【イギリスGP】アントネッリ、ハミルトンを鮮やかに仕留めてスプリント初優勝
イギリスGPのスプリント予選では、1000分の11秒という差でルイス・ハミルトンにポールポジションを譲ったメルセデスのキミ・アントネッリ。しかし、今シーズンすべてのスプリントをフロントローからスタートしたポイントリーダーのアントネッリは、本戦の100kmレースでその真価を完璧に証明してみせた。
20歳以上の年齢差があるハミルトンとのフロントロー対決は、スタート直後こそハミルトンが貫録のホールショットを奪ってリード。聖地シルバーストンで過去9勝を誇るハミルトンの背中を、アントネッリはミディアムタイヤでじっと見据えていた。
9周目の歴史的ターン-ハミルトンの牙城を崩した勝負感
レース序盤、ハミルトンがリードする一方で、3番手以降は激しいドッグファイトが勃発。好スタートを切ったマクラーレン勢と、母国勝利を狙うジョージ・ラッセル、さらにはマックス・フェルスタッペンが三つ巴のバトルを展開した。
2周目にノリスがラッセルを捕らえて3番手に浮上すると、翌3周目にはフェルスタッペンもラッセルをオーバーテイク。しかしメルセデスのマシンバランスの良さは健在で、10周目にはラッセルが再びフェルスタッペンを抜き返す粘りを見せる。さらにその後方では、前日の「感覚のズレ」に苦しんでいたシャルル・ルクレールが意地のドライビングでピアストリとフェルスタッペンを次々と仕留め、5位までポジションを回復させた。
中段グループが火花を散らす中、トップ争いは6周目から急変する。アントネッリがハミルトンの背後に完全に急接近。
そして9周目、アントネッリはハミルトンのインを鮮やかに突き、ハミルトンマシンをオーバーテイク。トップの座を奪い取った。
首位に立ったアントネッリは、そこから1.5秒以上のセーフティリードを築き完全にレースをコントロール。自身初のスプリント勝利のチェッカーフラッグを駆け抜けた。
キャデラックのペレスに10秒の厳罰、アストンマーティンはさらなる泥沼へ
後方グループでは、予選での大誤算から挽回を期したアストンマーティン・ホンダのフェルナンド・アロンソを、さらなる悪夢が襲った。
ソフトタイヤを選択して一か八かの賭けに出たアロンソだったが、3周目にターン3でスピンを喫して黄旗の原因に。その後、後方から追い上げてきたキャデラックのセルジオ・ペレスと激しく衝突。ペレスはフロントノーズ破損によりピットインを余儀なくされ、スチュワードはペレスに対して10秒のタイムペナルティを科す厳罰を下した。
エイドリアン・ニューウェイ氏が「2026年を凍結し、2027年のホンダ共闘へリセットする」と語ったアストンマーティンだが、母国シルバーストンのスプリントはアロンソ21位、ストロール22位、ペレス23位(最下位)と、まさに踏んだり蹴ったりの結果に終わっている。
また、ハースのニコ・ヒュルケンベルグもターン9でのコースオフによる不正利益の疑いで調査対象となるなど、中段以降は荒れた展開となった。
スプリント王者の系譜に新たな名。次は本戦のグリッド争いへ
今回の勝利により、アントネッリはフェルスタッペン、ボッタス、ラッセル、ノリス、ピアストリ、そしてハミルトンらに並び、F1史上数少ないスプリント勝者のリストにその名を刻んだ。
ハミルトンは惜しくも2位となったものの、フェラーリのアップデートが本物であることを大観衆の前で証明。3位ノリスはマクラーレンのフロントタイヤの摩耗に苦しんだものの、最低限の表彰台を死守した。
パドックを揺るがすウォルフとバスールのコストキャップ口撃合戦を背景に、トラック上ではメルセデスの「現在」と「未来」が最高峰の火花を散らしたイギリスGP。舞台はここから、日曜日の決勝レースのスターティンググリッドを決める、運命の本予選へと移行する。
【スプリント結果】
| 順位 | 車番 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム / 差 | 獲得ポイント |
| 1 | 12 | アンドレア・キミ・アントネッリ | メルセデス | 17 | 26:12.129 | 8 |
| 2 | 44 | ルイス・ハミルトン | フェラーリ | 17 | +2.745s | 7 |
| 3 | 1 | ランド・ノリス | マクラーレン・メルセデス | 17 | +9.783s | 6 |
| 4 | 63 | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 17 | +10.639s | 5 |
| 5 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 17 | +12.620s | 4 |
| 6 | 3 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | 17 | +16.550s | 3 |
| 7 | 81 | オスカー・ピアストリ | マクラーレン・メルセデス | 17 | +17.551s | 2 |
| 8 | 30 | リアム・ローソン | レーシングブルズ・RBPT | 17 | +30.233s | 1 |
| 9 | 6 | アイザック・ハジャー | レッドブル | 17 | +30.953s | 0 |
| 10 | 41 | アーヴィッド・リンブラッド | レーシングブルズ・RBPT | 17 | +35.110s | 0 |
| 11 | 10 | ピエール・ガスリー | アルピーヌ・メルセデス | 17 | +40.273s | 0 |
| 12 | 43 | フランコ・コラピント | アルピーヌ・メルセデス | 17 | +41.026s | 0 |
| 13 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | アウディ | 17 | +41.680s | 0 |
| 14 | 5 | ガブリエル・ボルトレート | アウディ | 17 | +42.499s | 0 |
| 15 | 87 | オリバー・ベアマン | ハース・フェラーリ | 17 | +45.784s | 0 |
| 16 | 31 | エステバン・オコン | ハース・フェラーリ | 17 | +49.810s | 0 |
| 17 | 55 | カルロス・サインツ | ウィリアムズ・メルセデス | 17 | +50.379s | 0 |
| 18 | 23 | アレックス・アルボン | ウィリアムズ・メルセデス | 17 | +50.757s | 0 |
| 19 | 77 | バルテリ・ボッタス | キャデラック・フェラーリ | 17 | +75.117s | 0 |
| 20 | 14 | フェルナンド・アロンソ | アストンマーティン・ホンダ | 17 | +91.872s | 0 |
| 21 | 18 | ランス・ストロール | アストンマーティン・ホンダ | 16 | +1 lap | 0 |
| 22 | 11 | セルジオ・ペレス | キャデラック・フェラーリ | 16 | +1 lap | 0 |
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