ルクレール、ハミルトン猛追誓う-パドックで囁かれる主導権争いのリアル
レッドブル・リンクで通算5度の表彰台を獲得し、2022年には見事な勝利を挙げているフェラーリのエース、シャルル・ルクレール。しかし2026年シーズン、チームが約2年ぶりに「勝てるマシン」を取り戻したこの最高の瞬間に、スポットライトを浴びているのは彼ではなく、チームメイトのルイス・ハミルトンだ。
カナダ、モナコ、そして前戦スペインと、ルクレールは7冠王者の後塵を拝し続けている。2025年シーズンは、フェラーリの挙動に苦しみ、担当エンジニアのリカルド・アダミ氏との連携もうまくいっていなかったハミルトンをルクレールが圧倒していた。しかし、2026年は状況が完全に逆転した。王者のフィードバックが色濃く反映された新マシン、そして新たな担当エンジニアであるカルロ・サンティ氏との完璧なコンビネーションにより、ハミルトンはかつての飢えた狼のような強さを取り戻した。一方で、今や世界と戦う前にチーム内で苦悩しているのはルクレールの方だ。
モントリオールとモンテカルロで「ブレーキのフィーリングが合わない」と苦情を申し立てたルクレールは、カタルーニャ(スペインGP)からハミルトンと同じカーボン・インダストリーズ(Carbon Industries)製のブレーキディスクに変更した。しかし、それでもなおハミルトンの方が速かった。選手権のポイントテーブルでハミルトンに「40ポイント」もの大差をつけられたルクレールには、このオーストリアで強烈な逆襲が求められている。
ルクレール「バルセロナで手応えは戻った。あとはクリーンな週末を送るだけ」
レッドブル・リンクのパドックに現れたルクレールは、周囲の悲観論を打ち消すように冷静さを装った。
「特別なプレッシャー(ストレス)は感じていないよ。ただノーミスでクリーンな週末を過ごしたい。そうすれば結果は自然とついてくるはずだ。
ここ数レースが楽しいものではなかったのは確かさ。モントリオールとモンテカルロではマシンの中で快適とは言えず、車への信頼感を少し失ってしまっていた。それに加えて、モナコとスペインでのリタイア(DNFs)も痛かった。僕たちはあまりにも多くのポイントを失ってしまったんだ」
しかし、ルクレールはすでにトンネルの出口は見えていると主張する。
「ポジティブな面を言えば、前戦のバルセロナでは再びマシンが手に馴染む感覚が戻ってきた。ここでもそれを継続したい。僕たちのマシンが『勝てる車』であることは分かっているし、僕が自分の仕事を完璧にこなせば、また勝つことができる」
「2026年型フェラーリはハミルトン好みの車」というパドックの噂を否定
現在パドックでは、「2026年のフェラーリのマシン特性は、ルクレールよりもハミルトンのドライビングスタイルにマッチするように作られているのではないか」という不穏な噂が流れている。これについて問われると、ルクレールは語気を強めて否定した。
「それは絶対に事実じゃない。今年の新車はセットアップの自由度が非常に広いんだ。だから、僕が何らかの形で制限されているということは一切ないよ。
マシン自体に根本的な問題を抱えているわけではないんだ。シーズンの開幕当初はとても調子が良かったわけだからね。さっきも言った通り、モントリオールとモンテカルロの2戦に関しては、僕自身のフィーリングの面で制限がかかってしまっていただけさ」
超高速レッドブル・リンクでの展望:鍵は「猛暑」と「タイヤマネジメント」
では、今週末のオーストリアGPで、ルクレールはどのようにハミルトンを、そしてライバルを切り崩すつもりなのだろうか。
「ここでの戦いは決して簡単なものにはならないだろうね。データの上では、今回のレイアウトは僕たちよりもメルセデスの方が有利なはずだ。
だけど、その一方で今週末はかなりの猛暑になる予報が出ている。前戦のスペインでもそうだったけれど、フェラーリはこうした過酷なコンディションにおけるタイヤマネジメントが非常に優れているんだ。それに、僕はレッドブル・リンクが大好きだし、良いリズムで走れるお気に入りのトラックだからね。最後の勝利からしばらく時間が経っていることなんて、走っている時は全く考えていないよ」
「フェラーリが勝てるマシンであることは、ルイスが証明してくれた。あとは僕がそれを行動で示す番だ」
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