【シガスポーツ独占インタビュー!】RBチーム代表、ローラン・メキースとの対談全容

ローラン・メキースは現在、Visa Cash App RB Formula One Teamのチーム代表を務めている。

1977年にフランスのトゥールで生まれたローラン・メキース。
反対の忠告があったにもかかわらず、1988年に父親とフランスグランプリに参加したことをきっかけに、モータースポーツの世界に足を踏み入れることを決意した。
パリのESTACAで機械工学を学び、ラフバラー大学で腕を磨き、2000年にインターンシップでF1の世界に飛び込んだ。

その後、アジアテックミナルディでキャリアを重ね、チーフエンジニアを経て、後に車両パフォーマンスを管理するまでになった。
2014年にFIAに加入し、セーフティディレクターおよびF1副レースディレクターを務めた後、2018年にスクーデリア・フェラーリのスポーティングディレクターに転身。
2021年にはレーシングディレクターに就任した。
現在はVisa Cash App RBのチーム代表としてファエンツァに戻り、旧知の仲間と再会し、新旧のドライバーと親交を深めている。

日本グランプリの期間中、シガスポーツはVisa Cash App RBのホスピタリティでローラン・メキース氏とリラックスした雰囲気で話す機会を得た。
このインタビューでメキース氏は、アジアテック、ルノー、ミナルディでの仕事経験を振り返り、現在のチーム代表としての彼を形作った課題と教訓を強調している。

彼は現在のチームの目標について、パフォーマンス向上のための明確なビジョンを明かした。
経営体制、ホンダとのパートナーシップ、角田裕毅リアム・ローソンなどのドライバーの有望なパフォーマンスにも触れ、チームワーク、育成、将来の野望に焦点を当てた。

RBのチーム代表:ローラン・メキース

Q:アジアテック、ルノー、ミナルディの頃を懐かしく思いますか?
「もちろんです!とても特別でクレイジーな時代でした」

「とても小さなチームで、みんなが何でもやっていました。私たち全員にとって、仕事と人生の教訓でした。そして確実に、私たちがスポーツにアプローチする方法に大きな影響を与えてくれました。そんな小さなチームで、生き残るために情熱を注いでいました」

Q: その時代の最高の思い出は何ですか?
「スポーツの観点からは、マーク・ウェバーが初レースのオーストラリアで5位になったときです」

「当時、オーストラリア人のオーナー、ポール・ストッダートがいました。彼はとても喜んで表彰台に上がりました…。たぶん、チームにシャンパンがなかったので、他のチームからシャンパンを借りなければならなかったはずです」

Q: 初めてのF1レースについて教えてください。
「2001年のメルボルンですかね。このような仕事をしていないと、オーストラリアに行くだけでも信じられないことです」

「F1チームと一緒にオーストラリアに行って、憧れの人たちやテレビで見ていた人たちに会えるなんて……まるで夢のようでしたよ。そんな人たちとエレベーターでバッタリ会ったりするなんて…」

Q: 仕事の経験について詳しく教えてください。
「アローズでした。アジアテックが1月に広告を出していました。私はアジアテックに履歴書を送っていました。その前に1回テストがありました。私はほとんど経験がありませんでした。英語の部分を理解するのがもう大変。とても特殊でテクニカルな内容なんです」

「完全な英語のチームだったので、その部分を理解するのがすでに難しかったです。競争の側面は理解するのが非常に難しいです。それが最初の思い出です。それから、この競技の一員になり、競争の一部になるんです」

Q: 以前働いていたところに戻るのは簡単でしたか?
「確かに助けになっています。助かっているのは間違いありません」

「人間的な面が私たちの仕事で最も重要な側面です。チームの重要な部分と関係があれば、それはとても助けになります」

Q: 目標は何ですか?
「私たちにはかなりの数の目標が与えられており、その目標は非常に明確です。何かを証明することではありません。株主は非常に明確な目標を設定しています」

「彼らはこのチームが、今後数年間で中団チームのトップに立てるような形で変革することを望んでいます。チームを取り巻くアイデンティティが新しくなれば、それが可能になります。そのための近道はありません」

