ノリス、スプリント3位も“攻めすぎた”ミスに大荒れ。メルセデス&フェラーリとは「別次元の差」
17周の超高速バトルが展開されたイギリスGPのスプリントレース。6番手グリッドから素晴らしい蹴り出しを見せ、オープニングラップで一気にポジションを上げたランド・ノリスは、その後もジョージ・ラッセルとのスリリングなドッグファイトを制して3位でチェッカーを受けた。
前日のSQ2でパーツが脱落しダウンフォースを失う不運から見事にカムバックし、地元マクラーレンのファンの前で最低限の仕事を果たしたかに見えたノリス。しかし、ヘルメットの中の王者は完全に頭に血が上っていた。
クールダウンラップに入った瞬間、ノリスはチームに対し不満を爆発させた。 「おい、お前らいい加減にしろよ。ちゃんと仕事を成立させられないのか?」
怒りの理由-攻めすぎた「燃料搭載量」の計算ミス
ノリスをここまで苛立たせた原因は、レース中にチームから入った1通の無線指令だった。
「ランド、燃料をセーブしてくれ。残り燃料が厳しい」
100kmをノンストップで全開スプリントするミニレースにおいて、マクラーレンのデータエンジニア陣は、マシンの軽量化を狙うあまり「あまりにもカツカツすぎる燃料計算」をしてしまっていたのだ。これによりノリスは、前方を追撃するどころか、背後から迫るラッセルの猛攻を燃費走行をしながら凌がなければならないという、二重の極限状態を強いられていた。
パドックでの公式インタビューが始まると、ノリスは一旦冷静さを取り戻し、公の場でチームを過度に非難するのを避ける大人の対応を見せた。
「6番手スタートから最高の蹴り出しができて、最高の1周目を送れた。3位という結果自体にはとても満足しているよ。その後もソリッドなペースを維持できたし、ジョージとのバトルは純粋に楽しかった。あんな展開になるとは、良い意味で驚いているよ。
でも、これはあくまでスプリントだ。数時間後には決勝のグリッドを決めるGP予選が待っている。マシンの状態は金曜日よりも確実に良くなっているけれど、予選に向けてさらに改善できるアイデアがいくつかある。
正直に言おう。今回の好結果は、僕がスタートと1周目を完璧に決めたからこそ得られたものだ。レースの終盤は、背後のラッセルを抑え込むためにマシンのコントロールで手が付けられないほど必死だったんだ」
冷酷な現実-「燃費問題がなくても、ルイスとキミは別次元」
メディアから「もしあの燃料問題がなければ、前方のキミ・アントネッリやルイス・ハミルトンのトップ争いに加われましたか?」とストレートに問われると、ノリスは自嘲気味に首を振った。
「いや、それは無理だったね。はっきり言ってキミとルイスは速すぎた。今の彼らのマシンは、僕たちのクルマとは『完全に違うカテゴリー』にいるよ。
ただ、もしあのトラブルがなければ、終盤にラッセルを自分の間合いから引き離して、もう少し楽なレースができたのは間違いないけれどね」
前日にはアストンマーティンとの場外コストキャップ論争で注目を集めたマクラーレンだが、足元の身内レースで初歩的な計算ミスを犯し、絶対的エースの足を引っ張る形となってしまった。
数時間後に迫るノックアウト方式の本予選(GP予選)。ノリスの言う通り、メルセデスとフェラーリの2強がシルバーストンで頭一つ抜け出しているのは明確だが、マクラーレンのエンジニア陣は王者の信頼を取り戻し、完璧な燃料計算で日曜日へのグリッドを確保できるだろうか。
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