【オーストリアGP予選】ルクレール、大逆転のフロントロー獲得に歓喜-ラッセルの“黄旗裁定”にも大人の対応
オーストリアGPの最終盤にマックス・フェルスタッペンがクラッシュしたことで、後続のライバルたちがセクター3での減速を余儀なくされ、自己ベスト更新を諦めるなか、フェラーリのシャルル・ルクレールは1分06秒349をマーク。タイムシートの最上段に躍り出た。ガレージのメカニックたちがポールポジションを確信してハイタッチを交わした。
しかし、その直後、セッション最後のチェッカーを受けたジョージ・ラッセルのタイムが、1分06秒113を表示。ルクレールを0.236秒上回り、トップを強奪したのだ。
パドックのジャーナリストや専門家たちは騒然となった。なぜなら、フェルスタッペンのクラッシュによってコース上には「ダブルイエロー(黄色旗2本)」が提示されており、その区間を通過したラッセルのタイムは当然抹消されるべきだと考えられたからだ。
スチュワードはラッセルが黄旗を無視した疑いがあるとして記録を残したものの、最終的に「詳細な調査は行わない」と決定。ラッセルのタイムは正式に有効と認められ、ルクレールの2番手が確定した。
ルクレール「僕のラップは保守的だった。 ラッセルが勝って当然さ」
この物議を醸した裁定とポールの剥奪について、コックピットを降りたルクレールは取り乱すことなく、極めてスマートかつスポーツマンシップに溢れた態度で振り返った。
「正直に言うと、僕のあのアタックラップはそれほど特別なものじゃなかったんだ。とにかくミスをせず、クリーンに予選をまとめることだけを考えて走っていた。
そういう心理状態のときは、ドライビングどうしても少し保守的になってしまうものさ。だから、仮に黄旗の混乱がなかったとしても、純粋な速さでジョージは僕を負かしていただろうね。だから結果に不満はないよ」
初日の「絶望」から大逆転!フェラーリのアップデートが底力を発揮
何よりルクレールをハッピーにさせているのは、初日のフリー走行で「ストレートもコーナーも遅く、今週末は絶望的だ」と自ら吐き捨てていた状態からの、チームの驚異的なカムバックだ。
「マクラーレンの2台よりも前のグリッドを獲れるなんて、まったく予想していなかった。それどころか、圧倒的だったメルセデスに約0.2秒差まで近づけるとも思っていなかったんだ。僕たちにとっては、本当に嬉しいサプライズだよ」
前戦バルセロナ、そしてこのスピルバーグと、フェラーリはSF26に高負荷コンディション向けの重要なアップデートを連続して投入してきた。初日はそのセットアップ構築に手こずったものの、予選までに完璧にアジャストしてみせたエンジニア陣を、ルクレールは誇らしげに称賛した。
「チームはバルセロナ、そして今週末に向けて、アップグレードを機能させるために文字通り途方もないハードワークをこなしてくれた。それが今、最高の形で報われ始めている。予選が始まるまでは、まさかフロントローからスタートできるなんて夢にも思っていなかったからね。
レースペースに関しても、初日から確実に一歩前進できている手応えがある。決勝でメルセデスにプレッシャーをかけ続けられるだけの武器があるかはまだ分からないし、正直メルセデスの優位性を考えると少し難しいかもしれない。だけど、僕たちは最初からフルスロットルで攻めていくよ」
予選5番手に沈んだ王者フェルスタッペン、そして牙を研ぐマクラーレン勢を背後に従え、2番手という絶好のポジションからスタートするルクレール。復活を遂げた跳ね馬が、酷暑の決勝レースでメルセデスの連勝を阻止する刺客となるか、大きな注目が集まります。
【関連記事】
