【イギリスGP】スプリント予選-ハミルトンが0.011秒差でアントネッリを退けポール獲得。フェルスタッペンとルクレールが2列目
伝統のシルバーストン・サーキットに、地鳴りのような大歓声が響き渡った。2026年F1第10戦イギリスGPの金曜日、地元の大英雄ルイス・ハミルトンがマシンを完璧にコントロールし、見事なスプリントポールポジションを掴み取った。
バルセロナでのフェラーリ移籍後初勝利、そして前戦レッドブル・リンクでの苦い5位を経て、7冠王者は自身がこの聖地の絶対的な支配者であることを再び証明した。FP1から続く好調を維持し、全セッションでタイムシートのトップを譲らない圧巻の完全勝利だった。
SQ3-わずか0.011秒差。緊迫の1アタック完全決戦
夕暮れが迫り、路面温度が39.4℃まで下がったSQ3。トップ10によるファイナルシュートアウトは、全車がソフトタイヤでの「1発勝負」に賭ける緊迫のポーカーゲームとなった。12分間のセッションのうち、最初の7分間は全チームが路面コンディションの好転を待ち、パドックは不気味な静けさに包まれた。
残り時間が少なくなったところで一斉にマシンがコースイン。まずマクラーレンのオスカー・ピアストリが1分28秒772をマークすると、直後にチームメイトのランド・ノリスが0.032秒上回る。今週、アストンマーティンとのコストキャップ論争でピリついていたノリスだったが、トラック上で即座に高いパフォーマンスを示した。
しかし、背後から迫るメルセデスとフェラーリの衝撃が、タイムモニターを瞬時に塗り替える。ランキング首位を走るメルセデスのキミ・アントネッリが1分28秒387のスーパーラップを叩き出し、トップに躍り出た。だが、その直後にコントロールラインを通過したハミルトンの時計は1分28秒376。
かつてのチームを、わずか1000分11秒という超僅差で引き摺り下ろし、ハミルトンがトップの座を奪い返した。3番手には底力を見せたフェルスタッペン、4番手にはルクレールが入り、フェラーリの好調さを裏付けた。ラッセルは5番手に留まっている。
SQ1&SQ2-中段グループの混沌、アストンマーティンは悪夢の全滅
これに先立つセッションでは、旧飛行場コース特有の超高速レイアウトが多くの実力者たちを翻弄した。
SQ1最大のサプライズとなったのは、アストンマーティンのダブルノックアウトだ。前夜にエイドリアン・ニューウェイ氏が「2027年ホンダ計画へ向けた今季の開発凍結」を明かす大講演を行ったばかりだったが、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは揃ってSQ1で姿を消すという痛烈な現実を突きつけられた。キャデラックを駆るセルジオ・ペレスやアルピーヌのピエール・ガスリー、ハースのオリバー・ベアマンもここで散った。
SQ2ではハミルトンが1分28秒747で再びトップ。このセッション中、マクラーレンのガレージではノリスのマシンにメカニックが群がる緊迫した光景が見られた。CEOのザク・ブラウン氏は「走行中にパーツの一部が脱落し、ダウンフォースを失っていた」と明かしたものの、ノリスは辛うじてSQ3へ進出。一方で、カルロス・サインツやニコ・ヒュルケンベルグらが脱落する中、レッドブルのアイサック・ハジャーとレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドの若手2人が見事にSQ3へと駒を進めてみせた。
赤く染まる土曜日へ-上海の再現なるか?
最高のスタートポジションを手にしたハミルトンは、今季の上海に続く自身2度目のスプリント勝利に向けて視界良好だ。
ここシルバーストンは、2021年にF1史上初めてスプリントフォーマットが導入され、当時メルセデスにいたハミルトンが初代「予選勝者」に輝いた因縁の地でもある。
土曜日の雨の確率は0%と予想されている。ウェリントン・ストレートやハンガー・ストレートを舞台に、フェラーリ、メルセデス、レッドブルによる意地とプライドをかけた超高速バトルが幕を開ける。ハミルトンが母国のファンの前で聖地を跳ね馬の赤に染め上げるのか、あるいはアントネッリやフェルスタッペンがそのおとぎ話を打ち砕くのか。伝統の一戦から目が離せない。
【スプリント予選結果】
| 順位 | 車番 | ドライバー | チーム | Q1 | Q2 | Q3 | 周回数 |
| 1 | 44 | ルイス・ハミルトン | フェラーリ | 1:29.273 | 1:28.747 | 1:28.376 | 14 |
| 2 | 12 | アンドレア・キミ・アントネッリ | メルセデス | 1:29.746 | 1:28.846 | 1:28.387 | 15 |
| 3 | 3 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 1:29.689 | 1:29.242 | 1:28.697 | 12 |
| 4 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1:29.380 | 1:28.922 | 1:28.703 | 14 |
| 5 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 1:29.675 | 1:29.246 | 1:28.733 | 15 |
| 6 | 1 | ランド・ノリス | マクラーレン | 1:30.142 | 1:29.401 | 1:28.740 | 15 |
| 7 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン | 1:29.583 | 1:29.120 | 1:28.772 | 12 |
| 8 | 6 | アイザック・ハジャー | レッドブル | 1:29.470 | 1:29.280 | 1:28.835 | 14 |
| 9 | 30 | リアム・ローソン | レーシングブルズ | 1:29.850 | 1:29.067 | 1:28.927 | 12 |
| 10 | 41 | アーヴィッド・リンブラッド | レーシングブルズ | 1:30.453 | 1:29.330 | 1:29.367 | 12 |
| 11 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ | 1:30.444 | 1:29.482 | – | 9 |
| 12 | 5 | ガブリエル・ボルトレート | アウディ | 1:30.407 | 1:29.679 | – | 12 |
| 13 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | アウディ | 1:30.107 | 1:29.707 | – | 12 |
| 14 | 43 | フランコ・コラピント | アルピーヌ | 1:30.894 | 1:29.983 | – | 9 |
| 15 | 55 | カルロス・サインツ | ウィリアムズ | 1:31.073 | 1:30.197 | – | 12 |
| 16 | 23 | アレックス・アルボン | ウィリアムズ | 1:30.779 | 1:30.650 | – | 13 |
| 17 | 87 | オリバー・ベアマン | ハース | 1:31.083 | – | – | 6 |
| 18 | 31 | エステバン・オコン | ハース | 1:31.714 | – | – | 6 |
| 19 | 11 | セルジオ・ペレス | キャデラック | 1:31.776 | – | – | 6 |
| 20 | 77 | バルテリ・ボッタス | キャデラック | 1:32.020 | – | – | 6 |
| 21 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン | 1:32.910 | – | – | 5 |
| 22 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン | 1:32.988 | – | – | 5 |
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