【マイアミGP後】ハミルトン「今の準備のやり方は無意味だ」—シミュレーター作業の中止を宣言、カナダGPへ異例のアプローチ
2026年F1マイアミGPを7位(最終的に6位)で終えたフェラーリのルイス・ハミルトンが、レース後に衝撃的な発言をした。現在の準備プロセス、特にシミュレーター作業が「何の役にも立っていない」と断言し、次戦カナダGPまでシミュレーターに乗らないことを宣言したのだ。
1周目の不運が連鎖—ダウンフォース喪失で0.5秒ロス
マイアミのレースはハミルトンにとって最悪の始まりだった。オープニングラップでフェルスタッペンのスピンによってポジションを落とし、さらにフランコ・コラピントとの接触でマシンにダメージを負った。ハミルトン自身によれば、このダメージによってダウンフォースが0.5秒分失われたという。最終的に7位でフィニッシュし、レース後は明らかに落胆した様子を見せた。
なお、この時点ではハミルトン本人はまだ知らされていなかったが、レース後の夜にチームメイトのシャルル・ルクレールがペナルティを受けたことで、最終順位は6位に繰り上がっている。
「シミュレーターに時間を費やしているのに、現地では全く機能しない」
フラストレーションの根本にあるのは、シミュレーターでの準備と実際のサーキットでのマシン挙動との乖離だ。ハミルトンはその問題点をこう説明した。
「次のレースでは違うアプローチをとるつもりだ。なぜなら、今僕たちがやっている準備のやり方は、何の役にも立っていないからだ」
「どういうことかと言うと、僕はシミュレーターに時間を費やしている。もともとシミュレーターは好きじゃないけれど、レース前には毎週シミュレーターのセットアップを行い、常に実車との相関関係を調整してきた。そこに座り、コースへの準備をして、ある特定のセッティングでシミュレーター作業を終える。だが、いざ現地のサーキットに来てみると、その設定が全く機能しないんだ」
スプリント週末の特殊性が問題を増幅
この問題は、練習走行が90分間しかないスプリント週末のマイアミで特に深刻な形で表れた。
「スプリント・ウィークエンドでは、最初の練習走行しかない。サスペンションの大幅な変更など、セットアップをあまり変えたくない。だからその設定で走り続けることになるが、予選に向けて変更を加えたとしても、それを把握するのにたった6周しか残されていないんだ」
「理想を言えば、週末の始まりにシャルルが1番手だったところから僕もスタートすべきだった。そうすれば、そこからもっと強い週末を過ごせていたはずだ」
「中国GPはシミュレーターなしで最高の結果だった」—カナダまで封印を決断
ハミルトンの決断の背景には、中国GPでの成功体験がある。事前にシミュレーターに乗らずに臨んだ中国GPでは、スプリントと本戦の両方で表彰台を獲得していた。
「だから、次のレースまではもうシミュレーターには乗らない。ファクトリーでのミーティングなどには引き続き出席するけれど、シミュレーターからは少し距離を置いて、様子を見るつもりだ。というのも、中国GPに行った時は、事前にシミュレーターに乗らなかったけれど、最高の結果を出せたからね」
7度の世界王者が自らの準備プロセスを根本から見直すという異例の決断。次戦カナダGPでその賭けが吉と出るか、注目が集まる。
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