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サー・ジャッキー・スチュワート、60年の時を経て富士に

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sir jackie stewart

9月25日、モータースポーツ史上最も偉大なドライバーの一人である3度のF1世界王者サー・ジャッキー・スチュワートが、1966年に歴史的勝利を飾ったサーキットへと戻ってくる。たった一晩、そして彼にとって人生最大の「もう一つのレース」のために。

1966年秋。F1参戦フル初年度を迎えた27歳のスコットランド人青年、サー・ジャッキー・スチュワートが、日本で行われるあるレースのために海を渡った。モータースポーツファン以外にはほとんど記憶されていない「富士200マイル」。開業してまだ数か月の富士スピードウェイで、USAC(全米自動車競技協会)ルールに則って行われたエキシビションレースだ。彼が駆ったのはローラT90。数か月前のインディアナポリス500でトップを走り、その年のルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いたのと同じマシンだった。

彼はこのレースを制した。

あれから60年。3度のF1世界王者に輝いたサー・ジャッキー・スチュワートが、再び富士スピードウェイの地に降り立つ。FIA世界耐久選手権「富士6時間」の決勝日、彼はグリッドの前に立ち、世界最速のスポーツカー群にグリーンフラッグを振り下ろす予定だ。

そして、この二つの節目の間にもう一つ、特別な夜が用意されている。2026年9月25日(金)、富士スピードウェイホテルの宴会場で、株式会社ハーシー・シガ・グローバルが「Race Against Dementia(RAD)」のためのチャリティガラディナーを開催する。この慈善団体はサー・ジャッキー自らが立ち上げたもので、今の彼にとってはどんな世界タイトルよりも重い意味を持つ活動だ。

絶対に負けられないレース

サー・ジャッキーはこれまで何度も、はっきりとこう語ってきた。人生でもっとも重要なレースは、自分がハンドルを握ったものではない、と。

2015年、60年以上連れ添った妻ヘレンが認知症と診断された。ヘレンは、現役時代を通じてピットウォールから彼のラップタイムを手計測し続けてきた人だ。医師からは「治療法はない」「できることはほとんどない」と告げられた。モータースポーツ界が安全対策に見向きもしなかった時代に、10年がかりでその意識を変えさせてきた男にとって、その答えを黙って受け入れることはできなかった。

だから彼は、いつも通りのやり方で動いた。全速力で、その課題に挑んだのだ。

Race Against Dementia(RAD)が掲げるのは、F1の技術や問題解決の手法を認知症研究に持ち込むという発想だ。スピード感、緻密さ、「不可能などない」という信念、従来の助成制度では型破りすぎる、あるいは早すぎると判断されがちな若手研究者たちを支援し、レースチームさながらのスピードと連携で、許可を待たずに前へ進むことを後押しする。

2016年の設立からこれまでに、投じた資金は2000万ポンド超。支援した研究者は88人、後押ししたプロジェクトは5大陸で50件以上にのぼる。

彼らが向き合っている課題の大きさは、簡単には想像がつかない。世界で認知症とともに生きる人は現在およそ5,500万人。2050年にはこれが1億5,200万人に達すると見込まれている。日本だけでも推計460万人が影響を受けており、この数字は今後30年の日本社会を、どんな経済政策にも劣らぬほど大きく左右していくだろう。

このまま状況が変わらなければ、今生まれてくる子どもの3人に1人が、いずれ認知症とともに人生を終えることになる。

当日の内容

会場は、WECレースウィーク初日の夜、富士スピードウェイホテルの宴会場「THE CIRCUIT」。ガラス越しにピットストレートを望むことができる、この日限りの特別な空間だ。

規模はあえて絞られている。テーブル22卓、招待客176名。集まるのは、国際耐久レース界のチーム代表やドライバーたち、日本のビジネス界の要人や東京の外交関係者、Race Against Dementia(RAD)の英国からの理事陣、そしてサー・ジャッキーの家族、団体の理事長を務める息子マークの姿もある。

ディナーとともに進行するプログラムでは、60年の節目を振り返るトリビュート、市場にはまず出回らない品々を集めたチャリティーオークション、そして富士山を望みながらの日本音楽の演奏が予定されている。

オークションの出品物は、富士に参戦するチームとの調整を経て順次確定していく予定だが、サー・ジャッキー本人のサイン入りタータンチェックヘルメット、ル・マンで実戦使用されたボディワーク、そしてMSCクルーズが提供する横浜発のクルーズ旅行などがすでに決まっている。詳細は今後数週間かけて発表される見込みだ。

オークションの収益は、全額Race Against Dementia(RAD)に寄付される。

なぜ、この夜が特別なのか

東京でチャリティディナーが開かれること自体は珍しくない。だが、この夜だけは二度と再現できない。

サー・ジャッキー・スチュワートは今87歳。1966年の勝利から60年という節目は、一度きりしか訪れない。モータースポーツのあり方を根底から変えた男が、今まさに戦っている「もう一つのレース」について語る。その場に176人の一人として居合わせる機会は、来年また巡ってくるものではないのだ。

テーブルを確保する企業や個人にとって、この夜は特別な意味を持つ。世界選手権レースの前夜、国際モータースポーツ界の面々とともに食卓を囲みながら、やがて日本のほとんどすべての家庭に関わってくるであろう研究を支援する。そんな一夜になる。

サー・ジャッキーにとっては、60年という歳月、ひとつのサーキット、そして今なお勝ち取れていない、もうひとつのレースの物語である。

■参加およびスポンサーシップについて

2026年9月25日(金)開催のガラディナーはテーブル単位での参加を基本とし、テーブルスポンサーや個人席、パートナーシップについての問い合わせを受け付けている。

企業スポンサーシップの問い合わせ、および個人席の希望は、RAD Japan 2026の特設ページ、またはcharity@herseyshiga.comまで直接お問い合わせください。

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