【モナコ】ラッセル、怒りと絶望の2戦連続ノーポイント「完全に制御不能なバグ」「ボタンは正しく押した」チームの失策で表彰台から無得点へ沈没
前戦カナダGPをパワーユニットのバッテリートラブルという「不可抗力」で落としたメルセデスのジョージ・ラッセル。モナコGPには、選手権首位を行くチームメイトのキミ・アントネッリとのポイント差を縮めるべく並々ならぬ覚悟で臨んだものの、彼を待っていたのはあまりにも残酷な結末だった。
アントネッリが驚異の5連勝を飾り、かつてのチームメイトであるルイス・ハミルトンが2位でフィニッシュしたことで、ラッセルはノーポイントに終わっただけでなく、ランキング2位の座までハミルトンに明け渡す屈辱を味わった。表彰台から一転、無得点へと叩き落とされたラッセルが、レース後に激しい怒りと困惑をぶちまけた。
「ピットボタンは完璧に押した」ラッセルを襲った謎のバグ
ラッセルが科された1つ目の5秒ペナルティは、ピットレーンでの速度超過によるものだった。しかし、ラッセル自身は手順を完璧にこなしていたと主張し、チームもそれを認めている。
「心がズタズタに引き裂かれているよ。フラストレーションなんて言葉じゃ足りない。今、自分の身に何が起きているのか理解するのすら苦しんでいる状態だ。チームからは、ピットレーンでの僕の操作に一切落ち度はなかったと言われている。ピットに進入する前にリミッターボタンを確実に押し、ラインを抜けてから解除した。それなのに速度超過になったのは、完全にソフトウェア側の問題(バグ)だ」
不可抗力の5秒ペナルティに泣いたラッセルだったが、本当に致命的だったのは、その後にチームが犯した「ペナルティ消化ミス」だった。チームが5秒を正しく消化しないまま彼をコースに送り出したため、FIAはラッセルに対して最悪の厳罰である「ドライブスルー・ペナルティ」を宣告。これで3番手争いから一気に14位まで転落し、彼のモナコは完全に終わった。
「最初の5秒ペナルティだって理想的とは言えなかった。だけど、それをチームが失敗したことで科された2つ目の罰(ドライブスルー)は、犯したミスに対してあまりにも不釣り合いで、重すぎる厳罰だ。僕は3位表彰台から、一瞬にしてゼロポイントへ叩き落とされたんだからね」とラッセルは吐き捨てるように語った。
「自分のミスならまだ諦めがつく」コントロールできない不運への嘆き

2戦連続で不運に見舞われ、タイトル争いで大きく後退したラッセル。しかし、自身のスピードへの自信とモチベーションは未だ失っていない。
「すべてが噛み合えば、自分が常にトップを争える位置にいることは分かっている。今シーズンだって、3回のスプリントのうち2回を制しているし、開幕戦メルボルンや前戦カナダでも、マシントラブルに見舞われるまでは僕がレースをリードしていたんだ。日本GPでもセーフティカーに戦略を台無しにされるまではトップを走っていたし、今日も本来なら確実に表彰台に登れていたはずだ」
「どんなことだって起こり得るし、自信を失ったわけじゃない。確かに土曜日の予選は最悪の一日だったけれど、決勝では表彰台でフィニッシュできるだけの走りをしていた。だからこそ、余計に辛いんだ。もしカナダでのリタイアが、僕が縁石を激しく攻めすぎた結果だとか、今日のピットリミッターのボタンを僕が押し間違えたっていうなら、自分の責任としてまだ受け入れられた。だけど、すべてが自分のコントロールの完全に外側にある問題でこうなってしまうと、本当に飲み込みがたいよ」
隣のガレージでアントネッリが栄光を掴む中、あまりにも対照的な「バグの連鎖」に泣かされたラッセル。メルセデスは早急にこのソフトウェアと運用の致命的バグを修正しなければ、チーム内でのタイトルの均衡は完全に崩壊することになる。
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