サインツ、2025年のシートには多くの選択肢、シート選びには時間が必要か

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先週行われたフェラーリの発表イベントで、ルイス・ハミルトンが2025年にフェラーリのシートを獲得し、次のステップに進むことをめぐる一連の質問を受けたカルロス・サインツは、リラックスした表情を見せた。というのも、F1で2度の優勝経験を持つサインツは、自分の経験と現在の調子を考えれば、自分にとってグリッド上のほかの場所に多くの選択肢があり、今最も注目されているレーサーの1人であることを知っているからだ。

2025年は選択肢の多いタイミング

自分がレースをするのが大好きなチームが、自分とはレースを続けたくないと判断すれば、意気消沈するのは当然だ。

しかし、その座を奪われたのが世代を代表する偉大なドライバーであったことで、(長年のターゲットであったハミルトンがいなければ、フェラーリはほぼ間違いなく彼と再契約を結んでいたことだろう)少しは受け止めやすくなっている。

レッドブル、メルセデス、アストンマーティン、アルピーヌ、ウィリアムズ、RB、ザウバー、ハースの8チームが2025年シートの空きを擁する可能性がある。シートを失い、グリッド上のどこかに再びシートを獲得したいのであれば、これほどいいタイミングはない。

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そう考えれば、サインツは決断を急ぐ必要はない。何が起ころうとも、サインツは自分が最終的に良いシートを手にすることを知っている。

考える必要があるのは、彼がどのようなプロジェクトを望んでいるかということだ。レッドブルやメルセデス、アストンマーティンのように、表彰台や優勝争いができるマシンがすぐに手に入りそうなところか?それとも、アルピーヌ、ウィリアムズ、RB、ザウバー、ハースなど、忍耐は必要だが、チームを率いて順位を上げるチャンスがありそうなものなのか?

選ぶには時間が必要

「最近、いいパフォーマンスができているのは分かっている。」とサインツは語った。

「将来、他のチームで競争力を維持するために、とても良いチャンスがあることも分かっている。」

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「そして、自分が将来何をしたいのか、キャリアの次の3、4年をどこで過ごすのか、はっきりさせるための時間を作るんだ。」

「今年30歳を迎えるということは、おそらくピークを迎えているということだから、自分自身を分析し、皆の話を少し聞いて、自分がどこに行けるのかを確認する時間を作りたいんだ。」

契約は安定志向

ひとつ確かなことは、彼はどんな契約であれ安定を望むということだ。過去3度の契約は複数年であったため、継続性があり、不確実性も排除されていた。ハミルトンがメルセデスと結んだような1年契約や1プラス1は、魅力的なオファーではないだろう。

「次に行くところがどこであれ、将来チャンピオンになるために、安定していて興味深いプロジェクトを探すよ。」

「僕は安定と一貫性を信じている。だから、それが僕の好みであることは間違いないし、だからこそしっかり決める時間を自分に与える必要があるんだ。」

サインツとメルセデスのパートナーシップ?

特に2026年に設定される新しいレギュレーションでは、100%持続可能な燃料の使用とバッテリーパワーへの大きな依存を定めた新しいパワーユニット規定が導入されるため、F1の競争順位を揺るがす可能性がある。

どのチームがそれらに対応するのがベストなのかという事は、サインツと彼のマネジメントチームが直面する課題のひとつだろう。

最高のパワーユニットを持つのは誰か?そのチームには強力なサプライヤーがいるか?資金力はどうか?どれだけ多額の投資をしているか?インフラを強化しているか?最新のシミュレーターや風洞はあるか?長期的な計画は?

サインツとメルセデスのパートナーシップは非常に理にかなっている。非情なまでの一貫性を持ち、フィードバックにめっぽう強く、そしてチームメイト全員と素晴らしい関係を築くことが出来る、レースで勝利した経験を持つドライバーを手に入れることができる。サインツにとっては、最先端を走り続けられるマシンと、世界トップクラスの設備とトップ争いに必要な資金力を持つチームが手に入ることになる。

アンドレア・キミ・アントネッリとの関係

しかし、メルセデスは育成中のキミ・アントネッリに対するプランを練る必要がある。もし彼が今年好調なパフォーマンスを見せたら、来年はウィリアムズに、翌年はメルセデスに入れるのだろうか?

もしそうなら、サインツは1年間しかシートを持たないことになる。それは彼にとって魅力的ではないだろう。それともF2での時間を増やすか、ウィリアムズのような他チームで経験を積ませてから、2027年か2028年にアントネッリをメルセデスに昇格させるつもりなのだろうか?そうなると、2~3年はジョージ・ラッセルのチームメイトが必要になる。

もしサインツがアントネッリに道を譲るのであれば、サインツはラッセルを打ち負かし、チーム代表であるトト・ヴォルフに自信の残留を検討させる必要があるだろう。

グリッド全体のオプション

アストンマーティンも非常に強力なオプションだ。億万長者のローレンス・ストロールがチームの勢いを当分の間継続させるつもりなら、長期にわたってチームを前進させることができる強力で一貫性のある経験豊富なドライバーを獲得したいはずだ。サインツはその条件に当てはまるだろう。

また一方では、ウィリアムズはサインツに大きな憧れを抱いていると見られている。彼らはサインツに、素晴らしい勢いを築きつつあるチームに乗るチャンスを提供する。もちろんリスクはあるが、その分、大きな収穫があるかもしれない。

そして、2026年にアウディのワークスチームとなるザウバー。父カルロス・サインツSr.は過去3年間、ダカールラリーでドイツメーカーのアウディから参戦しており、アウディがいかに強力なモータースポーツ組織であるかを理解している。

レッドブルのジュニアプログラム出身のサインツにとってレッドブルとRBは選択肢のひとつだろう。
一方、アルピーヌも、ルノーの旗の下でレースをしたことのあるチームへの復帰を望むのであれば、有効かもしれない。

サインツと彼のチームにとって、今後数週間から数カ月の間に考えるべきことはたくさんある。

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