マドリードに誕生する新F1サーキットのすべて

2026年シーズンからマドリードがF1スペインGPの開催地に加わる。この発表を受けて、スペインの首都マドリードで何が行われるのか、レイアウトや特徴などを詳しく紹介する。

サーキットの場所は?

マドリードの新しいF1サーキットは、バラハス地区にあるIFEMAマドリード展示会場周辺に設置される。アドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港から目と鼻の先で、市街地からはわずか16km。

IFEMAは、2つの主要ゾーンに分かれており、1つ目はIFEMAの既存のレシントフェリアルの敷地(ホールやコンベンションセンターが並ぶ)にまたがっており、2つ目はバルデベバス北部の拡張エリアを通っている。

完成すれば、レアル・マドリードのスポーツ複合施設の隣に位置し、レアル・マドリードのスタジアムであるサンティアゴ・ベルナベウや、ライバルのアトレティコ・マドリードのシビタス・メトロポリターノ・スタジアムなど、首都にある他の有名なスポーツ・アリーナの仲間入りをすることになる。

レイアウトは?

F1はIFEMAとその代理人との協議が始まって以来、多くのコースモデルを検討し、現在の5.474km、20ターン、予選ラップタイム約1分32秒という案にたどり着いた。

「最初の提案から現在に至るまで、約24のトラックモデルがあったが、その後、数多くのサブモデルの検討や詳細の調査があった。」とF1車両性能責任者であるクレイグ・ウィルソンは説明した。

「今は開発を進めてもいいと思えるコンセプトができ、それが形になるのを見るのがとても楽しみだ。」

高速のスイープからタイトなシケイン、長いストレートから短いスロットルまで、あらゆるレイアウトを備えており、ハンドルを握る者にさまざまな経験を提供する。

「ドライバーにとってはいいチャレンジになると思う。」とウィルソンは付け加えた。

ストリートサーキットか常設サーキットか?

サーキットは公道と常設の両方を使用するため、ストリートサーキットのようなセクションもあれば、常設サーキットのようなセクションもある。

「通常のストリートサーキットレイアウトと、常設サーキットスタイルのレイアウトの中間だ。」とウィルソンはコメントした。

「大部分は仮設サーキットタイプになるだろうが、IFEMAの敷地に合わせた最終的な実装の決定次第で、見た目や感触が少し異なるセクションもある。」

サーキットをユニークなものにしている要素は?

会場を構成する前述の2つのゾーンの間には高架の自動車道路があり、コースレイアウトには、レシントフェリアル複合施設からバルデベバスの拡張エリアへ、あるいはその逆へ行くための短いトンネルセクションが2つある。

また、ピットレーンのガレージは中央セクションの左右に分かれ、IFEMAホールへと伸びていく。

気をつけるべきセクションは?

ウィルソンが注目すべきサーキットとして即座に挙げたのは、ターン7からターン9の間だ。

レシントフェリアルからトンネルを抜けたあとの上り坂と、バルデベバスの公道から私道への下り坂により、『かなり急な下り坂』になるという。

また、ターン10は『バンクさせる余地がある』とし、『どのようにバンクさせるか、どのようなバンクにするか、ターン11とターン12をオーバーテイクの可能性のあるアクションエリアにすることも視野に入れて』話し合いが続けられているようだ。

続くターン13からターン17までの区間では、ドライバーたちが猛烈なスピードを上げていくエリアとなる予定だ。ドライバーと、コース脇やテレビで見守るファンの双方を喜ばせる “野心的”なプランだ。

レースができるようになるのはいつ?

前述したように、マドリードは2026年からF1カレンダーに加わる契約を結んでおり、レイアウトの詳細を確定し、必要な認可を確保し、通常のイベントロジスティクスを考慮するために、今からそれまでには多くの重労働が待っている。

「次のステップは、コンセプトから詳細なデザイン開発、そして重要なこととしてFIAへの申請とホモロゲーション・プロセスを経て、グレード1のトラックライセンスを取得することだ。」とウィルソンは強調する。

「建設が始まると、すべての検査を受ける必要がある。一方で、すべての計画、インフラ、ガレージの配置、パドックレイアウトの詳細、すべてのシステム統合について、開発者と協力しなければならない。」

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