メキシコではワンストップ戦略が濃厚か
メキシコGPの歴史と記録
2025年第20戦メキシコGPは、メキシコシティに位置するアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで開催される。このサーキットは、メキシコを代表するレーサーであるロドリゲス兄弟を称えて命名された。これまでに24回のグランプリが開催され、そのうち20回(1963年に初開催)は「メキシコGP」として、直近4回はメキシコの首都の名である「メキシコシティGP」として実施されている。最多勝利ドライバーはレッドブルのマックス・フェルスタッペン。レッドブルは2017年、2018年、2021年、2022年、2023年と、計5度の勝利を挙げ、この地で最も成功を収めたチームのひとつとなっている。
また、最多ポールポジション獲得はロータス時代のジム・クラーク(1963〜1967年の間に4回)。近年ではフェラーリ勢が強さを見せ、2023年にシャルル・ルクレール、2024年にはカルロス・サインツがポールポジションを獲得している。なお、現在ウィリアムズに所属するサインツにとっては、昨年のメキシコがグランプリを制した最後のレースとなっている。さらに、現フェラーリドライバーのルイス・ハミルトンにとっても、メキシコでの戦いは特別な意味を持つ。彼はこの地で2017年と2018年にワールドタイトルを決めており、通算6回の表彰台という最多記録を保持しているのだ。

高地サーキットならではの特性
アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは全長4.304km、17のコーナーを持ち、71周でレースが行われる。最大の特徴は、空気が非常に希薄であること。高地ゆえにダウンフォースが低下し、エンジンや冷却系にも大きな負担がかかる。そのため、マシンのセットアップと技術的な管理がチームにとって特に重要なテーマとなる。
1.2kmを超えるメインストレートでは、ダウンフォースが最小限に抑えられることもあり、マシンは非常に高い最高速度に到達する。路面はとても滑らかで、週末序盤はグリップが低い。しかし、3日間を通じて状況が改善するため、ラップタイムは向上していく傾向がある。また、2本の長いストレートではタイヤの表面温度が急速に低下する。それにより、ドライバーはブレーキング時にホイールがロックしないよう注意を払う必要がある。独特なレイアウトのため、ドライバーのギアチェンジが最も少ないサーキットでもある。
2025年も「ワンストップ」が主流か
昨年のメキシコGPでは、セルジオ・ペレスを除く全ドライバーがワンストップ戦略を採用した。大半がミディアムタイヤでスタートしたが、トップ11圏外でフィニッシュした6人のドライバーは全員、最初のスティントでハードタイヤを選択した。理論上、そして実際のサーキットでも、最も効率的な戦略はミディアムからハードへの組み合わせであることが証明された。
ミディアムのタイヤマネジメントは比較的容易で、グレイニングもわずか、摩耗も非常に限定的だった。昨年の最長スティントは、ミディアムタイヤでピアストリが39周、ハードタイヤではボッタスが49周を走行した。
今年も同様の傾向が予想されるため、「ワンストップ戦略」が主流になる可能性が高い。
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