バスール、カナダで最悪な部分を乗り越えたことを願う
フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、カナダグランプリが最悪な結果に終わった後、この1週末でどん底の部分を全て乗り越えられたことを願っている。フェラーリは予選でどちらのドライバーもQ3進出を逃し、決勝レースで2台とも完走を果たせなかったためだ。
シャルル・ルクレールは、レースの序盤にエンジン問題に見舞われた。状況が変わる中で、早めにスリックタイヤに交換することに賭けたが功を奏さず、最終的に43周でリタイアを余儀なくされた。
一方、チームメイトのカルロス・サインツは中団の中で前に進めず、さらにキック・ザウバーのバルテリ・ボッタスとコンタクトし、マシンが損傷。後半にはスピンを喫し、ウィリアムズのアレックス・アルボンに衝突。フェラーリはサインツをピットに引き返させたが、そのままリタイアとなった。
ドライバーから土曜日のグリップ不足が指摘されたものの、バスールは日曜日のペースには自信があったと認める。しかし、すぐに物事が崩れ去ったという。
「金曜日のペースは良かった」とバスールはレース後に語った。「予選の条件は難しかったが、他の数台も同じ問題を抱えていた」
「しかし、今日のペースには自信を持っていた。しかし、レース開始直後から全てが狂い始めた。今シーズンの最悪の部分を全てこの週末に押し込めたことを願っている」
2023年初めにフェラーリのチーム代表に就任して以降、最悪の週末だったかとの質問には、こう振り返った。
「最高の週末ではなかった。最悪かどうかはわからない」
「時々、全てが思うようにいかず、全てが自分に対して敵であるような気持ちになる。しかし、私たちのアプローチは変わらない。良い時も悪い時も、ドライバーを含めてチームとして働く。次の週末も同じアプローチを貫く」
「こういう週末を恐れるようなことはない。レースはこういうものだ」
ドライバーがこの週末をどう感じたかについては、ルクレールがレース中にマシンのトラブルについてフラストレーションを表していたと聞いている。バスールはルクレールのその反応を理解できると言う。
「確かにシャルルは、グループ内で戦っている最中、10~15km/hも遅く、オーバーテイクする機会がない中で、エンジニアから80馬力も落ちていると告げられている。そんな状況で動機づけを見出すのは難しいだろう」
「フラストレーションは理解できる。彼がこういう状況でフラストレーションを示さないのなら、私が心配するほどだ」
フェラーリがモントリオールで最悪の結果を残したが、ライバルチームの一部は良い週末を過ごした。メルセデスは今季初のポディウム獲得に成功し、マクラーレンも再び勝利候補に名を連ねた。
この機会を逃したものの、バスールはシーズン残りの各チームにも良い週末と悪い週末があると考えている。特にフェラーリは、カナダの惨敗の2週間前にルクレールが待望のモナコ勝利を収めたばかりだ。
「先週はレッドブルにとって厳しい週末だった。そして今週はフェラーリにとって厳しい週末だった」とバスールは認めた。
「厳しい週末はまだある。しかし、あと15~16レースが残っていることを心に留めておく必要がある」
「まだ私たちの前にチャンピオンシップが控えている。確かに厳しい週末もあれば、良い週末もあるだろう。最も重要なのは、同じアプローチを貫き、開発を続け、問題の解決に取り組むことだ」
「良い週末があれば世界チャンピオンになれるわけではなく、厳しい週末があっても終わりではない。我々はスペインで戻ってきて、ペースの良さを取り戻すだろう。」
【関連記事】
- ルクレール、繰り返されるエンジントラブル – Shiga Sports
- ルクレール、フェラーリの課題を指摘 – Shiga Sports
- バスール、モナコGP後「浮かれてはいけない」 – Shiga Sports
- バスール、フェラーリが優勝を争えると考える – Shiga Sports
- ボッタス、キック・ザウバーに必要なものを語る – Shiga Sports