【ベルギーGP】FP2結果―アントネッリ最速、2度の赤旗で波乱の初日
伝統のスパ・フランコルシャンで開催されている2026年ベルギーGP。フリー走行2回目(FP2)は2度の赤旗が出る波乱のセッションとなった。トップタイムをマークしたのはメルセデスのキミ・アントネッリ。一方、3番手に沈んだマックス・フェルスタッペンはマシンの不可解な挙動に苦しみ、無線で不満をあらわにした。
FP1からの流れ
アルデンヌの森に位置するスパ・フランコルシャンにおいて、最も予測が難しい要素のひとつが“気まぐれな夏の天候”だ。この日もFP2開始の約2時間前には激しい雨が降ったが、セッション開始時には路面は完全にドライへと回復。太陽ものぞき、降水確率は10%まで低下していた。
FP1では、スパで3勝を誇るレッドブルのフェルスタッペンがトップタイムを記録。多くの“オレンジアーミー”が、FP2でもその勢いが続くか注目していた。
元F1ドライバーで『Sky Deutschland』の解説を務めるティモ・グロックは、次のように分析する。
「マックスは非常にいい形で週末をスタートさせた。特にテクニカルなセクター2での速さが際立っている。レッドブルはここでタイムを稼ぐためにダウンフォースを多めに設定している可能性が高いだろう。その代わり、高速区間であるセクター1とセクター3で多少の最高速を犠牲にするリスクを負っている」
FP2が始まると、マクラーレンのオスカー・ピアストリは油圧系トラブルの調査のため、セッション序盤はガレージ内での待機を余儀なくされた。また、レッドブルのアイザック・ハジャーは、コースイン直後に「バイザーの選択を間違えた」と無線で訴え、すぐにピットへ戻る場面も見られた。
車高低下によるボトミングとフェルスタッペンの怒り
ルイス・ハミルトンはコントロールライン手前の最終コーナーでミスを犯し、ミディアムタイヤでの最初のランを9番手で終える。この時点での順位は、アントネッリ、ハジャー、フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、ランド・ノリス、ジョージ・ラッセル、アービッド・リンドブラッド、ガブリエル・ボルトレート、そしてハミルトンという並びだった。
FP1以上に目立ったのは、各マシンが激しくボトミングを起こし、フロアから盛んに火花を散らしていたことだ。各チームがFP2に向けて車高をさらに下げたことがうかがえた。
開始10分、フェルスタッペンが新品のミディアムタイヤでアタックを開始。セクター1で全体ベスト、セクター2まで順調にタイムを縮めたものの、最終区間で小さなミスを犯し、ベストタイム更新を逃した。
そしてフェルスタッペンは、スムーズさを欠くギアチェンジにも苛立ちを募らせる。
「シフトチェンジがひどすぎる。クソみたいな動きだ!」
その直後、スタブロットのコーナーでコース上に大量の砂利が飛び散ったため赤旗が提示された。マーシャルによる清掃作業は約6分間に及び、その間もセッションタイマーは止まらなかった。
開始20分時点のトップ10は、アントネッリ、ハジャー、フェルスタッペン、リンドブラッド、ハミルトン、ルクレール、ノリス、ラッセル、ボルトレート、フランコ・コラピント。ニコ・ヒュルケンベルグはこの時点でまだタイムを記録していなかった。一方、トラブル対応を終えたピアストリはようやくコースへと向かった。
ソフトタイヤで勢力図が変化
ハジャーを皮切りに各車がソフトタイヤを投入。フェルスタッペンが一時トップに立つが、直後にアントネッリが約0.5秒上回るタイムを記録し、首位を奪い返す。
他陣営では、バルセロナGP勝者のハミルトンが3番手へ浮上。イギリスGP勝者のルクレールはハジャーに続く5番手につけた。
開始30分、ラッセルもソフトタイヤでアタックを行うが、トップのアントネッリから1.285秒差の7番手にとどまる。ラッセルは無線でこう漏らした。
「リアタイヤが冷えすぎている。でも、この遅れの理由はそれだけじゃない気がする」
その後、ノリスがアントネッリに次ぐ2番手タイムをマーク。この時点のオーダーは、アントネッリ、ノリス、フェルスタッペン、ハミルトン、ハジャー、コラピント、ラッセル、リンドブラッド、ルクレール、ピアストリとなった。なお、ルクレールとピアストリは、この時点でまだソフトタイヤでのアタックを完了していなかった。
昨年のベルギーGP勝者であるピアストリは、このセッションでは本来の速さを発揮できず、ノリスから約0.8秒遅れの6番手。さらに、ソフトタイヤにもかかわらず、中盤のコーナリング区間ではミディアムタイヤ装着時より遅いタイムを記録するなど、不可解なデータも見られた。
ガスリーのクラッシュで2度目の赤旗
残り20分を切ると、大半のドライバーは決勝を見据えたロングランへ移行した。