「彼らは私たちに、チームをそこに導くために必要なことをするよう求めているんです。これが私たちのやっていることです。チームを以前よりも高いレベルで戦わせるために、さまざまな分野で何が欠けているのかを分析し、リストアップしているところです」

リラックスした様子でインタビューに答えたローラン・メキース

Q: 経営には二重の機能があります。ピーター・バイエル氏とあなたは経営責任を共有しています。このような体制は複雑なのでしょうか、それとも有益なのでしょうか?集中できますか?
「とても役に立っています。私たちのチームは独特な体制になっています。しかし、私たちのパラメーターは大きく異なります」

「チーム代表とCEOが同じレベルにいるのは、このチームだけです。ピーターは会社のビジネスとマーケティング、財務を担当しています。私は会社のスポーツ面と技術面を担当しています。そして一緒にブレインストーミングをします」

「私たち2人だけでなく、戦略的な問題については、チームの責任者、経営チームとも行います。効率的で新しい現代的な体制です。私たちはあえて異なる体制をとっています。ピーターとは毎日話をしていますよ」

Q: あなたの優先事項は何ですか?フェラーリとVisa Cash App RB F1チームを比較できますか?
「比較するのは間違っています。ギャップを理解し、中団のトップに立てるチームを確保するためにギャップを埋める方法を理解する必要があります」

Q: ホンダとはどのように連携していますか?
「信じられないような素晴らしいパートナーです。このチームとホンダの物語はとてもユニークで、このパートナーはここから始まったんです。」

「現在、私たちはホンダと非常に恵まれた関係を築いています。彼らと毎日最高のレベルで楽しんでいますし、チームを次のレベルに引き上げたいという同じ願望を持っています」

Q: フェラーリにいた時よりも、今のほうが自由度がありますか?
「そうだと思います。それは新しいプロジェクトを持つことの一部だからです。私たちはそれを新しいチームと呼んでいます。それには自由が伴います。これはそのプロジェクトの一部なんです」

Q: フェラーリを離れた理由の1つは、自由とアイデアを試し、多くの管理を経験するためでしたか?
「フェラーリではそこまでひどくありません!フェラーリはほとんどのファンの夢です。信じられないような素晴らしい会社であり、家族です。そこで出会った人々とフェラーリプロジェクトの一員であったことに、私は永遠に感謝するでしょう」

日本GPで三笠宮家の彬子さまがご臨席された際のローラン・メキース

Q: 今シーズン、特に角田裕毅選手について、どのように評価していますか?
「裕毅は今シーズン、非常に力強いパフォーマンスを見せています。そしてチームにポイントをもたらしてくれている。シーズン4年目に、彼はさらなる一歩を踏み出しました」

「私はこれまでに何度も、裕毅はF1の世界を驚かせていると言ってきましたし、まだまだレースは残っています。彼にはとても驚かされています。彼がもう一段階踏み出したことは見ていればわかります」

「私たちの仕事は、裕毅に良いパフォーマンスで走るための環境を与えることですが、今シーズンの裕毅の成長ぶりには本当に驚いていますよ」

Q: 岩佐歩夢選手はどうでしょうか?
「日本グランプリでは2人の日本人ドライバー、ホンダ、日本のファンにとって素晴らしい瞬間になるでしょう。とても特別な瞬間になりますね」

「歩夢はすでにアブダビで私たちのために走ってくれています。歩夢はファエンツァとイギリスでかなり多くの開発作業こなしてきました。彼は私たちにとって非常に重要な役割を担っています」

「彼自身の成長のために、バックグラウンドにいることは重要です」

以上が、ローラン・メキース氏へのインタビューの日本語訳となる。
自身のF1キャリアの歩み、現在のVisa Cash App RBチームでの役割と目標、ホンダとの連携、有望なドライバーたちについて詳しく語ってくれたメキース氏。
フェラーリ時代との比較や、経営体制の特徴なども興味深いポイントだった。
今後の日本人ドライバーの更なる活躍にも注目が集まる。

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