角田、2026年はリザーブに専念「新しい視点でF1を学ぶチャンス」
アブダビGPでの最終戦を前に、レッドブルが2026年のフルタイムドライバーから角田裕毅を外し、リザーブ兼テストドライバーとして起用すると発表してから一日。角田はシーズン最後のメディア対応で、予想外にも落ち着いた、前向きな姿勢を見せた。
この知らせはカタールGP翌日に伝えられたもので、初めは驚いたという。しかし落ち込みは長く続かなかったと明かす。
「翌朝には大丈夫だった。いつも通りの朝食、いつも通りのルーティンだった」と淡々と語った。
他チームから関心があったものの、契約上の制約からレッドブル体制に残る決断をしたという。
「自分が育ってきた場所なので」と説明した。

シガスポーツの取材によれば、角田には過去2年で複数のチームが興味を示していた。2024年にはキック・ザウバーがガブリエル・ボルトレートの代役として彼を検討。2025年初めにはキャデラックが2026年のF1参戦に向け、優先候補の1人としてリストアップしていた。
しかし、いずれもタイミングが合わず実現には至らなかった。キック・ザウバーの件は当時の代表クリスチャン・ホーナー氏によって破談となり、キャデラックはレッドブルとの契約状況が不透明な角田を待てず、すぐに契約可能なセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスを起用する方針を決定。キャデラックは8月26日に正式発表している。
それでも角田は、リザーブ兼テストドライバーという役割を「後退」ではなく、学びを広げる機会だと受け取っている。
「別の視点から物事を見るのが楽しみ。フルタイムのドライバーだと、レース運営の細かい部分まで観察する時間がなかった」と語った。
さらに、いつでも代役として走れる準備を続けると強調。
「チャンスが来たら、全力で掴みにいく」と気合を見せた。
シーズンを振り返ると、個人として大きく成長した一年だったとし、ときにはマックス・フェルスタッペンと競り合える速さも示したことに手応えを感じているという。レッドブルへの感謝も述べ、2026年もチームと密接に関わり続ける考えだ。
まずはアブダビGPで「自分として良い形で終える」ことに集中する。これが次の章へ進む上で大切なステップになると角田は信じている。
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