アブダビGPフェルスタッペン勝利も、世界王座はノリス
アブダビでのシーズン最終戦ではマックス・フェルスタッペンが勝利を収めたものの、2025年F1ワールドチャンピオンの栄冠はランド・ノリスに輝いた。ノリスは極度のプレッシャーがかかる状況でも冷静さを失わず、3位フィニッシュでタイトル獲得に必要な結果を確保した。
ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンは終始レースを支配し、今季8勝目を挙げた。一方、オスカー・ピアストリは1周目にノリスをオーバーテイクして2位へ浮上。ノリスは3位に後退したものの、そのままポジションを守り切り、F1史上11人目の英国人ワールドチャンピオンとなった。また、シャルル・ルクレールとジョージ・ラッセルは安定した走りでトップ5に入った。
タイトル争いを決定づけたスタート
タイトルを争う3人がグリッドの上位を占め、フェルスタッペンがノリスとピアストリを従える形でレースが始まった。ピアストリはライバル2人がミディアムタイヤを選択する中、ハードタイヤという異なる戦略を採用。スタート直後、フェルスタッペンはノリスの進路を抑え、ピアストリはターン9でアウト側から鮮やかなオーバーテイクを決めて2位に浮上した。

フェルスタッペンとピアストリはすぐにノリスとの差を広げ、ルクレールがその背後でプレッシャーをかけ、ラッセルが5位で続いた。11周目にルクレールがDRS圏内に入る場面もあったが、オーバーテイクには至らなかった。
異なる戦略と波乱の裁定
レース中盤、リアム・ローソンに5秒ペナルティが科される中、14周目にラッセルが最初のピットストップを敢行。16周目にはノリスとルクレールも続いた。ノリスはトラフィックに巻き込まれながらも、ルクレールを従えて着実にポジションを上げていく。
一方、フェルスタッペンとピアストリは最初のスティントを延長。その過程でノリスは、レッドブルの指示で後続を抑える役割を担っていた角田裕毅と激しい攻防を繰り広げた。角田がストレートでノリスをワイドに押し出したとして調査が行われたが、最終的に角田には5秒ペナルティ、ノリスはお咎めなしという裁定が下された。
勝負を分けた2回目のピットストップ

長いスティントを走ったピアストリに対し、39周目にルクレールが2回目のピットストップへ。マクラーレンは即座に対応し、翌周ノリスを呼び戻して戦略上のリスクを排除した。その後、フェルスタッペンはピアストリをオーバーテイクし、盤石の態勢を築く。
この時点でフェルスタッペンが首位、ピアストリが2位、ノリスが3位というオーダーが確定。ノリスにとっては、タイトル獲得に十分なポジションだった。唯一の脅威は、よりフレッシュなミディアムタイヤを履いたルクレールだったが、その差は最終的に約4秒で安定した。
重圧を跳ね除けたノリス
終盤、フェルスタッペンは完璧にレースをコントロールし、圧巻の勝利を飾った。2位に入ったピアストリも健闘を見せたが、注目はやはり世界王者となったノリスに集まった。タイトルの重圧がかかる中でも、大きなミスなく走り切った姿は王者にふさわしいものだった。
また、ルクレールとラッセルがトップ5に、オリバー・ベアマンとランス・ストロールがトップ10に入った。16番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトンは8位でゴールし、表彰台争いには加われなかった。
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