ペレス、予算上限制度が逆にチーム間の格差を広げる理由を語る
F1にバジェットキャップ(予算上限制度)が導入された本来の目的は、資金力に劣る小規模チームにもトップチームと対等に戦うチャンスを与え、フィールド全体の接戦を生み出すことだった。しかし、現在のコンストラクターズ選手権のタイムシートを見れば、上位4チームとそれ以外のチームとの間には相変わらず大きな壁が存在している。
レッドブルと新興チームのキャデラックF1という、規模も環境も全く異なる双方のチームでステアリングを握ってきたセルジオ・ペレスにとって、この現状は決して驚くべきことではない。
「レッドブルでは毎週末アップデートを持ち込んでいた」—トップチームの圧倒的開発力
シンガポールGPの現場において、ペレスはトップチームと新規・小規模チームにおける開発手法やリソース運用の決定的な違いについて語った。
「僕たちは明らかに新しく、小規模なチームだ。そして現状の予算上限制度は、小さなF1チームにとって不公平だと感じている。僕がレッドブル・レーシングにいた頃は、ほぼ毎週末のようにマシンへ新パーツやアップデートを投入していた」
「当時のレッドブルでは、予算上限など大きな問題にすらならなかった。すべての焦点は純粋なパフォーマンス向上に当てられており、そのためにはどんなコストも労力も惜しまなかった」
ペレスは、この圧倒的な開発力の差は単なる潤沢な予算の有無だけでなく、長年培われた「組織の効率性」に起因していると分析する。
開発効率の低さが引き起こす「コスト増加の悪循環」
小規模チームや新規チームが直面している構造的な問題について、ペレスは次のように指摘する。
「小規模なチームにいると、開発プロセスや手法が確立されていないため、どうしても無駄な出費が増え、結果として開発の効率性が低くなってしまうんだ」
つまり、同じパーツやアップデートを開発・製造するにしても、最適化されたノウハウを持つトップチームの方がはるかに安く・早く・確実に成果を出せるのに対し、小規模チームは開発の手戻りや手探りの検証によって、制限された予算の中からより多くの資金を浪費してしまうという構図だ。
「だからこそ、本来はトップとスモールの差を縮めるはずだった予算上限制度が、皮肉にも両者の格差をさらに押し広げる要因になってしまっている」
トップチームのノウハウと新興チームの現実を知るベテランの言葉は、今後のF1のレギュレーション議論やコスト管理のあり方に一石を投じるものとなりそうだ。
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