メキース代表「FIAへの抗議は原則の問題として継続する」―モナコのFIA計測ミスが引き起こした混乱
FIAはモナコGPで前代未聞の失態を犯した。ピットレーン速度超過として科されたアルピーヌのピエール・ガスリーへの2度の5秒ペナルティが、FIAの計測ミスという理由で約5日後に取り消された。レッドブルのチーム代表ローラン・メキース氏は、この決定に真っ向から異議を申し立てる意向をバルセロナで明確にした。
FIAの失態—ピットレーンを77cm誤計測
モナコGPでは複数のドライバーがピットレーン速度制限(60km/h)超過として5秒タイムペナルティを受けた。ガスリーはその2度のペナルティにより3位から7位に降格したが、アルピーヌは再審査権を行使。6月12日の審問でアルピーヌは、FOMがピットレーン距離の計測に誤りがあり、その結果としてガスリーの速度が過大評価されていたことを証明した。測定された誤差は約77cmとされており、これによってガスリーが制限速度を超えていなかったことが裏付けられた。FIAは2つのペナルティを取り消し、ガスリーの3位が正式に復活した。
ガスリーにとってはF1キャリア通算6回目の表彰台、2024年ブラジルGP以来の表彰台奪還となった。
順位変動が多数のチームに影響
この決定は複数チームの獲得ポイントに影響を及ぼした。モナコGPの最終確定順位は以下の通りとなった。キミ・アントネッリ、ルイス・ハミルトン、ピエール・ガスリー、アイザック・ハジャー、オスカー・ピアストリ、リアム・ローソン、アーヴィッド・リンドブラッド。
これにより、当初3位として表彰台に上がっていたハジャーは4位に降格。ピアストリも4位から5位に。それぞれのチームがポイントを失う形となったため、レッドブルとマクラーレンはFIAに対してこの決定を争う意向表明を提出した。
メキース代表「問題は原則。スポーツのために明確さが必要だ」
バルセロナでメキース代表は、抗議を継続する理由をこう説明した。
「これはスポーツの健全性のための原則の問題だ。レース中に本来は不服申し立てができないペナルティについて、どのように対処するかを全員が明確に理解できるようにしたい。レース終了時に正しい結果が確定されるべきだ」
さらに計測システム全体への見解も示した。「いかなる計測システムも完璧ではない。速度を計測する唯一の方法はなく、他の全てが間違いということもない。しかし我々はF1で長年にわたって一定のシステムを使ってきた。モナコでも前日と同じ、金曜日と同じ、例年と同じシステムが使われており、我々全員がそれに適応してきた」
「17〜18台のクルマが合法の範囲内で走れていた。だからこそスポーツとして、ファンにも参加者にも明確さをもたらすだけの、十分に確固たるアプローチを確保しなければならない」
「完全な控訴はまだ提出していない」
メキース代表はバルセロナGP後の会見(前述のレース後取材)でも、この件への対応状況を明らかにしていた。「完全な控訴はまだ提出していない。時間的な余裕はある。これはスポーツの在り方の問題として進めている」
レッドブルとマクラーレンが法的手続きを続けるかどうかによっては、モナコGPの最終結果が再び変動する可能性もゼロではない。しかしFIAが再審査権を認めた事実を覆すのは容易ではなく、法的にも前例のない領域に踏み込むことになる。
スポーツの透明性と公正な計測システムの確保、メキース代表の訴えはレッドブル一チームの利益を超えた問題提起として、F1界に問いかけを残している。
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