【シガスポーツ独占インタビュー!】ニコ・ヒュルケンベルグとの対談全容
2024年5月23日木曜日。モナコグランプリ期間中、シガスポーツは、ハースのホスピタリティでニコ・ヒュルケンベルグの独占インタビューを行う機会を得た。彼は、昨シーズンの苦戦の後、今シーズンのハースの予想外に強いパフォーマンスに驚きと満足感を表明した。ヒュルケンベルグは、競争力を維持するために継続的なアップグレードの必要性について語り、将来を見据えている。彼はより上位のライバルに挑戦したいと考えており、アウディとの将来は有望だと捉えているようだ。
Q:難しい冬を過ごしたハースにとって、中団チームのトップで戦えているのは驚きですか?もっと難しいスタートを予想していましたのでしょうか?
「予想とは全く違ったよ。僕たちは、こんなにポジティブで大きな転換を期待していなかったと思う。去年の結果を考えると、何もポジティブなことは期待できなかった」
「特にレースでは少し痛い目に合っていた。そのため、期待値とターゲットを下げたんだ。そして、シーズンが始まり、マシンを動かし始めたとき、チームのみんな、エンジニア、デザイナー、チームのみんなの仕事に驚かされた。僕たちが思っていたよりも良いパッケージがあった。いい驚きだった」
Q:シーズン開始以来、4回のQ3進出、いくつかの安定したレースをしたと思いますが、わずか数ポイントのためにこれほどの努力を注ぐのはかなりフラストレーションがたまるのではないですか?
「そうかもしれないね…これは僕も時々感じることだ」
「多くのドライバーとチームが同じ状況にある。ポイントは上位10位までにしか与えられない。だから時には1ポイントか2ポイントしか得られない。僕たちはこの結果を出すために多くの時間、エネルギー、お金、リソースを費やしている。1ポイントか2ポイントしか得られないとしても、何もないよりはましだ。僕たちにとっては大きな価値があるものだ」
Q:現在のポイントシステムの改革についてどう思いますか?
「現在のポイントシステムを再編成し、見直すことは良いことだと思うよ」
Q:ハースは、中団チームのトップに立ちつつあるVCARBに対抗するために、アップグレードのペースを維持できるでしょうか?
「昨年よりも良い位置にいると感じている。それが目的であり、目標だ。今は推測するしかないけど、アップグレードがうまくいかず、あまり進歩を感じられなかった昨年よりも、良い位置にいると思う」
「チーム内では多くの人事、内部構造、コミュニケーションが変更された。今年の変更について、僕は望みを感じる」
「だから今年はこのペースが維持できることを願っている」
「数ヶ月ごとにアップグレードを行わなければならない。風洞やCFDでパフォーマンスを見つける必要がある。何も見つからなければ、何かをする意味はない」
Q:シーズン終了時の目標は何ですか?
「裕毅(角田)やダニエル(リカルド)のようなライバルに挑戦できればと思っている。簡単ではない。それは大きな挑戦だ。だが、それは素晴らしいものになるだろうね。昨年の結果を考えると、コンストラクターズ6位になることが出来れば、チームとしてすごい回復だ。僕がここを去る前の最後の願いだよ」
Q:あなたのF1での将来は今後数年間、決まっていますね。将来が見えているときのレースはより快適ですか?
「間違いなく非常に快適でポジティブだ。僕にとってはかなり珍しいことだよ。通常、シーズンの後半になるまで、自分に何が起こるのかわからないからね。僕はそのことに感謝しているし、今とても幸せだ。集中することができる。本当に感謝しているよ」
Q:2015年にルマンで一緒に優勝したアンドレアス・ザイドルは、あなたの移籍に重要な役割を果たしましたか?
「アンドレアスはアウディの人間で、彼はそのチームを率いている。もちろん、アンドレアスがその関係を作ってくれた。どこかで一緒に仕事をしたことがあり、昔から知っている人がいると、物事がスムーズに進む。でも、僕がアウディに行くのは、彼のためではない。アンドレアス・ザイドルを含むチームのためだ」
Q:全く違うザウバーチームに戻る準備はできていますか?
「そう願っている。少し変わっていることを期待しているよ」
「アウディが何をしているのかはわかっている。彼らは施設やインフラ、リソースに投資し、チームを拡大し、人材を採用している。僕は10年前の2013年にそこにいた。10年たったし、少し変化があるはずだ」
Q:とてもエキサイティングな挑戦ですが、勝つまでには時間がかかるかもしれません。忍耐力が試されるでしょうか?
「F1ドライバーに我慢強さはないね!僕たちはいつも全てを今日手にしたいんだ。このビジネスでは、時には情熱が無理やり押し付けられることがある」
「僕にとって、それは2026年の規則変更に関わることで、それは非常に良い機会だと思う」
「ある種のリセットボタンのようなものだ。空力面でもパワートレーン面でも、マシンは完全に新しくなる。そこがとてもおもしろいところだ。はるかに公平なバトルの場を提供してくれることになる」
「新しいメーカーにとっては、非常に価値があり、タイミングも非常に良い。スタートして競争力を付けるための最高の機会を与えてくれる。彼らには非常に長いリードタイムがあった。2026年までに4年間もね。後は関係者次第で成功するかどうかが決まる」
Q:将来のチームメイトについては多くの噂があります。あなたにとってチームメイトは重要ですか?
「来年のチームメイト?僕は誰とでもうまくやっていけると思う。僕は気さくな人間だ」
「好みはないし、今すぐ知る必要もないよ。僕の決定することではないからね。だから、チームメイトが誰になるかについては、とてもリラックスしている」
以上が、ニコ・ヒュルケンベルグ氏へのインタビューの日本語訳となる。
自身のキャリアや考え方、今シーズンのハースの好調についてなど、多くのことを語ってくれたヒュルケンベルグの、更なる活躍にも期待したい。
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