リカルド、ストロール、サージェント、マグヌッセンがペナルティを受けた理由
ローガン・サージェント、ランス・ストロール、ケビン・マグヌッセンの3人が巻き込まれた日曜日の中国グランプリで、スチュワードは立て続けに3つのペナルティを科した。
また、ストロールとの接触でリタイアを余儀なくされたダニエル・リカルドにも3グリッド降格が科せられた。
なぜこの4人がルール違反に問われたのか、その理由を説明する。
サージェントはなぜペナルティを受けたのか？
セーフティカー中、ニコ・ヒュルケンベルグはピットからターン1に向かうレーシングライン上にいたローガン・サージェントとほぼ横並びで出てきた。
ターン1への進入で勢いを増したサージェントがアウト側に回り込み、ポジションを奪った。
リプレイによると、どちらが先にセーフティカーラインを通過したかは非常に拮抗していたが、スチュワードが確認したところ、ヒュルケンベルグがわずかにウィリアムズを上回っていた。
つまり、サージェントはセーフティカーの状況下でライバルのハースを追い越したことになり、これはスポーツ規則第55条8項に違反する。
その結果、サージェントには10秒のタイムペナルティが科せられ、さらにスーパーライセンスの2ポイントが加算された。
サージェントのコメントは？
「セーフティカー違反のペナルティは、最終的にはあまり重要ではないんだ」
「僕からすれば、先にラインを越えたと思った。クルマがあんなに違うスピードで走っているときに、どうやって本当の順番を知ることができたのかわからないよ」
ストロールの10秒ペナルティは？
これはもっと明確なものだ。
アストンマーティンのフェルナンド・アロンソがヘアピンへのアプローチでロックしてしまったのだ。
アロンソを避けるためにジョージ・ラッセルがブレーキング。オスカー・ピアストリはラッセルを避けるためにブレーキングし、リカルドもピアストリを避けるためにブレーキングした。
それによりストロールがリカルドに追突。
その結果、リカルドはリタイアを余儀なくされるほどのダメージを負った。
では、ドライバーたちのコメントは？
ストロールは次のように語った。
「集団の先頭で誰かがブレーキをかけた。そしてみんな止まった。僕の前のクルマは時速60キロからゼロになった」
「リカルドにぶつかってしまったからペナルティを受けた。でもスチュワードにはもう少し配慮してもらいたかったよ」
リカルド次のように語った。
「リスタート前は先頭が何をするかわからない。だから用心深く、どんな状況にも対応できるように準備しなければならない」
「彼が僕に激しくぶつかり、彼のマシンの半分が僕のマシンの下敷きになった。あれは小さな判断ミスで起こるものではない。だから、僕にとっては、あの状況は言い訳にはならない」
「オンボードを見たが、彼は僕を見ていない。コーナーの先を見ている。なぜ彼は僕を見ていなかったのかわからないよ」
スチュワードの判断の理由は？
スチュワードはビデオ、タイミング、マーシャリングシステムのデータを見て、ストロールが悪いと判断。
彼に10秒のペナルティと2ペナルティポイント（12カ月間の合計で7ポイント）を与えた。
スチュワードは、ストロールが「前走車、特に3号車（リカルド）のペースを予測すべきであり、それに応じてブレーキをかける準備をすべきだった」と述べた。
「そうしていれば衝突は避けられただろう。それゆえ（ストロールは）、最終的に（リカルドが）レースをリタイアしなければならなくなった衝突の主な責任を負うことになった」
他にペナルティを受けたのは？
ケビン・マグヌッセンだ。ハースのケビン・マグヌッセンは角田裕毅と接触し、10秒のタイムペナルティを受けた。
ターン6に進入した際、スチュワードはマグヌッセンがコーナー立ち上がりで「遅めのブレーキングをして角田と衝突した」と判断。
では、なぜリカルドにペナルティが科せられたのか？
ストロールの件ではリカルドに過失はないと判断されたものの、セーフティカーの状況下でヒュルケンベルグをオーバーテイクしたことで、リカルドは次戦マイアミグランプリで3グリッド降格のペナルティを科された。
スチュワードとのヒアリングでリカルドは、ヒュルケンベルグが28周目にセーフティカー先導のもとでオーバーテイクしたことがあるため、自分もオーバーテイクできると信じていたと主張。
だがスチュワードはリカルドがヒュルケンベルグをオーバーテイクしたことに”正当な根拠はない”とした。
リカルドには10秒加算のタイムペナルティが科せられたが、中国グランプリでリタイアしたため、代わりに次戦マイアミグランプリでのグリッドペナルティが科せられた。
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