【土曜日レポート】角田裕毅、スプリントで力強いパフォーマンスを見せる
【スプリント・シュートアウト】
マクラーレンのランド・ノリスがブラジルGPのスプリント・シュートアウトでマックス・フェルスタッペンに0.061秒差をつけてポールポジションを獲得した。
ノリスは1分10秒622を記録し、金曜日の予選で予想を下回る結果に終わった悔しさを晴らした。フェルスタッペンのチームメイト、セルジオ・ペレスはユーズドタイヤを履きながらも3番手につけた。
ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンはそれぞれ4番手と5番手につけ、角田裕毅は7番手のシャルル・ルクレールを抑えて6番手につけた。
ダニエル・リカルドが8番手、カルロス・サインツが9番手、F1キャリア初のインテルラゴス参戦となるオスカー・ピアストリが10番手につけた。
【2023年ブラジルGP予選 結果・タイム】
順位 | No | ドライバー | チーム | SQ1 | SQ2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | 1分11秒824 | 1分11秒221 | 1分10秒622 |
2 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 1分11秒888 | 1分11秒262 | 1分10秒683 |
3 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル | 1分12秒218 | 1分11秒230 | 1分10秒756 |
4 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 1分11秒976 | 1分11秒516 | 1分10秒876 |
5 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1分11秒870 | 1分11秒476 | 1分10秒940 |
6 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 1分12秒358 | 1分11秒676 | 1分11秒019 |
7 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1分12秒107 | 1分11秒473 | 1分11秒077 |
8 | 3 | ダニエル・リカルド | アルファタウリ | 1分12秒175 | 1分11秒423 | 1分11秒122 |
9 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ | 1分11秒796 | 1分11秒491 | 1分11秒126 |
10 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | 1分12秒356 | 1分11秒648 | 1分11秒128 |
11 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース | 1分12秒058 | 1分11秒727 | |
12 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ハース | 1分12秒136 | 1分11秒752 | |
13 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 1分12秒229 | 1分11秒822 | |
14 | 77 | バルテリ・ボッタス | アルファロメオ | 1分12秒303 | 1分11秒872 | |
15 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 1分12秒224 | No Time | |
16 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ | 1分12秒388 | ||
17 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | 1分12秒482 | ||
18 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 1分12秒497 | ||
19 | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ | 1分12秒525 | ||
20 | 2 | ローガン・サージェント | ウィリアムズ | 1分12秒615 |
ハースのケビン・マグヌッセンとニコ・ヒュルケンベルグのペアはSQ3進出を逃し、それぞれ11番手と12番手からスプリントをスタートする。その後方にはSQ2を13番手で終えたピエール・ガスリーが控えている。
アルファロメオのバルテリ・ボッタスは14番手、フェルナンド・アロンソもSQ1でエステバン・オコンと接触したマシンのダメージをアストンマーティンのメカニックが修復できず、15番手でSQ2を終えた。
