王者の意地をかけたリベンジの舞台が整う。
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