【WEC 富士6時間 決勝】 トヨタ8号車が母国通算10勝目を達成! 平川亮の超絶ディフェンスで選手権首位奪還
2026年9月27日(日)、FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦「富士6時間レース」の決勝が行われ、72,326人の大観衆が見守る中、トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)の8号車GR010 HYBRID(平川亮/セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー)が終盤の戦略勝負を制して大逆転勝利を飾った。
トヨタにとって富士での勝利は3年ぶり通算10度目。アンカーを務めた平川亮は、猛追するアルピーヌ36号車のビクター・マルティンスをわずか0.591秒差で抑え込み、今季初となるシーズン2勝目を達成。この結果、8号車トリオはドライバーズ世界選手権ランキングの単独首位へと躍り出た。
アルピーヌワンツーの展開から、終盤のセーフティカーでレースが一変
レース前半から5時間にわたり主導権を握ったのは、フロントローからスタートしたアルピーヌ勢(35号車&36号車)だった。
一方のトヨタ8号車は、序盤にアストンマーティンとの接触でスピンを喫して6番手まで後退するなど苦しい展開が続いていた。しかし、残り1時間を切ったところでLMGT3クラスのガレージ59(マクラーレン)のクラッシュによりセーフティカー(SC)が導入されると、戦況は一変した。
タイヤ無交換のギャンブルに出たトヨタ、新タイヤで猛追するアルピーヌ
小雨が降り始める難しいコンディションの中、各車が一斉にピットイン。ここでトヨタ陣営は勝負に出た。6番手を走行していた8号車に対し、タイヤ交換を行わず、給油時間も極限まで削るショートフューエル戦略を決行。これにより平川亮を首位でコースへと送り出した。
同様にタイヤ無交換を選択したBMW 15号車(ドリース・ヴァンソール)が2番手へと浮上。対するアルピーヌ勢は安全策を採り、36号車のビクター・マルティンスにフレッシュなミシュランタイヤ4本を装着(35号車は左側2本交換)させたため、3位・5位へと後退した。
レース再開後、フレッシュタイヤのグリップを活かしたマルティンスが猛チャージを開始。BMWをあっさりオーバーテイクすると、残り数周で首位・平川の背後へピタリと貼り付いた。
0.591秒差の死闘:平川亮が魅せた魂のディフェンス
テール・トゥ・ノーズの息詰まる攻防の中、平川はコールドタイヤと小雨で滑りやすい路面に苦しみながらも、ラインを極限まで締めてアルピーヌの侵入をブロック。
最終ラップのチェッカーまで続いた激闘を0.591秒差で制した。このタイム差は、WECハイパーカーにおける異メーカー間の最小差勝負として記録される快挙となった。
「雨で路面が少し濡れている中、冷えたタイヤでのリスタートは本当に難しかった。前に周回遅れのBMWがいたことでブレーキングの参考にでき、後ろのBMWもアルピーヌのラインを遮る形になって幸運だった。
それでもものすごいプレッシャーで、特にラスト2ラップは最高にストレスフルだった。だが、チームがどこでプッシュしどこで抑えるべきか的確なフィードバックを出し続けてくれたことに感謝している。大勢のファンの前で表彰台の一番上に立てたことは本当に素晴らしい気分だ!」
選手権争い-王者フェラーリが失速、最終2戦へ
2位にはアルピーヌ36号車、3位にはBMW 15号車が入り表彰台を獲得。4位にもアルピーヌ35号車が入ったことで、アルピーヌにとってはWECトップカテゴリーでの過去最高成績となった。
一方、前年チャンピオンのフェラーリ(499P)勢は厳しい週末となり、51号車が10位入賞を果たすのが精一杯。選手権争いにおいて大きな痛手となった。
シーズンは残り2戦。次戦は10月16日〜18日にスペインで開催される「バルセロナ6時間レース」へと舞台を移す。
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