アストンマーチンチーム代表、マイク・クラック氏へShiga Sports Japanが独占インタビュー!

Shiga Sports Japanでは、現在アストンマーチンチームを代表するマイク・クラック氏にインタビューする機会をいただきました。レースに興味を持ったきっかけ、成功への秘訣、アストンマーチンの現在の目標、そして噂のホンダとのパートナーシップについて語っていただきました。インタビュー動画はこちらから!

Q: 今年3月に51歳になられましたね。ルクセンブルグ出身のクラック氏がレースに興味を持ち始めたきっかけについて教えてください。

子供の頃でした。私の父親がレーサーだったので。父が感染したウイルスがうつったようにレースに引き込まれた感じですね。

Q: モーターバイクとレーシングカーのどちらがもっとお好きですか?

カーレーシングですね。

Q: WEC、IMSA、そしてFEでBMWとポルシェを担当するなど、一流のマネージャーとして経験を積まれてますね。2006年〜2007年の間はマリオ・タイセン氏引退後にBMW・ザウバーのレースエンジニアとしても活躍されています。今までレーシングに関わられた経験の中で一番お気に入りの時期はいつでしたか?

“Open tire” competition (Bridgestone vs. Michelin)ですね。張り詰めた雰囲気を感じる時期でした。ハイブリッドでなくV10を使用していた時代で、タイヤのテストチームもいました。よい組み合わせだったと思います。

Q: 前シーズンからアストンマーチンの代表を務め、F1界のトップチームを目指されていますね。成功への秘訣を教えてください。

マイク・クラック氏

秘密にしているようなことは特にないと思います。本当に大切なのは努力すること、あと良いチームメンバーと協力すること。共に働く人と信頼を築いて良いチームを組むことが大事ですね。

私は常にファクトリーにいます。レーストラックにいるだけでは見逃してしまうようなところがプロダクション、またはデザイン部門にとっては肝心です。だからこそ新たな司令部に期待しています。チームの何人かは今別々の場所で働いています。それでもチームワークがあれば、皆が協力して目標達成を目指せるでしょう。

Q: F1アストンマーティンチームの大株主ローレンス・ストロールと共に働く経験はどのような感じであるか教えてください。

そこまで他と変わったことはないと思う。メリットはたくさんある。まずは反応が早いこと。ローレンスのよいところは私たちのポジションを常に把握していることだと思う。ミッションステートメントもはっきりとしている。大企業のような細かい手続きなども少なく、大手自動車会社と比べてすぐに反応できることが私たちの強みだと思う。ローレンスは熱心で、常に次のステップについて考えているから、わかりやすい。今どこにいるかがすぐわかる。力強い声を持っていて怖いところもあるが、それは見た目だけ。

Q: 最近亡くなられたレッドブルのディートリヒ・マテシッツ氏と比べると違いはありますか?

アゼルバイジャンGPでチームを見守るローレンス・ストロール氏

ザウバーには1年しかいなかったので、比べるのは難しい。PS本人がディートリヒははっきりした人だったと言っていた。比べるとしたらそれぐらいですね。

Q: 今シーズンアストンマーチンがレッドブルと張り合う可能性はありますか?

無闇な攻撃はせずに、現実的に行動しなければならない。私たち自身の強みを理解してシーズンを通して成長することが大切だと考えている。去年レッドブルとの差を縮めることができたのはそれだけでも大きな実績だと思う。私たちの競争相手は少しずつ進歩しているだけのようだからね。

Q: F1ワールドチャンピオンのチームになるための秘訣は?

そのポジションにたったことはないからわからないけど…全てのエリアでベストな成績を残すことだと思う。良いチームを築くことができれば、チームメンバー1人1人を信用することができる。彼らを信じることが私たちの責任。奇跡などには信じず、自分自身で目標を持つことが大切。1日で成し遂げられるようなことではない。

Q: セバスチャン・ベッテル選手とフェルナンド・アロンソ選手を比べた感想を教えてください。ワールドチャンピオンである2人の違いは?

3位を獲得したフェルナンド・アロンソ選手がトロフィーと写真

似たようで違う2人ですね。セバスチャンはドイツ的思考が強い。フェルナンドは似たような思考を目指してはいるけど、ラテン的な考え方が情熱からみてとれる。違いはそれくらいかな。働き方としてはとても似ている。チームからも自分自身からも多くを期待しているよう。

Q: 2026年からホンダがアストンマーチンと独占パートナーシップを組みたいと考えているという噂がパドック内でありました。日本の読者の方々に状況を説明してくださいますか?

噂は聞いております。私たちから言えるのは、今の状態(メルセデス製エンジン)で満足していることです。すでに強いエンジンを備えていますので。今はレッドブルとの差を縮めることが最優先ですので、パートナーシップなどを考える余裕は今はありません。

アストンマーチンとホンダ、2026年からパートナーシップを結ぶ可能性

Q: あなたのチームの一員であるマーティン・ウィットマーシュ氏はマクラーレンを代表していた頃からホンダと良い関係を築いてきたようです。ホンダとの交渉の中で彼が役立つ可能性はありますか?

仮説的な話ですね。今は他のパワーユニットメーカーもいますし。今はレッドブルとの差を縮めることに集中して、司令部の設立と風洞の改善を目指しています。ホンダのことを考えるのはまだ仮説的な話です。

マイク・クラック氏、このたびはお話をお聞かせしてくださりありがとうございました

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