このアクシデントはスチュワードによって調査される予定だが、オコンがターン3で接触してバリアにクラッシュし、SQ1は劇的な幕切れとなった。
金曜日に好調なパフォーマンスを見せて3番手を獲得したランス・ストロールは、厳しいセッションとなり17番手でリタイアした。アレックス・アルボンとローガン・サージェントのウィリアムズ勢はそれぞれ19番手と20番手でスプリントグリッドの最後尾につける。
【SQ1】
・オコンとアロンソの接触で赤旗中断
悪天候のため予選が早々に終了し、フェルスタッペンが日曜日の決勝レースのポールポジションを獲得した金曜日。
雨が苦手なドライバーにとっては幸いなことに、12分間のSQ1セッションはドライコンディションで行われた。
昨日ポールポジションを獲得したフェルスタッペンが1分11秒888を記録し、チームメイトのペレスにコンマ3秒の差をつけた。
残り8分となったところですべてのドライバーがピットを離れ、タイムが更新されていく。ピアストリは金曜日の予選と同じように軽いふらつきが見られたが、なんとかコースアウトは免れた。
5番手につけていたハースのマグヌッセンにはトラブルが発生し、マシンのフロントに何かが引っかかってピットインを余儀なくされた。
オコンとアロンソの接触によりイエローフラッグが振られ、その後赤旗中断。
アロンソはパンクしたようで、ピットに戻ることを余儀なくされた。リプレイによると、フライングラップで縁石をわずかに乗り越えたように見えたアルピーヌと、ターン3進入で遅れていたアストンマーティンが接触しており、オコンはチーム無線で怒りをあらわにした。
このアクシデントはスチュワードに指摘され、すぐにSQ1は再開されないことが確定した。
サインツはノリスとハミルトンを抑えてトップでセッションを終えたが、オコンにはさらなるトラブルが発生し、16番手で予選を終えることになった。
SQ1ではオコン、ストロール、周、アルボン、サージェントが敗退。
【SQ2】
・ノリスがディレイセッションでペースアップ
オコンの大クラッシュを受けてバリアの修復作業が行われたため、SQ2の開始が遅れ、アストンマーティンはアロンソのマシンを修復する機会を得た。
シュートアウトは結局、現地時間11時40分に続行され、10分を経過してSQ2が開始された。SQ1と同様、フェルスタッペンが最初にコースイン。
アストンマーティンのメカニックがアロンソのマシンを修理していたが、アロンソはこのセッションに参加しないようだ。一方、残りのドライバーの大半は最初の周回を重ね、フェルスタッペンが1分11秒449を記録して再びペースを上げた。
ヒュルケンベルグとマグヌッセンが5番手と7番手につけ、メルセデス勢を9番手と10番手にする。その後、SQ2の終盤になると、多くのマシンがユーズドのミディアムタイヤを履いてコースに復帰。
リカルドが2番手、角田が7番手に浮上。リカルドが2番手に上がり、角田は7番手に浮上した。タイムシートのトップに立ったノリスも含め、他のドライバーが先行したため角田は順位を下げたが、それでも角田は10番手をキープ。
その結果、マグヌッセンが11番手、ヒュルケンベルグが12番手、ガスリーが13番手、ボッタスが14番手となった。アロンソは復帰せず、スプリントグリッドは15番手となった。
【SQ3】
・ノリスがレッドブルを抑えてポールポジションを獲得。
ここまで波乱に満ちたセッションが終わり、8分間のトップ10決定戦がスタートした。ペレス、サインツ、ピアストリといった一部のドライバーは、金曜の予選で使用したソフトタイヤでセッションに臨んだ。
残り時間が4分を切ると、ようやく動きが出てきた。
ピアストリが1分11秒189を記録。2番手にはフェルスタッペンがつけ、角田は3番手につける。
他の周回も重なっていたが、ノリスは100分の6秒差でフェルスタッペンを抑えてスプリントのポールポジションをキープ。3番手にはペレス、4番手にはラッセル、5番手にはハミルトンが続いた。
スプリントグリッドは6番手から角田がスタートし、ルクレールが7番手、リカルドが8番手につけた。トップ10にはサインツとピアストリが入った。
セッション終了後、アロンソとオコンのほか、ノリスと角田がレースディレクターの指示に従わなかったとしてスチュワードに呼び出されたことが明らかになった。
【コメント】
「素晴らしい1日だった。でも正直なところ、これまでで最悪のラップだと感じていたから驚きだ。でも久しぶりのポールだからうれしい。ペースはずっと良かったし、マシンも好調だった。レッドブルはいつも速いし、マックスはとても速いから、僕も全力を尽くすよ。」
【スプリントレース】
ブラジルGPのスプリントレースでマックス・フェルスタッペンがランド・ノリスから1位を奪って優勝した。
ノリスがプレッシャーをかける場面もあったが、フェルスタッペンはほぼ独走を続けた。
スプリント・フォーマットではタイヤを自由に選択できるため、ほとんどがソフトタイヤでレースをスタート。ノリスは好スタートを切ったが、すぐにフェルスタッペンがターン1でトップに浮上。ラッセルがペレスから3番手を奪い、ペレスとのバトルにハミルトンがいち早く加わった。
さらに後方では、角田裕毅とダニエル・リカルドのアルファタウリ勢がフェラーリ勢に敗れ、オスカー・ピアストリもコースアウト。
4周目、ペレスはターン1でハミルトンを抜き返した。
