アメリカGPの結果に関する審査請求をスチュワードが却下

アメリカGPのレース結果をめぐるハースの審査請求は、スチュワードによって “重要かつ関連性のある”新たな要素がないと判断され、却下された。ハースは今月初め、ウィリアムズのアレックス・アルボンを含むトラックリミット違反に関連する要請書を提出していた。

アルボンはサーキット・オブ・ジ・アメリカズで9位入賞を果たしており、レース中にターン6で正当な理由なく何度もコースを離れたとしてスチュワードに報告されていた。しかし、証拠不十分と判断され、それ以上の処分は下されなかった。一方、ハースのニコ・ヒュルケンベルグは11位でフィニッシュしている。

その後、再審査権をめぐる新たなヒヤリングが11月8日(水)に行われたが、スチュワードは証拠を受け入れるか独自の調査を行うために、ヒヤリングを一旦中止し、翌日にまた続きが実施された。ヒヤリングにはハースチームの代表のほか、アストンマーティン、ウィリアムズ、レッドブル、フェラーリ、マクラーレンが出席。

審査請求権が認められるためには、スチュワードは提示された証拠が、重要で、関連性があり、新しく、かつ審査請求者が決定時に入手できなかったものでなければならないという、要求された基準のひとつひとつを満たしているかどうかを判断する必要があった。

Haas F1 car Austin
Hass F1 upgrade package not performing and now accusing other teams…

ハースは4つの証拠、すなわちウィリアムズのアレックス・アルボンとローガン・サージェント、レッドブルのセルジオ・ペレス、アストンマーティンのランス・ストロール、これらのマシンがレース中にターン6で何度かコースを外れたことを示す車載映像を証拠として挙げた。

ハースはまた、メキシコGPの前に行われたチームマネジャー会議において、FIAレースディレクターとFIAシングルシータースポーティングディレクターがオースティンのターン6でのトラックリミット監視が “理想的ではなかった”と示す発言を何度かしていたことについても触れた。

スチュワードはこれらの証拠に関して、全ての要件において審査した。その結果、これらのマシンのオンボード映像について、スチュワードは、重要なものではあるが、当時ハースが入手可能であったものであり、新しいものではなく、また関連性もないと裁定し、当該決定の時点でハースが入手できなかった重要かつ関連性のある新要素はなかったという結論となり、再審査請求権は却下された。

一方、ヒヤリングの結果とは裏腹に、スチュワードは「全ドライバーに対するトラックリミットの現行基準を適切に実施することができなかったことは完全に不満足であり、この広範囲に及ぶ問題のさらなる再発を防止するための解決策を迅速に展開するよう、すべての関係者に強く勧告する」とも述べている。

改善策として提示されたのは、「より優れた技術的解決策、コースの改造、それらの組み合わせ、あるいは別の規制と施行基準」であり、「2024年シーズンの開幕までにさらなる解決策を見出すべき」と付け加えた。

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