アルボン、F1規則変更を評価も警鐘「すべての問題は解決しない」
F1は4月のインターバル期間を利用して、2026年レギュレーションの見直しを実施した。これは日本GPで発生したオリバー・ベアマンのクラッシュを受けて行われたものであり、安全面の改善を求めてきたドライバーたちにとって、大きな動きとなった。ウィリアムズのアレックス・アルボンは、この変更を前向きに評価しつつも、課題はなお残ると指摘している。
新レギュレーションは、F1に新たな時代をもたらした。開幕からの3戦ではオーバーテイク増加という成果も見られたが、一方で新しいマシンとパワーユニットの特性には賛否が分かれている。ファンの中には、ボタン操作によって追い抜きが容易になり、レースが人工的に見えるとの声もある。
ドライバー側からも不満は出ている。従来のように限界まで攻めるだけでなく、複雑なエネルギーマネジメントが求められるためだ。さらに、大きな速度差が危険な場面を生む要因にもなっている。鈴鹿でのベアマンの事故は、その象徴的な事例となった。

ベアマンはフランコ・コラピントをオーバーテイクしようとした際にコース外へ飛び出し、バリアに激突。打撲で済んだものの、衝撃は50Gに達し、300km/h超でのクラッシュという深刻な事故だった。
これを受け、FIAはルールの再検討を実施。速度差の縮小を目的とした複数の変更を行い、マイアミGPから新レギュレーションを導入する予定だ。
「予選でアクセルを全開にできない」というドライバーの批判に対しては、いわゆるスーパークリッピング対策として最大エネルギー回生量を7MJに制限。さらに、充電効率向上のため、最大スーパークリッピング出力は350kWへ引き上げられた。スーパークリッピングとは、MGU-Kが全開走行中に回生モードへ切り替わり、余剰エネルギーを回収する現象を指す。
アルボンはファンコードが主催したイベントで、これらの変更について次のように語った。
「確かにポジティブな変更だし、間違いなく正しい方向へ進んでいる」
しかし、同時に慎重な見方も示した。
「これですべての問題が解決するかと言えば、おそらくそうではない」
さらに、現在のF1が従来の“純粋なレーシング”から変わりつつあるとも指摘した。
「スポーツを維持するという点で、正しい道を選んでいるとは思う。ただ、カート時代から僕たちがやってきたのは、できる限り速く走ることだった。今年は明らかにそれが変わっている。アクセルから足を離した方が速い場面が多い。その点では、純粋なレーシングから少し遠ざかった」
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