しかし、セッション終了15分前、アルピーヌのピエール・ガスリーがマシンのコントロールを失いクラッシュ。リアウイングが吹き飛び、右リアホイールも不自然な角度に折れ曲がる大きなダメージを負った。
ガスリーは無線で次のように状況を説明している。
「何の前触れもなく、いきなりマシンのコントロールを失ってしまった」
コース上には大量のデブリが散乱し、マーシャルは清掃作業に加え、破損したバリアの修復と漏れ出たオイル処理にも追われた。
残り2分でセッションは再開されたものの、当然ながらタイムを更新できるドライバーはおらず、各車はスタート練習を行ってFP2を終えた。
FP2総括
ベルギーGP初日はアントネッリが最速で締めくくったが、2度の赤旗によって各チームの走行プログラムは大きく狂わされた。ロングランのデータ収集も十分とは言えず、各陣営とも改善の余地を残したまま初日を終えている。土曜日の予選では、勢力図が大きく入れ替わる可能性もありそうだ。
2026年F1ベルギーGP フリー走行2回目結果
| 順位 | カーナンバー | ドライバー | チーム | タイム | 差 | 周回数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 1:45.944 | 0.000 | 18 |
| 2 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン | 1:46.134 | 0.190 | 18 |
| 3 | 1 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 1:46.416 | 0.472 | 21 |
| 4 | 44 | ルイス・ハミルトン | フェラーリ | 1:46.691 | 0.747 | 16 |
| 5 | 6 | アイザック・ハジャー | レッドブル | 1:46.714 | 0.770 | 20 |
| 6 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | 1:46.926 | 0.982 | 11 |
| 7 | 43 | フランコ・コラピント | アルピーヌ | 1:47.147 | 1.203 | 20 |
| 8 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 1:47.229 | 1.285 | 20 |
| 9 | 41 | アービッド・リンドブラッド | レーシングブルズ | 1:47.294 | 1.350 | 20 |
| 10 | 30 | リアム・ローソン | レーシングブルズ | 1:47.434 | 1.490 | 16 |
| 11 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1:47.468 | 1.524 | 18 |
| 12 | 87 | オリバー・ベアマン | ハース | 1:47.792 | 1.848 | 16 |
| 13 | 5 | ガブリエル・ボルトレート | アウディ | 1:47.952 | 2.008 | 17 |
| 14 | 31 | エステバン・オコン | ハース | 1:47.958 | 2.014 | 19 |
| 15 | 23 | アレックス・アルボン | ウィリアムズ | 1:48.019 | 2.075 | 19 |
| 16 | 55 | カルロス・サインツ | ウィリアムズ | 1:48.256 | 2.312 | 19 |
| 17 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | アウディ | 1:48.333 | 2.389 | 16 |
| 18 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 1:48.955 | 3.011 | 15 |
| 19 | 77 | バルテリ・ボッタス | キャデラック | 1:49.199 | 3.255 | 19 |
| 20 | 11 | セルジオ・ペレス | キャデラック | 1:49.596 | 3.652 | 20 |
| 21 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | 1:51.131 | 5.187 | 17 |
| 22 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 1:51.418 | 5.474 | 19 |
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