FIA、コックピットの空気取り入れ口に関するレギュレーション改定でカタールで起きた熱中症の問題に対処
F1の2024年技術規則草案の修正案で、FIAは今年カタールでドライバー達が直面した放熱性の問題の解決を目指している。
熱中症のドライバーが続出したカタールGP
レース後、何人かのドライバーは熱中症のため医療措置を受ける必要があり、ウィリアムズのローガン・サージェントは熱射病によりリタイアを余儀なくされた。
当時、カタールの気候は異例なほど過酷であったものの、FIAは再発を回避するため迅速に解決策を見つけることを約束した。レース週末は2024年のカレンダーでは10月上旬からより涼しい11月末へと変更された。
コックピットの冷却のために吸気口を追加
さらに、コックピットの冷却を改善するため、チームは来季からシャシー上部に空気の取り入れ口を追加する可能性がある。この新しいドライバー冷却用スクープは、ノーズ先端に配置可能なインレットと同様、空力的な利点を排除するために寸法が制限される。
このスクープはチームにとっては選択肢の一つであり、極端なコンディションのみでの使用に制限されるものではないこと考えれば、シーズンにわたってノーズチップインレットではなくこのスクープを使用することも可能だ。
その両方を組み合わせたり、サーキットによってドライバーの冷却性能と空力性能のどちらを優先するかを選択することもできる。
直近で最後にシャシー上部にドライバー冷却用のスクープを使用したのは2014年のメルセデスで、当時はレギュレーションで認められていたため、バニティパネルに小さなスクープが採用されることもあった。
興味深いことに、カタールGPではオプションのノーズ先端のドライバー冷却用インレットを設けなかったチームもあり、必要に迫られた際に使用できるよう、各チームにこれらの設計を義務付けるべきかという問題も生じている。
フロアに関するレギュレーション改定
また、マシンのフロアにおける金属の使用についても制限が加えられ、フロアボディ、エッジウイング、フェンスの外側の境界線に部品やインサートを使用することが認められなくなった。これに関する例外には、フロアとエッジウィングの間に認められるブラケットやファスナーの使用と、摩耗によって車高が規定より下がりすぎるのを防ぐために使用される金属部品がある。
この変更は、各チームがマシンの湾曲をコントロールし、空力的に有利になるための手段として、金属製の部品やインサートを使用していた可能性を示唆しているが、アクシデントの際にデブリ散乱する懸念もある。
もうひとつ、小さいながらも意味のある改正が行われ、フロントウイングのフラップがレギュレーションで定められた40mm以上に調整されないように物理的なストッパーを追加することがチームに義務づけられる。この微調整は、マシンが動いているときにフラップが静止状態でのテストの範囲を超えて過度に寝ることを防ぐメカニズムとして導入されたものと見られる。
【関連記事】
- 【数字で見る】フェルスタッペンと他のF1ドライバーとの比較 – Shiga Sports Japan
- ハミルトン、メルセデスW14を初めてドライブした瞬間を回想 (shigasports.com)
- リアム・ローソン、Youtubeデビュー! (shigasports.com)