アストンマーティン&ホンダ、シンガポールGPで「さらなる勢い」を狙う
前戦マレーシアGPで貴重なポイントを獲得したアストンマーティンとホンダ。手応えと安堵感を胸に迎える次戦シンガポールGPに向け、アストンマーティンF1チーム代表のマイク・クラック氏と、ホンダ(HRC)の折原伸太郎氏がインタビューに応じた。
マレーシアでの技術的な学び、チーム内の雰囲気の変化、そして今週末のシンガポールGPへの展望について語った。
1. マレーシアの「特殊な条件」で得たドライバビリティの学び
マレーシアGPのウェットコンディションでは、想定以上にエネルギーが残る(豊富な)状況が発生した。この予期せぬ環境が、パワーユニット(PU)の作動ポイントやドライバビリティ(扱いやすさ)に新たな発見をもたらしたという。
折原氏はその技術的背景について次のように説明する。
折原氏:「マレーシアではエネルギーが豊富な状態だったため、コーナリング時のエネルギー回収量やエンジンの作動ポイントに影響が出た。通常とは異なる負荷で運用されたことで燃焼挙動に変化が見られ、ドライバビリティの面で非常に興味深いユニークなデータが得られた」
チームはこのデータを持ち帰り、即座にダイノ(ベンチテスト)で解析を実施。エネルギー管理が鍵となる今週末のシンガポールGPに向けて万全の準備を整えた。
2. チーム内に広がった「安堵感」と深まる連携
苦しいシーズンが続く中、マレーシアでのポイント獲得はチーム全体にとって大きなターニングポイントとなった。
マイク・クラック代表:「週の初め、スタッフの顔に明らかな安堵の表情が浮かんでいるのが分かった。ポイント獲得はチーム全員の助けになりますし、今週に向けて大きな弾みとなっている。オランダGP以降重ねてきたハードワークが実を結び、アストンマーティンとホンダが『ワンチーム』として前進するための素晴らしい一歩になった」
折原氏:「FP1からパッケージの手応えが良く、どう成果を最大化するか密に話し合いを重ねてきた。まだ私たちが目指すポジションには届いていませんが、全員で目標を達成できたことに強い手応えを感じている」
また、ドライバーのフェルナンド・アロンソの様子についても、マシンへの手応えを得たことでミーティングでの積極性や集中力が一段と高まっていると明かした。
3. パッケージの強みが生きるシンガポールGPへの期待
パワー感度が比較的低く、低速セクションや扱いやすさが重視されるシンガポール市街地コースは、現在のアストンマーティン&ホンダのパッケージに適していると見られている。
マレーシアで高い競争力を発揮した要因について、クラック代表は路面特性との相性を挙げる。
マイク・クラック代表:「マレーシアは路面が非常に粗くグリップが低い特殊な環境だった。低速域にシフトしたコンディションは私たちのマシンが得意とするところだ。ここシンガポールも私たちのパッケージに適していると感じており、週末に向けてかなり自信を持っている」
一方、折原氏はエネルギー要求の高いサーキットにおけるPUの現状とキーポイントについて冷静に分析する。
折原氏:「正直に申し上げて、私たちのエンジンパフォーマンスやエネルギー管理によるパワーはまだライバルに及んでいない。そのため、エネルギー規定のあるサーキットでは相対的に助けられている側面もある。しかし最も重要なのは、ドライバーが自信を持ってコーナーを攻められる『ドライバビリティ』。パッケージとしての力を最大限に引き出せるよう密に連携していく」
スプリントフォーマットで開催される今週末は、FP1から夜間の予選・レースに向けて短時間でマシンをアジャストさせる対応力が求められる。ミスが許されない緊張感の中、両者は確かな手応えとともにシンガポールの週末へと挑む。
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