【モナコGP 決勝】ノリス、悪夢の2戦連続リタイアに落胆─金曜からのバッテリー問題が再発
前戦カナダGPでのギヤボックストラブルによるリタイアに続き、モナコGPでもランド・ノリス(マクラーレン)を不運が襲った。ノリスはレース後、徐々に悪化していったマシントラブルと、今シーズンの苦しい現状について胸の内を明かしている。
「パワーがない、バッテリーもない」─32周目から始まった悲劇
ノリスの悲劇は、レース中盤32周目から始まっていた。
「エンジンが失速(ミスファイア)している」
無線でそう訴えたノリス。そのわずか2周後、状況はさらに深刻化する。
「パワーが全くない。バッテリーが死んでいるんだ」
マクラーレンのザク・ブラウンCEOも、レース中に「パワーユニット関連の深刻なトラブルの可能性が高い」と認め、ガレージ内には緊張感が漂った。
金曜日のフリー走行の段階でも、ノリスはバッテリートラブルによってヌーベルシケイン手前でマシンを止めていた。チームは対策を施して決勝に臨んだものの、その問題が再び表面化する形となった。
ピアストリを守る“盾”として奮闘、そして無念のリタイア

42周目、チームはノリスに対し、後方から迫るジョージ・ラッセル(メルセデス)を抑え、前方を走るチームメイトのオスカー・ピアストリを守るよう指示を出した。
深刻なトラブルを抱えながらも、ノリスは数周にわたりラッセルを封じ込める執念のディフェンスを披露。しかし、その抵抗も長くは続かなかった。
44周目、モナコで最も高速区間となるトンネル内で、ラッセルがオーバーテイクを成功させる。
「もう無理だ。何かが完全におかしい。バッテリーが一切機能していない」
ノリスは悲痛な無線を送ると、その直後にチームから「今すぐガレージへ戻れ」と指示を受けた。
こうして、ノリスのモナコGPは44周で終わりを迎えた。
「必死に働いても報われない」─ノリスが明かした苦悩
レース後、ノリスは落胆を隠さなかった。
「ある意味、リタイアになってホッとしている自分すらいるよ。だって、あの時点で僕が戦っていたのは、8位争いだからね」
昨シーズンは最後まで熾烈なワールドチャンピオン争いを繰り広げていたノリスにとって、今季の現状は受け入れ難いものとなっている。
さらに、自身のリタイア後にはピエール・ガスリーやラッセルらにペナルティが科されたことで、悔しさは一層大きくなった。
「ガスリーたちにペナルティが出ただろう? 本来なら、あそこに僕が残っていれば貴重なポイントを持ち帰れたはずだった。それが僕にとって最大のチャンスだったのに、その場所(コース上)にすら居させてもらえなかったんだ」
「今の僕たちは、優勝や表彰台を期待できるレベルにはいない。だからこそ、5位、6位、7位といった位置で確実にポイントを積み重ねていかなければならない。僕もチームも、全員が必死に働いている。それなのに全く報われない。ミスだったり、今回のようなメカニカルトラブルだったり、あるいは単なる不運だったり……とにかく運がないんだ」
また、マシンの不安定なパフォーマンスについても率直な思いを語った。
「マイアミではパッケージが完璧に機能していて、勝利争いができるほど素晴らしい週末だった。でも、ここでは予選でトップから0.6秒も離されている。この差の大きさは本当にクレイジーだよ。
今のF1マシンを正しい作動ウインドウに入れることがどれほど難しいか、そして僕たちのマシンがいかに繊細で扱いづらいかを物語っている。あるレースでは勝てそうだったのに、次のレースでは0.6秒遅れになるなんて、本当に“素晴らしい車”だよね」
苦境の中でも前を向く
それでも、最後にはチームへの変わらぬ信頼を口にした。
「チームへの信頼は一切揺らいでいない。解決に時間がかかる問題だってある。全員がベストを尽くしているのだから、シーズンが進めば、必ずまた僕たちが輝ける場所に戻れると信じている。
とはいえ、チェッカーフラッグすら受けられずにレースを終えることが続くと、ただただ胸が痛むよ。でも、これが人生さ」
今週末には、マシンの総合力が試されるバルセロナGPが控えている。ノリスにとって、これが“三度目の正直”となるか、それとも“二度あることは三度ある”の悪夢となるか、注目が集まる。
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