【2023年ブラジルGPスプリント 結果・順位】
順位 | No | ドライバー | チーム |
---|---|---|---|
1 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル |
2 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン |
3 | 11 | セルジオ・ペレス | レッドブル |
4 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス |
5 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ |
6 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ |
7 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス |
8 | 55 | カルロス・サインツ | フェラーリ |
9 | 3 | ダニエル・リカルド | アルファタウリ |
10 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン |
11 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン |
12 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン |
13 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ |
14 | 31 | エステバン・オコン | アルピーヌ |
15 | 23 | アレクサンダー・アルボン | ウィリアムズ |
16 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース |
17 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ |
18 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ハース |
19 | 77 | バルテリ・ボッタス | アルファロメオ |
20 | 2 | ローガン・サージェント | ウィリアムズ |
ノリスがDRSを利用して2番手に上がり、ラッセルもさらに順位を落とした。一方、フェルナンド・アロンソはスプリント・シュートアウトでエステバン・オコンと接触して15番グリッドとなったが、ケビン・マグヌッセンをオーバーテイクして12番手に浮上。
7周目にはフェルスタッペン、ノリス、ラッセル、ペレスのトップ4がわずかに抜け出したかに見えたが、さらに後方ではDRSトレインが形成され始めていた。ペレスがラッセルに迫り、メルセデスにトラブルが続く。
10周目にはペレスがオーバーテイクを成功させ、リカルドはサインツと8番手争いを展開していた。
上位ではノリスがフェルスタッペンとの差を縮め続け、13周目には1.3秒差まで詰め寄った。アストンマーティン勢も上位に食い込む。ランス・ストロールがオコンをパスして13番手に浮上し、アロンソはピエール・ガスリーをパスして11番手に浮上した。
リカルドはピアストリにポジションを奪われ、アロンソはその後方でガスリーと激しいバトルを繰り広げた。
レースは17周目に入り、フェルスタッペンとノリスは2秒弱のギャップを保ちながらも、それぞれのレースを展開しているように見えた。一方、11番手と12番手グリッドからスタートしたハース勢は16番手と17番手に後退。
アルピーヌ勢も苦戦を強いられているようで、ストロールはガスリーのタイヤトラブルに乗じて12番手を獲得した。その直後、9番手のピアストリがリカルド、アロンソ、そしてストロールを追う。
残り4周となったところで、リカルドがターン1でピアストリをパスしようとしたが、マクラーレンはポジションをキープ。前方ではルクレールがハミルトンに迫り、ターン1で5番手に浮上。その後、角田も追従を試みるが、2台はストレートでドラッグレースを展開。
その1周後、角田がDRSを使ってハミルトンをオーバーテイクして6番手、リカルドがピアストリをかわして9番手に浮上した。さらにアロンソがピアストリを追いかけて10番手、ニコ・ヒュルケンベルグ、周冠宇、バルテリ・ボッタスの3人が17番手を争っていた。
レース終盤のターン1でアロンソがピアストリに追いついたかに見えたが、ピアストリに抜き返されてしまう。
優勝はフェルスタッペン、2位はノリス、3位にはペレスが入った。
4位にはラッセルが続き、ルクレールは6位の角田をコンマ6秒離した5位でレースを終えた。ハミルトンは7位をキープし、サインツが8位でポイントを獲得した。
リカルドとピアストリがトップ10に入り、アロンソとストロールのアストンマーティン勢が11番手と12番手につけた。13番手と14番手にはガスリーとオコンのアルピーヌ勢が続き、アレックス・アルボンが15番手につけた。
ケビン・マグヌッセンが16番手につけ、周、ニコ・ヒュルケンベルグ、ボッタス、サージェントがそれぞれ17番手から20番手までを占めた。
【関連記事】