【独占インタビュー】マクラーレン・レーシング最高経営責任者ザク・ブラウン氏

先日、マクラーレン・レーシングの最高経営責任者であるザク・ブラウン氏(1971年11月7日生まれ)にインタビューを行いました。彼がモータースポーツにかける情熱、F1の中で尊敬する人々、そして2023年F1においたブラウン氏自身の成長についてなどを伺いました。

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Q:もしあなたの母親や奥様がこの場にいらしたら、あなたの一番の長所は何だと言うと思いますか。

仕事に対する姿勢とモータースポーツへの情熱かな。

Q:ではお二方にあなたの悪い癖について尋ねたら、どのような答えが返ってくると思いますか?

爪を噛むことかな…でもこれは必要ないことで、2番目は夜中に携帯を見ること。仕事柄、必要な要素ではあるけど、不要なものだし……。

Q:レーシングドライバーとして、これまで運転した中で最も楽しかった車をあげるとしたら?

難しい質問だ…どの車もそれぞれの面白さがある。でももし挙げるとしたら、2012年のルイス・ハミルトンのマクラーレンの性能の高さには度肝を抜かれたね。2番目は僕のマリオ・アンドレッティ5000だ。

Q:車のコレクターとして、ご自身が保有されている車の中で最も興味深い車はどれですか?

1991年のモナコGPでセナが優勝した時のマクラーレンは、全て揃っていて完璧だった。 セナ、チャンピオンシップ、モナコ、マクラーレン。

Q:2016年11月21日にロン・デニス氏に続き、新たなマクラーレン・テクノロジー・グループのエグゼクティブ・ディレクターとしてブラウン氏が就任されたと発表されましたね。その時から今のマクラーレンでは何が変化していますか?

この10年間くらいの間に多くの事が変わったよ。我々は再び「パパイヤ」(マクラーレンの象徴であるパパイヤオレンジカラー)になったんだ。これが一番の目に見える変化じゃないかな。それと新しいドライバーも登場するよ。これが面白くてね、当面の間はこのドライバーのラインナップが最も面白いと思うよ。我々は多様なスポーツをすることができる。これは2016年には無かったことじゃないかな。

Q:マクラーレンはあなたの望む形になったでしょうか?

そうだね…もちろん「不満」に思っている部分もあるけどね。まだ完璧じゃない部分があって、現時点でのチャンピオンシップでの順位には改善の余地がある。その一方で、マクラーレン自体には非常に満足していて、マクラーレンが始まった時の事を思うととても幸せだよ。

Q:あなたが参加しているチャンピオンシップではどのように役割分担をしていますか?

各チームにはそれぞれリーダーや専任のチームがいる。私の役割はチームリーダーが必要としているリソースやサポートを得られるようにすることだ。F1は圧倒的に私の最優先事項だね。自分が付加価値を与えられるレースに行くことが多いから、スポーツやレースの商業的な側に立つことが多いんだ。 年間で35回もサーキットにいる。サーキットに住んでいるようなものだよ!

Q:成功を収めて広い人脈を持っているあなたが、モーターレーシングで最も高く評価する人は誰ですか?

ロジャー・ペンスキー。そしてドライバーとしてのセナ。

ロジャーはドライバーからスタートした。彼はF1、インディカー、そして今はル・マンと数多くのスポーツに参戦している。彼はレース場で生きている。帝国を築き上げたんだ。彼と私のバックグラウンドは似た部分が最も多い。

Q:F1界のもう一人の有名人、バーニー・エクレストンと比較されることはありますか?

私はバーニーの功績を高く評価している。バーニーと一緒に仕事をするのは楽しかった。彼は群を抜いている。

Q:あなたのキャリアにおける次のステージは?夢は何ですか?

私は夢に生きている。F1でワールドチャンピオンになりたい。私個人の夢としては…マクラーレンでスーパークラウンを獲得したい。それはすごく良いだろうな。我々はそれを成し遂げた唯一のチームなんだから。ただし違う経営陣の元でだけどね。

ル・マンに出ないといけない。ル・マンに出場せずに三冠を成し遂げることは出来ない。でもそれは一年後の話だ。

チームにとってのゴールは、F1チャンピオンになることだ…

Q:マクラーレンは日本でこれだけの歴史を持ちますが、将来的にホンダと関係を取り戻す予定はありますか?

そうだね、ホンダとは話をしたよ。過去の困難な歴史はすべて過去のもの。ホンダ・レーシングは素晴らしい伝統を持つ素晴らしい会社だ。残念ながら前回はうまくいかなかったが。(アロンソの時代)

しかし以前はうまくいっていたが、昨夜はだめだった。しかし絶対にないとは言い切れない。日本にはオーストラリアのような素晴らしいファンがいる。観客はレースが大好きなんだ。しかし、日本人はおそらくもっとオーストラリアの観客よりも整然としている。日本にはセナ、ミカ・ハッキネン…マルボロ・マクラーレンがある。 素晴らしい市場だ。私たちは日本が好きだし、マクラーレンにとっても重要な市場だ。

Q:フォーミュラEが東京にやってきますが、F1がそのコースを走ることを想像できますか?

是非ともそうしたい。ステファノ・ドメニカリ次第だね。もし東京でレースができれば、素晴らしいことだ。鈴鹿サーキットにはとても多くの歴史がある。鈴鹿サーキットはとても歴史が深い場所なんだ。それはSPA(※注1)で優勝したようなものだ。とても多くの歴史がある。東京でフォーミュラEが開催されることは、素晴らしいことだ。

注1:ベルギーグランプリの略称。

標高400m前後の丘陵地帯に位置し、急変する天候「スパ・ウェザー」という独特の気候がレースをよりエキサイティングにする為、ドライバーの間でも「スパは最高のサーキット」と称する人が多い。

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